MAKIKYUのページ

MAKIKYUの公共交通を主体とした気紛れなページ。
初めてアクセスされた方はまず「このページについて」をご覧下さい。

いすみ鉄道にやって来たキハ52 125~老朽車だけに草臥れた様子は否めなかったものの…

2010-12-13 | 鉄道[首都圏・私鉄等]

昨日MAKIKYUはたまたま仕事が休みとなり、長期休暇期間に合わせて発売されるJR全線の普通列車が乗り放題となる「青春18きっぷ」の利用期間が開始となった事もあり、日帰りで千葉県の大多喜まで足を運んでいました。
(勿論JR以外の交通機関を利用した区間は別途運賃が必要となりますが、横浜市内某所にあるMAKIKYUのJR最寄駅~大原間のJR片道だけでも青春18きっぷの1回分に近い金額となり、途中下車や重複乗車も自由自在となりますので、遠距離ではなく近場を動き回るだけでも、意外と便利なものです)

昨日大多喜まで足を運んだのは、いすみ鉄道が来年春から運行を開始する予定の旧型気動車・キハ52 125号車がJRからいすみ鉄道に到着し、改装前の姿を披露する撮影会が開催され、この撮影会に参加する事が最大の目的でした。

MAKIKYUと同じ様な事を考える人物は多数居るもので、撮影会場の大多喜駅や同駅へ向かういすみ鉄道の列車は大勢の人手で賑わっていたもので、青春18きっぷを持った乗客の姿も多数見かけたものでしたが、日頃は閑散とした1ローカル線という状況が否めないいすみ鉄道も、昨日に限っては全く別の路線に感じる程の雰囲気でした。

この様な状況に加え、撮影会場となる大多喜駅は手狭な事もあり、多少は空くだろうと見込んで遅めに出向いたMAKIKYUでも、撮影会参加までに1時間近く待つ事となり、最も混雑して待たされたら1時間以上の待ち時間は…という大多喜と同一県内の某テーマパーク(大多喜への道中でJR最寄駅は通っているのですが、この駅を境に車内の様子が一変したものでした)にある人気アトラクションにも負けない混雑は、今回のキハ52形導入が大きな注目を浴びている事の証とも言えます。

今回の撮影会は1日のみの開催である上に、一般向け撮影会の時間が14時までと短い時間に限られていた事も、非常に混雑した理由と思われ、MAKIKYUとしても撮影会で予想以上の時間を要し、その後は当初予定とは異なる行動となった程でした。

いすみ鉄道側もここまでの混雑を予想できていたのか気になる所ですが、会場の制約などで大勢の人手に対応できないのであれば、撮影会の開催日を1日だけではなく、今後は土日の2日間にするなどの施策を講じて欲しいと感じたものです。


ちなみに昨日最大の目的であったキハ52 125の撮影会では、同車がJR西日本大糸線での末期の装いであった、紺色の渋いリバイバル塗装に加え、大糸線仕様車ならではの行先表示器(いすみ鉄道での営業開始時には外してしまう様です)やJR西日本仕様の優先席ステッカーも付いたまま撮影会に供され、ほぼJR時代のままの姿ながらも、元々が老朽車である上に、春の大糸線営業退役から暫くの時間を経ている事もあり、車体の傷みが目立つのも気になる所でした。

撮影会に供されたキハ52 125号の上総中野方前面には「急行 そと房」のヘッドマークを掲出し、側面にも「大原-上総中野」のサボが掲げられるなど、キハ52形が房総の地にやって来た事を印象付ける演出がなされ、渋いリバイバル塗装での姿はいすみ鉄道における営業運行では期待できず、最初で最後となるだけに、貴重な姿を見れたものでした。


また大多喜駅構内の撮影会場は、キハ52の上総中野方のみを撮影できる状況となっていましたが、反対の大原方も回り道で少々遠回り(大多喜駅から徒歩5~6分程度)になるものの、敷地外の公道から撮影できる状況となっており、MAKIKYUは撮影会場での撮影を終えた後、こちらにも足を運んだものでした。

こちらは木の枝などがやや撮影の邪魔になるなどの難点があり、撮影会場での撮影に比べるとやや難ありなのは否めない状況でしたが、JR時代にトイレを撤去した窓のない箇所などを見る事ができました。

ここは公式な撮影会場ではないものの、実質的に撮影会の第2会場となっており、こちらも大多喜駅構内程ではないものの、そこそこの人手が見受けられたものでした。
(余談ながらこの撮影場所の少し先の上総中野方から同車を望む箇所は、私有地のため撮影不可)

いすみ鉄道側ではこちらにも撮影者がいる事を意識してか、行先表示器の幕を白幕(無表示)としていた上総中野方とは異なり、最初は「富山」の表示を出していたものを、途中でわざわざ幕を動かし、「糸魚川-信濃大町」の幕に変えるなどのサービス振り(本当は往年の最もありふれた姿の糸魚川-南小谷だともっと良かったのですが…)は評価できるもので、車両の両側で異なる雰囲気となっていたのも特徴ですが、この姿を見ると房総の地と言う雰囲気とはかけ離れた印象を受けたものです。


しかし途中で大多喜駅にレールバス(営業列車)が到着し、華やかな菜の花色のレールバスが背景に入る姿を見ると、キハ52形がはるばる遠方から房総の地にやって来た事を実感させられたものでした。

昨日撮影会に供されたキハ52 125号車はこれから修繕に入り、来年の営業運転に備える事となりますが、比較的至近な場所だけに営業運転開始後は是非一度、同車の乗車を目的にいすみ鉄道を再訪したいと感じたものです。

撮影会では草臥れた雰囲気が否めない状況だった車両が、何処までテコ入れされるのかも注目したい所ですが、営業開始前の撮影会でもこの人気・混雑振りだと営業開始後は相当な人手になりそうで、営業開始から少し時間を経て落ち着いた頃に、平日の一般列車で走る機会でもあれば…と感じたものです。