先日千葉県を走る第3セクター鉄道・いすみ鉄道では、今年春まで新潟県内で使用していたJRの旧型気動車(この気動車は以前「MAKIKYUのページ」でも取り上げた事があり、この記事に関してはこちらをクリックして下さい)を購入し、来年から走らせる事を発表した事は、随分大きな話題になっています。
MAKIKYUとしても以前この形式の旧型気動車に乗車した際には、随分草臥れた印象を受けたものですので、堅牢な造りの車両である上に、冷房改造済みの単行ワンマン車である事も幸いしたのだと思いますが、解体されずに静態保存か輸出されれば上等と思っていた位ですので、よくこんな古参車両が国内で再活躍の場を見出したと感心しています。
この旧型気動車の新たな舞台にもなるいすみ鉄道は、閑散ローカル線とは言っても、その気になれば普通列車や高速バスなどを利用し、首都圏一円から日帰りで訪問できるエリアにありますので、稼動開始の暁には大きな注目を浴び、訪問者も増大する事はほぼ確実かと思いますし、MAKIKYUも機会があれば…と思います。
ただこの旧型気動車の導入目的は単に目玉車両を導入するのではなく、国鉄木原線→いすみ鉄道転換時に導入されたレールバス(LE-Car)の寿命が近づいている事が大きな要因になっています。
LE-Carは昭和末期に製造された車両にも関わらず、古参気動車によって淘汰される車両が現れるとなるとは皮肉なもので、簡素な車両構造が災いした事を実感させられます。
一時期幾つもの第3セクター鉄道で導入されたLE-Carも、ほぼ同時期に導入された他鉄道の同形車はもう既に大半が…という状況ですので、現在いすみ鉄道で活躍している車両も、今では結構希少な部類に入りますが、現在いすみ200型と称している気動車(レールバス)は、MAKIKYUも3月に大多喜を訪問した際、大多喜→城見が丘という僅かな区間ながらも乗車機会があったものでした。
いすみ鉄道への転換後は今日に至るまで、全ての旅客列車がこの車両で運行されていますので、既に運用離脱した車両も1両だけ存在していますが、今ならいすみ鉄道を利用すれば嫌でも当たる状況です。
3月にいすみ鉄道を久々に利用した際には、車両自体は5年程前に乗車した時と大差ないと感じたものの、車内外の至る所に有名キャラクターのデザインが施されていたのが印象的で、車両だけに限らず駅構内の標識なども…という状況で、この状況は賛否両論が分かれる所だと思います。
この様な創意工夫で鉄道好きとはまた異なる客層が開拓でき、少しでも旅客増加につながればと感じますし、この列車への乗車を機会に、鉄道への魅力を感じる人が増えればと思う反面、現状では全ての車両がキャラクターデザイン入りとなっていますので、MAKIKYUとしてはキャラクターデザインのない車両が1両位はあっても…と感じたものでした。
(余談ながら今度導入される旧型気動車に関しては、車両自体をウリにする事もあってか、キャラクターデザインは施されない様です)
いすみ200型をはじめ、第3セクター鉄道が全国各地で相次いで発足した時期に導入されたLE-Carなどの軽快気動車は、簡素な車両構造故に近年各地で引退が相次ぎ、古参気動車などに比べると余り注目されない存在ながらも、次々と数を減らして気が付いたら乗車できる路線も…という状況になりつつあります。
JRで使用していた古参気動車の購入も、現在発表されている情報では1両だけですので、いすみ鉄道では古参気動車に伴って運用離脱するいすみ200型(LE-Car)が発生する公算が極めて高いとは言え、まだ暫くは活躍する姿が見られそうで、旧型気動車と共に活躍する姿は想像するだけでも非常に興味深いものです。
とはいえ車両構造上寿命が短く、他鉄道の動向なども踏まえるといつ引退しても不思議でない車両だけに、旧型気動車と肩を並べての活躍がどの程度続くのかも未知数です。
いすみ鉄道の現状を考えると、新型車導入の可能性は極めて低いとはいえ、先日発表された古参気動車以外にも、各地で徐々に廃車が進行している旧国鉄型の気動車を購入ともなれば、いつ全面淘汰されてもおかしくないだけに、今後の動向が気になる所です。
日頃首都圏に居るMAKIKYUにとって、いすみ鉄道はその気になればいつでも訪問できる所であるだけに、訪問も後回しになりがちですが、機会があれば現在活躍中のLE-Carにも再び乗車し、その姿も押さえておきたいものです。