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東武鉄道 50090系電車~クロス・ロング可変座席を採用した有料列車では異例の4扉通勤型車両

2008-06-22 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

 

MAKIKYUが先日開業した東京メトロ副都心線に乗車した際には、その後直通する西武池袋線に乗車して埼玉県内まで足を伸ばしたのですが、その帰りには西武線と共に副都心線・有楽町線に相互乗り入れを行っている東武東上線に乗車し、その際には先日のダイヤ改正と共に本格稼動した東武鉄道の新型車両・50090系に乗車する事が出来ましたので、今日はこの車両に関して少々取り上げたいと思います。

50090系は、東武鉄道の最新型通勤型車両50000系列の一員で、現段階では東上線用に10両編成4本が導入されており、メーカー標準仕様のアルミ製車体を採用し、窓周りにオレンジ色のカラーテープを配したデザインは、他の50000系列各車両と同様ながら、外観は窓下に青帯が入っており、これは他の50000系列との外観上の大きな違いとなっていますが、これはMAKIKYUとしても引き締まった感じで良いのでは…と感じたものです。

先日のダイヤ改正で新設された座席定員制の有料列車・TJライナーでも使用される事は、片側4扉の通勤型車両では他社を含めて定期列車では前例がない(不定期列車では秩父鉄道の1000系リバイバル塗装編成による臨時急行などがあり、これは旧型であるばかりでなく、非冷房車も組み込まれていますので随分騒がれましたが…)と思われ、異色の存在となっています。

ただ4扉通勤型車両とはいえ、一応有料列車に使用するに相応しい設備を備える事もあってか、座席は車端部分を除いて近鉄のL/Cカーなどで見られるクロス・ロング可変座席を用いています。

  

車端部分のロングシート(優先席を含む)も、50000系列他形式と同等のタイプ(一部では極悪岩座席などとも呼ばれている様で、MAKIKYUとしては高速運転に拘る標準軌の首都圏某大手私鉄で良く見られる、「ブカブカ」した異様な感触の好みが大きく分かれる座席程ではないにしろ、メーカー標準のこの座席はあまり好感の持てるものではありません)ではなく、L/Cカーなどと同様に窓の下部が隠れてしまう程の、背もたれが大きい特別仕様となっているのも特徴です。

車内の化粧板もシンプルな印象ながら、他の50000系列で見られる無地の素っ気無いものではなく、柄入りになっていましたので、化粧板に関しては他の50000系列でも、今後50090系タイプのものが採用される事に期待したいと感じたものでした。

ちなみにMAKIKYUは夕方の帰宅時間帯に下り方面で運転されるTJライナーへの車両送り込みを兼ねて、車庫のある森林公園から池袋方面に運転される新種別の「快速急行」(原則として50090系が充当されます)でこの新型車両に乗車し、この列車は従前の急行などに比べて停車駅が削減され、特別料金も不要な上に、森林公園~池袋間で所要時間も10分以上短縮されているのですが、その際はクロス・ロング可変座席もクロスシート状態で運用されていましたので、非常に乗り得感のあるものでした。

MAKIKYUは森林公園始発で乗車した事もあって、この車両のウリとも言えるクロスシートに池袋までずっと座っていました(森林公園始発時点では席が埋まる程ではありませんが、途中で急行列車などを追い抜く事もあって、立席客も出る程の混雑となります)が、クロスシートの座り心地も特別料金不要な列車としてはかなり良く、この点は大いに評価出来るものでしたが、車両構造上の関係で外が見え難い座席(戸袋部分にかかる座席)が多い上に、比較的車窓を眺めるのに適している真ん中(ドア間に座席は3列あります)の座席も、他の50000系列と異なり窓の真ん中に窓柱が設けられている事もあって、これが少々邪魔に感じられたのは難点と言えます。

TJライナーでの使用が主に夜間帯になる事もあって、展望性に関しては割り切ったのかもしれませんが、他の50000系列と同等の一枚窓に出来なかったものなのかと感じたもので、それと森林公園発車前に試しに座ってみた車端部のロングシートは、他の50000系列程ではないにしろ、前にせり出す様な感覚がどうも馴染めず、TJライナーの乗車整理券を買って、他の座席が全て埋まってここだけが空いていたら…と感じさせられるものでした。

ただ快速急行に乗車している際には、偶然この電車に乗車したと思われる女子高生など(どう見てもレールファンではなさそうな感じでした)が歓声を上げていましたし、「毎日この電車なら…」という声も聞こえた程ですので、車両自体は比較的シンプルなメーカー標準仕様でありながらも、一般乗客からの評判もかなり良いと感じられ、当初和光市で副都心線に乗り換えようと思っていたMAKIKYUも、池袋まで乗り通してしまった程(運賃面ではその後他線に乗り換えて都心方面へ向かう場合、概ね割高になります)で、この車両であれば他路線との競合にも力を発揮しそうと感じたものですが、かつて東上線を定期券で利用していた身としては、もっと早くにこの様な車両が登場していれば…とも感じたものです。

先日の副都心線開業に伴う同線関連各線のダイヤ改正も、肝心の副都心線でトラブルが相次いだ事や、東上線のダイヤが分かりにくくなった事もあって、評判は今ひとつという面も多い様ですが、そういった中でも同系を用いて運転される有料列車・TJライナーはMAKIKYUが池袋駅で見た際には満席御礼となっており、この50090系の車両自体の評判も極めて良い様ですので、同系の今後の活躍や更なる増備にも期待したいものです。

50090系やTJライナーの運転は、今まで地味な印象が強かった東上線のイメージ向上にも大きく向上しそうですが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も東上線に乗車する機会がありましたら、是非この新型車両・50090系に乗車してみては如何でしょうか?
(「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様の中には、この車両に既に乗車された方も居られると思いますが、その際の感想などがありましたら、是非コメントもどうぞ)