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JR東日本・特急「かもしか」→「つがる」へ~新幹線連絡列車として遜色ない事に期待したいものですが…

2010-09-25 | 鉄道[東北]

 

先日JR東日本では12月のダイヤ改正概要が発表され、既にJR東日本のHPなどにアクセスされて情報をご存知の方も多いかと思います。

来る12月の改正では、東北新幹線八戸~新青森間開業に伴い、東北新幹線や接続線区を中心に大きな動きが発生する他、首都圏でも高崎線方面新特急の整理(上越新幹線と快速列車グリーン車が存在する事などを考えると、見直し止む無しかと…)や、ダイヤ改正には間に合わず来年に持ち越しになるとはいえ、昼間の南武線快速列車設定(現状では遅過ぎる上に川崎周辺の混雑も考えると、ようやくといった感があるものの大歓迎!)など、随分派手な動きが幾つも見受けられます。

先日発表されたダイヤ改正概要では、新幹線や首都圏の大きな動きと共に、JR東日本の優等列車としては地味な存在に甘んじていた特急「かもしか」の廃止も話題の一つです。

奥羽本線秋田~青森間の特急設定自体は継続されるものの、ダイヤ改正以降は現在八戸~青森~弘前間で運転されている特急の名称である「つがる」を名乗る事になります。

特急「つがる」登場前の急行「津軽」が、奥羽本線を代表する列車だった事を考えると、「つがる」の名称が再び奥羽本線に返り咲く事になりますが、特急「つがる」は八戸発着と言う印象が強いだけに、少々違和感と紛らわしさ(来年東北新幹線で運転開始予定の新列車に比べれば、随分マシかとは思いますが…)を感じると共に、わざわざ「かもしか」の名称を改める必然性があったのかも疑問に感じる所です。

ところで今後奥羽本線の特急となる「(新)つがる」ですが、運転本数が現行「かもしか」に比べて1往復多い4往復となる事が発表されていますが、これは純粋な増発ではなく、現在新潟~青森間を運転する「いなほ」を秋田で分断するもので、実質的に秋田~青森間昼行特急の運転本数は現状維持となります。
(同区間では他に長距離夜行寝台特急のヒルネ利用もあり、こちらも現状維持となるのか気になります)

ただでさえ新潟~青森間の「いなほ」は旧「白鳥」の一部を分断した列車ですので、今度の分断により昼行特急で旧「白鳥」のルートを辿るには、ダイヤ改正以後青森~大阪間では秋田・新潟・富山or金沢で乗り継いで4列車を利用する事になります。

この事は新幹線網発達などが影響し、日本海縦断の長距離旅客流動が激減している事(青森~大阪間で新幹線を利用した場合、乗り継ぎを含めても所要時間は日本海縦断在来線ルートの半分程度ですので、直通の夜行寝台以外での旅客利用は殆どないと思います)を表していると共に、国鉄分割民営化から長い月日が経つにつれ、在来線列車の地域毎運行が深度化している事を改めて実感させられます。

また現在「かもしか」で使用している独自塗装の485系は陳腐な上に編成も3両と短く、繁忙期には2編成併結による6両運転や、併結車両捻出に伴う一部列車の他形式代走(設備的には特急として更に問題ありの車両が動員されます)も行われていますので、直接フル規格の新幹線から連絡輸送を担うには余りに貧弱過ぎると言わざるを得ないものです。

これに比べると東北新幹線新青森開業で役割を終える「(現)つがる」の使用車両は、比較的新しいE751系や、古い485系でも大幅リニューアルで「かもしか」充当車両より程度の良い車両を用いています。
(青函トンネルを通る「(現)白鳥」系統に関しては、ダイヤ改正以降JR東日本区間の運行が大幅に減少する事から、大半がJR北海道車両による「スーパー白鳥」となり、ダイヤを見ると「白鳥」は1運用で賄えそうな雰囲気です)

「(現)つがる」は編成も主に6両で運転されるなど、「かもしか」に比べると随分程度が良いですので、「(新)つがる」は「かもしか」の役割を継承しつつも、「(現)つがる」の車両転用で新幹線連絡列車として遜色ないものとなる事に期待したいものです。

来る12月ダイヤ改正以降の動きに関しては、まだまだ情報が発表されていない事も多く、他にも青森地区では新型ハイブリッド気動車導入に伴い、青森地区での活躍を終える既存リゾート列車用気動車の処遇なども気になります。

また今年冬~来年春にかけてはJR東日本以外でも、各地で目を離せない大きな動きが見込まれ、MAKIKYUは慌しく各地を動き回らなければ…と感じていますが、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様はいかがでしょうか?

写真は「(現)つがる」の主力E751系電車と、「かもしか」の485系電車です。

E751系はさほど古くない車両でまだまだ活躍が見込まれるとはいえ、交流専用車ですので新幹線延伸後の転用先も限られますので、今後の動向が非常に気になります。