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西鉄2000系電車・遂に来月全廃に~今月末には前面の塗り分けなども…

2010-09-16 | 鉄道[九州・私鉄等]

   

数日前日本の大手私鉄で唯一九州に路線を持つ西日本鉄道(西鉄)では、かつて大牟田線特急の主力として活躍し、近年は数を減らしつつも急行などで活躍していた2000系電車を、来月限りで運行することを発表し、HPなどでも告知していますので、ご存知の方も多いかと思います。

2000系は1970年代前半に、特急用に製造された2扉転換式クロスシート車で、既存車両と異なるクリーム色に赤帯を巻いた装いをはじめ、非貫通型となっている先頭車は運転台が車両のほぼ中央に設置されている事も、大きな特徴となっています。

大牟田線(後に天神大牟田線に改名)ではその後、現在の特急用車両の主力となっている8000系電車が登場し、花形の座を同系に譲った後は、主な活躍舞台が急行となる事もあって、各車両の中央部にも扉を増設し、3扉車となって今日に至っています。

通常花形の座を譲り、短~中距離輸送用に転用される特急用車両ともなれば、クロスシート→ロングシートへの改造が行われる事が多く、西鉄でも2000系導入前に特急用として活躍していた1000系(現在は全廃)などは、主に普通用に転用する事もあってこの様な改造が行われています。

装いも最末期に往年の活躍を労い、リバイバル塗装で運行された他は、他の一般車両と同等となるなど、どう見ても格落ちと言わざるを得ない状況になってしまい、同種の事例は他の標準軌大手私鉄でも幾つか存在しています。
(特に首都圏で活躍し、奇しくも今回西鉄で退役となる形式と同じ「2000」という形式を名乗る車両は、改造後の座席がイマイチと感じる上に、比較的最近の新種別列車設定までは長編成を構成した車両の昼間稼働率が低く持て余し気味、短編成を構成している方も性能特性に合わない列車への充当が多くダイヤを乱す事が多いなど、特に格落ち車両の印象を受けます)

しかしながら西鉄2000系の場合は、3扉車へ改造された後も特徴的な装いをはじめ、転換式クロスシートの座席も扉増設の関係で数こそ減らされたものの、花形時代の設備が存置されるなど、割合花形時代に近い雰囲気のまま今日まで活躍し続けたのは、2000系の大きな特徴の一つと言えます。

MAKIKYUは日頃首都圏に居り、西鉄電車を利用するのは九州を旅行した際や、九州の更に位置する韓国への前後泊(博多港~釜山港間はJRの高速船で片道約3時間・この高速船の出港する博多港(国際ターミナル)へのアクセスも、西鉄のバスが担っています)の序で福岡周辺を動き回った時に限られますので、乗車機会はさほど多くなく、今までの合計で指の数程度、それも3扉改造後の晩年の姿に限られる状況です。

ちなみにMAKIKYUが最後に乗車したのは、昨年韓国から帰国した直後ですので、もう一年近く前になり、現在の主な活躍舞台となっている急行で乗車しており、この時は現在最後のしている2021編成に当たり、この記事の画像もこの時撮影したものですが、経年もあってやや草臥れた印象はあったものの、設備的には特急で福岡(天神)~大牟田間を乗り通しても…と感じたものです。

今年に入ってからMAKIKYUが西鉄電車に乗車した際には、数を減らし乗り難い存在になっている2000系への乗車機会こそないものの、現に休日夜の特急として活躍する姿も目撃し、8000系の代役としても充分通用するのでは…と感じたものでした。

引退発表から退役日までの期間が短く、今後MAKIKYUが2000系に乗車する機会は…といた所で、永年の活躍を労い、前面の塗り分け変更や旧社紋(現行ロゴ導入前にも2000系には一度乗車していますので、この姿はMAKIKYUも見ているのですが…)の復活などが施された姿(プチリバイバル)となる事も発表されていますが、遠方だけにこの姿を見に行く機会がなく、終焉を迎えそうなのは少々残念です。

とはいえ今日まで花形の雰囲気を強く保ち、今日特急で走っても恥じない姿のままというのは、用途変更による扉増設車では、扉増設と共に種々の改造が施され、格落ちの観が否めない車両が多い中では大いに賞賛できる事と感じています。

この事もプチリバイバルでの姿が短期となる要因なのでは?と感じる程ですが、最後まで花形の雰囲気を強く保ち続けた2000系の姿は、退役後も記憶に留めておきたいものです。