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Seoul~江陵間で乗車した優等高速バス

2011-04-26 | バス[大韓民国]

MAKIKYUが韓国へ足を運ぶ際には、市内バスを利用する事は多く、市外バスと呼ばれ、主に近距離の都市間を運行するバス(日本の近距離高速バスに近い存在で、概ね座席定員制の自由席です)も数回程度は利用するのですが、中長距離の移動となると殆どが鉄道利用となり、韓国で座席指定制の高速バスを利用する機会は余りないものです。

しかしながらMAKIKYUが2月に足を運んだ江陵(Gangneung)は、Seoulからの鉄道の便が悪く、大回りで時間を要し列車本数も限られる上に、KORAILでは距離に比例して運賃が上がる運賃体系を採用していますので、直線距離では200km程度にも限らず、運賃も決して安いとは言い難いのが現実です。

鉄道利用では、途中で韓国唯一のスイッチバックを体験でき、山越えの車窓などが楽しめるとはいえ、Seoul~江陵の2都市間を結ぶ交通手段としての使い勝手はイマイチです。

とはいえSeoulから江陵など東海岸にある都市への移動需要は存在しており、東海岸方面に向けては嶺東(Yeongdong)高速道路を走る高速バスも多数運行しています。

 
こちらの方が交通手段としての使い勝手は圧倒的に上で、まして韓国はただでさえ高速バス大国と言える状況ですので、バスターミナルに足を踏み入れただけでもその凄まじさは圧巻で、Seoul~江陵間では日本で高速バスが圧倒的優位を誇る熊本~宮崎間や広島~松江間、東京~鹿島間などを凌ぐ状況となっています。

この様な状況ですので、MAKIKYUが「パダ(海)列車」乗車などを目的として東海岸の江陵へ足を伸ばしたには、片道はSeoulから高速バスを利用したものでしたが、この高速バスは「一般高速バス」と「優等高速バス」の2種類が存在しています。

その内「一般高速バス」は、以前にMAKIKYUが他で乗車する機会もありましたが、横4列席の一般的な観光バスタイプの車両を用いており、座席指定制である事を除くと、市外バスに乗車しているのと大差ない雰囲気を感じたものでした。

 
これに対し「優等高速バス」は、横3列席(通路を挟んで片側が2列)のゆったりとした座席が並ぶ豪華車両を用いており、その分運賃も一般高速バスの1.5倍程と少々割高になっています。

MAKIKYUが2月に乗車したのは「優等高速バス」の方で、韓国を何度も訪問していながら、この手のバスに乗車するのは初めてと言う有様でしたが、約230kmの距離で3時間程度の乗車にも関わらず、運賃は20000W強ですので、日本に比べると遥かに割安で乗り得感があります。


またSeoul~江陵間の高速バス運行事業者は、東部高速(Dongbu Koseok)と中央高速(Jung-ang Koseok)の2者となっており、MAKIKYUが乗車した便は後者の運行でした。


充当車両も2008年式と比較的新しい車両ながら、日本で最近良く見られる現代UNIVERSEや大宇製ではなく起亜GRANBIRDで、日頃乗ろうと思ってもなかなか乗れない車両に当たった事も良かったと感じたものでした。

ただ高速バスは列車に比べると揺れが大きい上に、韓国では豪華な優等高速バスといえどもトイレの装備はなく、MAKIKYUが乗車したSeoul~江陵間では途中で1回休憩時間が設けられただけでした。
(辛い食べ物や塩辛い食べ物が多い土地柄ですので、どうしても水分を多く取ることになり、トイレの有無は非常に大きいです)

そのため高速バスが所要時間や運賃、本数などで圧倒的に優位な区間では利用価値も大きく、たまに乗車するのも悪くないものの、比較的鉄道の至便な首都圏~京釜線方面(大田・大邱・釜山など)や湖南・全羅線方面(光州・全州など)では、個人的には座席の確保が出来れば、鉄道利用の方が快適で良いのでは…と感じたものでした。