先日「MAKIKYUのページ」では、鹿児島中央駅を発車する旅行商品扱いの貸切リバイバル急行列車「最南端」号に関する記事を取り上げましたが、MAKIKYUが鹿児島からの帰路に着く前には市内の路面電車や路線バスにも乗車したほか、鹿児島中央駅前では多数の路線バスを視察・撮影する事も出来ました。
鹿児島市内を走る路線バス車両は、複数事業者が入り乱れている上に、メーカーや年式も様々ですので、各者共見ていて飽きないもので、排ガス規制の影響で旧年式車が次々と淘汰されて似た様なバスばかりになりつつある大都市圏に身を置くモノとしては、非常に羨ましく感じるものです。
その中でも鹿児島市交通局(市営バス)の車両は、比較的近年導入されているノンステップ車両は目立つ装いの反面、国土交通省標準仕様車故にさほどの個性は感じないのですが、それ以前に導入された車両は非常に特徴的な車両を多数走らせています。
ノンステップ車導入以前に導入され、如何にも公営バスといった雰囲気の装いとなっている2段ステップ車は、エアサス車で窓枠が黒い引き違い窓、中扉は4枚折戸で座席はハイバックシート装備と、非常にハイグレードな仕様となっている事が大きな特徴と言えます。
これに加え鹿児島市営バスでは、通常前面2枚窓となっている車種でピラーなしの1枚窓を採用し、ワイパーもいすゞキュービックなどで用いられるタイプとなっているのが大きな特徴となっており、その上これらの中には大都市圏ではすっかり姿を見なくなった三菱AEROSTAR Kや、殆どが西日本で活躍し、首都圏などでは殆ど見かけない西工58MCといった車種も含まれるのは大きな魅力です。
そんな中で三菱NEW AEROSTARとなると、ようやく大都市圏でも初期導入車の代替が始まった車種ですので、古参車種に比べると面白みの点では…と感じてしまうものですが、NEW AEROSTARの一般路線仕様では標準装備となっている死角確認窓(セーフティウィンドウ)を省略している点は、鹿児島市営ならではの特徴的な仕様と併せ、市営バスのNEW AEROSTARをより特徴的なものにしています。
死角確認窓なしのNEW AEROSTAR自体は、同車種を日本で最も多く導入している首都圏屈指の規模を誇るバス専業事業者で一般的で、この事業者では代わりに運賃支払表示方法を示す幕を装備している事でも有名ですが、この場合は死角確認窓自体はなくても、NEW AEROSTARではそれに準じた窪みが見受けられるのが大きな特徴です。
またこの事業者から近年地方へ転出したNEW AEROSTARの場合も、運賃支払表示方法を示す幕が撤廃されても、死角確認窓に準じた窪みが存在していますが、鹿児島市営バスのNEW AEROSTARの場合、AEROSTAR Kの死角確認窓なし車両などと同様に死角確認窓に準じた窪みがなく、自家用や短距離高速仕様車の如く左右対称の姿(ワイパー形状の関係で、厳密には左右非対称になりますが…)となっている点も大きな特徴と言えます。
見栄えの点から言えば、鹿児島市営のNEW AEROSTARの方が優れているのは言うまでもなく、運賃支払表示方法を示す幕を装備する関係で、死角確認窓なし仕様のNEW AEROSTARを多数導入している首都圏屈指の規模を誇るバス専業事業者などでも、鹿児島市営バスの様なスタイルに出来ないものかと感じてしまったものです。
ちなみに首都圏屈指の規模を誇るバス専業事業者で導入されているNEW AEROSTARがどんな車?と思われた方は、こちらをクリックして頂ければ画像がありますので、この記事の車両と対比して頂ければと思います。