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広州地鉄4号線~地上区間を走るリニア地下鉄

2012-08-19 | 鉄道[中華人民共和国]

先日「MAKIKYUのページ」では、中国・広州を走る新交通システム「珠光新城旅客自動輸送系統(APM)」に関して取り上げましたが、広州では中国の他都市と同様に、ここ数年で市内を運行する軌道交通の新路線開業や路線延伸が続出しています。

MAKIKYUは6年前にも広州を訪問した事があり、その当時に運行していた地鉄各路線・区間は一通り乗車していたのですが、その後開業した新路線・区間が余りに多過ぎ、限られた日程で全ては…という状況でしたので、広州を初めて訪問して地鉄各路線への乗車を堪能したいともなれば、各方面に伸びる路線の何処から乗るのが…と迷われるかと思います。

その様な方に、MAKIKYUが個人的におススメと感じるのは、広州市の南西方面を走る地鉄4号線で、この路線は中国初のリニア地下鉄としても知られています。

現在中国のリニア地下鉄は、この4号線と後に開業した広州地鉄5号線の2路線のみで、中国の他都市では乗車できないリニア地下鉄と言う点でも注目の存在で、4・5号線の車両は路線毎に装いが大きく異なります。


とはいえ車両自体はほぼ同型と見受けられ、日本の地下鉄ではありえない非貫通車になっている事に加え、第3軌条集電用の集電靴を台車に装備している車両にも関わらず、パンタグラフも装備しているのは非常に特徴的です。

リニア地下鉄というと、小柄な車両が活躍する印象が強く、23m級の5扉車が活躍する路線もある広州では、4・5号線の車両は小柄な部類に入りますが、それでも3扉18m級の車体は、車内に足を踏み入れると窮屈な印象が否めない日本のリニア地下鉄に比べると大柄で、ゆったりとした印象を受けます。


車内の座席が中国では多数派のプラスチック製ではなく、ステンレス製となっており、他路線と共に香港の影響を受けている様にも感じられ、そこそこ大柄な車体でも荷棚を装備していないのも、中国ではごく当り前の仕様です。


またMAKIKYUが広州地鉄の中でも、4号線がおススメと感じる理由として、地鉄は地下を走る路線・区間が多く、中には全線地下でホームドア完備、車窓も楽しめず写真撮影も…という路線もしばしば存在する中で、郊外の地上区間が長く、南方に来た事を実感させられる車窓を存分に堪能できる事が挙げられます。
(もう1つのリニア地下鉄となっている5号線も、一応地上区間が存在する様ですが、大半が地下区間となっている様で、MAKIKYUが一度一部区間を乗車した際は地下区間のみの乗車でした)

日本のリニア地下鉄は、横浜市営グリーンラインで一部に地上区間が存在する以外は、営業線では専ら地下区間のみを走る路線で、構造上郊外を走る鉄道との相互直通運転も当然不可能ですので、東京都内でラケット状の路線を展開する都営大江戸線を除くと、路線長も比較的短い路線ばかりです。


そのためリニア地下鉄が郊外で地上を30分以上も走るのは、なかなか興味深いもの(4号線の路線長は40kmを越えており、その半分以上は地上区間です)で、中国の地下鉄車両は前面展望が望めない車両も数多く走る中で、一応前面展望が楽しめるという点も注目です。

この4号線の終点・金州(Jinzhou)近くは、まだこれから開発が進むと見込まれる郊外の光景が広がっており、また再び4号線に乗車する機会があれば、その際にどれだけの変貌を遂げているのか…とも感じます。

広州に足を伸ばす外国人、それも特に観光となると、この様な所に足を伸ばす機会は少ないかと思いますので、土地の日常を垣間見るという点でも4号線乗車はおススメで、広州を訪問する機会がありましたら、是非乗車してみては如何でしょうか?