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阿武隈急行 A417系電車~阿武急全線開業20周年の年に導入の新形式

2008-09-09 | 鉄道[東北]

 

今年夏の青春18きっぷ有効期間は10日まで、それにも関わらず今月に入った段階でまだ3回分(うち1回分は2日に使用)を残していたMAKIKYUですが、一昨日・昨日の2日間で有効期間が迫った2回分の18きっぷを使用して東北方面へ出向いていました。

一昨日は横浜市内から仙台まで普通・快速列車乗り継ぎで移動し、その途中福島で途中下車したのですが、一昨日は第1日曜日という事で福島・宮城両県に跨って走る第3セクター鉄道・阿武隈急行が全線フリー乗車券(第1日曜日以外に、元旦と鉄道の日にも設定)を600円で発売していました。

福島~槻木間全線を片道乗り通すだけでも940円を要する路線ですので、この価格設定は非常に割安と言え、利用機会の少ない阿武急に乗車(MAKIKYUの阿武急乗車は2回目です)するにも絶好の機会でした。

そのため一昨日は久々に阿武急に乗車したのですが、乗車中に途中の梁川で車庫の前を通った際には、新形式A417系の姿も目撃し、フリー乗車券では一日の間であれば途中下車も自由自在という事で、乗車していた列車を梁川で下車し、予定を変更して一本後の列車で宮城県入りする事にして、車庫に停車中の新形式・A417系の姿を視察して来ました。

A417系は阿武隈急行において、20年前の全線開業・国鉄引継区間の電化完成の際に導入された電車・8100系電車以来の車両導入となり、近年では昼間時間帯の福島発着列車など、ワンマン運転の対象列車を増やす一方で、ラッシュ時間帯の混雑に手を焼いていると言われる阿武急の混雑解消にも貢献しそうですが、この車両は形式名からも推測出来る通り新型車両ではなく、JR東日本の仙台地区で昨年まで活躍していた交直両用の近郊型電車・417系電車を譲り受けたものとなっています。

編成は元がJR417系であるだけに、既存車両(8100系)より1両多い3両編成となっており、仙台方から順にAT418+AM417-2+AM417-1の付番となっており、AM(電動車)が奇数・AT(制御車・モーターなし)がAMに1を足した偶数という付番方法は、既存車両と同等の法則性があります。

ただ電動車が2両に跨る事から、AMのみハイフンが振られているのが特徴で、この付番方法は阿武急初となりますが、形式名が元の車両を意識したものとは言っても中途半端な番号となり、その上制御車(AT)にはハイフンが振られていない事などを考えると、1編成のみの異端車両となる公算が高そうです。

また見た限りでは塗装が既存の8100系電車とほぼ同等の装いに改められ、前面の窓周りが黒く塗られている辺りなどは少々奇妙な印象も受けますが、編成が8100系よりも1両長い3両と言う事もあるのか、青と緑のラインが下から上へ上がる位置がドア間ではなく、先頭車端~中間車端に跨る塗り分けとなっており、アイボリーの色合いも若干薄く感じたものです。

近い内に営業開始と言われるA417系は、車両構造や編成両数故にラッシュ時のみの稼動になり、乗車機会が少ない車両となる公算が高そうですが、JR時代から少数派で地味な存在であったこの車両が、阿武急で末永く活躍する事に期待したいと感じたものです。