MAKIKYUが10月に韓国を訪問した際には、ソウルで今年7月に開業したばかりの江南(Gannam:漢江の南側にある地域をこの様に呼称します)を走る地下鉄9号線(通称:メトロ9)にも乗車する機会がありました。
メトロ9で開業と共に走り始めた車両が9000系と呼ばれる車両で、メトロ9は韓国の都市鉄道では少数派の急行運転を本格的に行う事がウリとなっていますが、空港鉄道の様に直通(速達)列車と普通列車で車両を使い分ける事はなく、急行・一般(各駅停車)の両種別共に同一の車両を用いています。
9000系は既存のソウル市内を走る各地下鉄路線に比べ、車体は車長・車幅共に小柄なのも一つの特徴で、4両という編成は長編成が一般的なソウルの地下鉄で一般的な印象とは大きく異なり、地方都市の地下鉄を連想させるものです。
車内も比較的最近走り始めた、韓国の地方都市を走る幾つかの地下鉄車両(光州地下鉄や釜山3号線など)に類似した雰囲気となっており、メトロ9ならではの独創性を感じる部分は少ないですが、所々で高さを変えたつり革や、LCDモニターによる案内装置などは最近の地下鉄ならではと感じ、特にLCDモニターは急行運転を行うメトロ9では、まだまだ急行運転に不慣れな乗客が多い土地柄も考えると、停車・通過駅の案内などをきめ細かく行うには必須と言えます。
外観は実用本位のシンプルな印象を受けるものですが、殆どがホームドア設置の地下駅で、車両を眺める機会が少ないメトロ9の路線特性もあって、基本的に各駅の案内表示や車内のLCDモニター列車種別・行き先等を案内し、前面のLED表示器は列車種別と列車番号を交互に表示(行先は表示せず)となっているのも大きな特徴です。
まだ走り始めてから日が浅いメトロ9は、今後も延伸計画があり、その際には編成数の増強なども行われる構想が存在していますが、現状では設備面で非常に余裕があると感じます。
増結・増発共に充分可能な状況ですので、今後も同形式が更に増備される可能性は極めて高く、今後9000系が増備される事になった場合、現行運用車両との仕様変更が行われるのか否かも気になるものです。
またメトロ9に関しては、近日中に別記事で駅構内の様子なども取り上げたいと思います。
写真はメトロ9の9000系電車とその車内、車内LCDモニターの表示(写真は急行列車乗車時)です。
(訂正)記事公開時には車体長18m級と記していましたが、この車両の車体長は韓国の地方における地下鉄で一般的な18m級ではなく、ソウルの他路線と同様の20m級です。