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高松琴平電気鉄道 600形電車~第3軌条方式の地下鉄から転用改造された異色車両

2009-02-26 | 鉄道[四国]

 

MAKIKYUは今月初めに四国へ出向いた際には、高松周辺に路線を張り巡らす私鉄で、地方の中小私鉄にしては規模が大きいことでも知られる高松琴平電気鉄道(琴電)にも乗車する機会がありましたが、今日はその際に乗車した車両の一つで、600形と呼ばれる車両に関して取り上げたいと思います。

この車両は名古屋市営地下鉄の東山線や名城線で使用していた車両を、同局での廃車後に改造して琴電で走らせているものですが、東山線や名城線は第3軌条方式の路線ですので、この様な車両を一般的な架線集電の路線に転用する事自体が異例と言えます。

その中でも600形は琴電の元名古屋市営車両の多数派を占めており、中間車であった車両を先頭車化改造した事もあって、前面は非常用貫通路を右側に設置した左右非対称のデザインとなっています。

この姿は名古屋市営の現行東山線車両(5000系)に比較的良く似た印象を受け、車内も琴電移籍に際して徹底的な更新が行われ、その内装は改造を担当した京王重機の親会社・京王電鉄がこの当時導入していた8000系電車に良く似た印象を受けるものですので、相次ぐ改造の経緯を知らない人物が見れば、そこそこ新しい車両と錯覚しそうな程ですが、客用扉が未だにペンキ塗りとなっている辺りは、多少古さを感じさせられるものです。
(中京の某大手私鉄では未だにペンキ塗りのドアが当たり前ですが、それ以外の鉄道では大半が古参車ですので…)

この異例とも言える転用劇は、琴電でも急曲線などが多数存在する志度線の車両限界が小さく、以前は長尾線も車両限界が小さかった事で、これに適合する車両が数少なかった事が大きいですが、現在日本国内を走る数多くの鉄道の中でも、現存する車両で第3軌条→架線集電への改造が行われた車両は、琴電の他にはやはり名古屋市営の車両を改造した福井鉄道と、東京の銀座線車両を改造した千葉県の銚子電気鉄道程度(以前は銚子と同形車が日立電鉄でも多数走っていたのですが、残念ながら路線廃止と共に退役しています)程度です。

その上この車両は名古屋市営時代は非冷房車だった車両を、琴電移籍に際して冷房化改造しているのも大きな特徴で、その冷房装置も他鉄道の廃車発生品を組み合わせているのですが、3台の冷房装置は真ん中の一台だけ異なるものを用いており、こんな車両は他で目にする機会はまずありませんので、ただでさえ第3軌条→架線集電への改造という異色の改造を施されたこの車両の異端ぶりを、よりいっそう強めるものとなっています。

またこの車両は琴電を走り始めてからまだ10年程度ですが、この間に琴電は随分大きな動きがあり、既に登場当時の白に緑と黒の装いを留めた車両は存在しておらず、現在はアイボリーと活躍する長尾線・志度線それぞれのラインカラー(緑・赤)の塗装に改められています(広告車両になっている車両も多いです)が、最近では長尾線→志度線へ移動し、ラッシュ用増結車(800番台に改番)も存在するなど、この車両も琴電自体と同様に随分変化が激しいのも大きな特徴です。

現在長尾線では中型車の入線に伴い、一部が運用されるだけで脇役的存在になっているものの、小型車しか運用できない志度線では主力として活躍しており、数年前までは相当な年代物車両がゴロゴロしていた長尾線・志度線の様相を大きく変えたこの車両は、年代物車両が活躍していた頃に比べると随分単調な印象を受けがちなものの、それでも個性の強い車両である事に変わりなく、まだ暫く第二の地で活躍する事が見込まれ、今後も色々な動きが生じるのかも気になる所です。

写真は長尾線塗装を纏った600形とその車内の様子です。