MAKIKYUは少し前に「箱根フリーパス」を用いて箱根エリアへ出向き、その際に
乗車した小田急箱根高速バスの新型車「エアロエース」に関する記事を既に取り上げていますが、箱根エリアへ出向いた最大の理由は、登山電車に最近登場したリバイバル塗装車両への乗車が目当てで、MAKIKYUが訪問した日にもこの車両は稼動しており、乗車機会もありましたので、今日取り上げたいと思います。
1000形は1980年代前半に2両2編成が新造され、姉妹鉄道のスイスを走る路線の名称にちなんで「ベルニナ号」という呼称が付けられています。
日本国内では唯一の本格的登山鉄道という路線条件の特殊性なども影響しているとはいえ、登山電車の新造車は同形式が戦後初となっており、久々の新車として導入されただけあって、外観から内装、下回りに至るまで、戦前から走り続けている旧型車両(一部は今でも活躍しています)とは大きく異なる車両となっていますが、登場当時かた比較的近年まで非冷房車(旧型車は今でも非冷房です)となっていました。
現在ではその後に2000系「サンモリッツ号」も登場していますので、中堅的存在とも言えますが、近年では冷房化改造をはじめ、行先表示機のLED化や車内座席の交換(転換式クロスシート→固定クロスシートへの変更)、自動放送装置やドアチャイムの取り付けなどが行われていますが、冷房化改造の際には電源確保の関係もあって、2000系中間車を組み込んだ3両編成になっているのも特徴です。
2度に渡って塗装変更も行われていますので、登場当時とは様相が異なっていますが、現在設備的には2000系とほぼ同等(細部に色々違いはあるのですが…)となっており、メカニズム的にも1000系の中間に2000系を組み込んだ編成が出てくる程ですので、2000系と比べても遜色ない車両となっています。
現在の塗装はスイスの登山鉄道を模した赤色の塗装になっており、これは2000系も同様ですが、箱根登山鉄道の120周年を記念し、最近になって1編成は今流行のリバイバル塗装とも言える、白とオレンジの登場当時の塗装を復元したものに改められており、この編成は非常に注目を集める存在となっていますが、車内は特に装飾などは施されれず、至って普通なのは意外でした。
(この手のリバイバル塗装編成、まして会社の節目の年を記念して走らせているともなれば、ギャラリー列車などの類になる事が多いのですが…)
あとリバイバル塗装とは言ってもドア部分の塗装などは当時と異なっており、また中間に組み込まれた2000系にもこの塗装が施されている点など、雰囲気は出ていても登場当時とは異なる点が色々見られるのも興味深い点ですが、登山鉄道では旧型車両にも大昔の塗装(水色とクリーム色)を復元させた車両1両を、評判が良いのか今でも走らせている状況ですので、この編成もリバイバル塗装でずっと走らせるのか気になるものです。
また現在箱根登山鉄道に乗り入れる小田急ロマンスカーでも、1000形とほぼ同時期に登場した7000形(LSE)1編成が小田急電鉄80周年を記念し、登場当時の塗装を復元したものとなっていますので、MAKIKYUは両者の並びを見た事はないものの、是非その姿も見てみたいものです。
(ただ現在小田急車両が乗り入れる小田原~箱根湯本間は、入生田~箱根湯本の1駅間を除いて現在は登山鉄道車両の運行そのものが物理的に不可能となっていますし、両者が顔を並べる可能性がある入生田へ登山車両が姿を表すのは入出庫に限られ、リバイバル塗装編成は共に1本のみですので、両者の並びに遭遇できる可能性は極めて低いですが…)
それと冷房を使用せずに済み、閑散期となる冬季などに、2000系中間車を外した登場当時と同じ2両編成でのリバイバル塗装編成運行も行ったら面白いのでは…と感じさせられたものです。
箱根登山線は3月のダイヤ改正で風祭駅改良の関係もあり、小田急車両乗り入れ区間の一般車両が4両編成による運行に変更となり、小田原駅なども随分様相を変えて今までとは一風変わった状況になっていますので、リバイバル塗装編成も走る今、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様も機会がありましたら、是非箱根を訪問され、登山鉄道に乗車してみては如何でしょうか?
写真は小涌谷駅停車中のリバイバル塗装となった1000形と、この編成の中間に組み込まれた2000系(窓割の違いにも注目)です。