昨日茨城交通から経営移管され、今年春から新体制で再出発したひたちなか海浜鉄道の2両編成列車(朝ラッシュ時の輸送力列車)に関して取り上げましたが、今日はその列車で冷房の必要なこの時期に、冷房車という事で主力の3710形と共に用いられる旧型気動車・キハ205号の車内の様子を少々取り上げたいと思います。
この車両は現在、外観が国鉄時代の装いを復刻した朱色とクリームの塗装に改められ、この装いは30年~40年程前を連想させる雰囲気を漂わせていますが、車内も現代のサービス水準に合わせるために後付けで、一部の荷棚部分に簡易型の冷房装置を設置するなどの改造は行われているものの、大きなリニューアルなどは施されずに昔ながらの雰囲気を漂わせています。
またキハ20系列の特徴とも言えるプレスドアなども残存していますが、MAKIKYUも昨年冬に乗車する機会があった島原鉄道のキハ20形(今年春の南目線廃止まで活躍しましたが、同線廃止伴う所要車両減もあって、現在は残念ながら退役しています)と比べると、こちらはラッシュ輸送に特化した車両ではなく、昼間の単行ワンマンでも使う事もあって、ワンマン運転に対応するために自動両替器付運賃箱や整理券発行器が設置されており、車内のボックス席数が異なっている事(湊線の車両の方がボックス数は少ないです)や、所要時間が短い事もあって化粧室が撤廃されている事など、同種の車両ながらも差異が見られる点は興味深いものです。
(今となっては両者の乗り比べは叶いませんが、昨年島鉄の元国鉄キハ20形に乗車した際の記事がありますので、興味のある方はこちらもご覧頂き、写真で両者を比較して頂ければと思います)
ちなみに今でも活躍する国鉄型気動車は近年、エンジン換装などが行われた車両が多く見受けられますが、この車両に関しては結構な古参車にも関わらず、新型エンジンへの換装も行われていませんので、乗車していてもなかなか良い雰囲気ですが、新型車3710形がオールロングシート(路線の長さなどを考えると、設備的には充分ですが…)なのに対し、車両中央部にボックス席を配したセミクロス配置という事も、更にこの車両の魅力を高める要因と言えます。
その上全国的に見ても、先述の島原鉄道所属車両が退役した今では、非常に数少ないキハ20形の残党ですので、新型車との2両混結列車では、少々両者を乗り比べたとはいえ、MAKIKYUは殆どキハ205号に乗車する始末でしたが、この様な希少な旧型気動車の末永い活躍と、他ではなかなか見られない新型車との競演が暫く続く事に期待したいと感じたものです。