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阪神8000系のトップナンバー編成~震災の影響で組替となった異端車両

2015-01-17 | 鉄道[近畿・スルッとKANSAI加盟社局]

今日1月17日は、未曾有の被害を及ぼした阪神・淡路大震災の発生日、1995年の震災から今日で丁度20年、震災で犠牲になられた方にはこの場から改めてお悔やみ申し上げたいと思います。

MAKIKYUは震災の2ヵ月後に神戸へも足を運ぶ機会があり、その時は交通網もまだ寸断された箇所が多数、梅田から乗車した阪神電車は御影以西が不通、阪急電車も御影~三宮間は復旧したものの、西宮北口~御影間は…という状況でした。

そのため阪神~阪急の御影駅間で運行していた臨時シャトルバスで移動し、通常なら電車で30分もかからずに移動できる阪神間を、何とか動いている交通機関を乗り継いで移動した事や、阪神御影駅付近で途中階が潰れた建物が残存している姿などを覚えています。
(この時に比べれば、遅いといわれる阪神普通車で阪神間を乗り通したとしても、遥かに早いものです)←ニュージェットで乗り通した事なら何度かあります

あれから20年とは、月日が流れるのも早いと感じますが、この時は特に石屋川車庫が倒壊した阪神電車の被害は非常に大きく、当時在籍していた車両の1割程度が廃車になるという有様でした。


そのため損傷の大きい車両を止む無く廃車する際、編成内で復旧可能な車両を寄せ集め、編成を組みなおした編成も存在し、今日でも活躍していますが、その中で最も有名な車両が8000系のトップナンバー編成です。

阪神8000系は優等系列車の主力車両として活躍する中堅核的存在で、近年開業した阪神なんば線を介した近鉄直通には用いられないものの、線内列車をはじめ山陽電鉄へ乗り入れる直通特急などにも用いられ、阪神電車利用時には遭遇頻度も非常に高い車両です。

この形式の第2編成以降は、前面ガラス窓が拡大され、若干の変化はありながらも今日の最新型車両に至るまで、見た目は比較的雰囲気のよく似た前面の車両ばかりとなっていますが、試作的用途が強いトップナンバー編成だけは、それ以前の標準スタイルとも言える前面形状となっており、異彩を放っています。

震災の際にはこのトップナンバー編成も被災し、6両編成中3両が廃車、残る3両を他編成の残存車両2両と、震災後に急造した車両1両と合わせて編成を構成、その後内外装のリニューアルを経て今日に至っています。


トップナンバー編成は前面だけでなく、側面窓も他の8000系と異なる2段窓になっているなど、外観上の差異が大きい車両ですので、他の8000系と合わせて編成を組んでいる今日では、尚更異端的な車両となっています。

MAKIKYUも関西を訪問し、阪神電車を利用した際には、2回程このトップナンバー編成に当たっており、野球観戦が好きな知人にも、今度野球観戦へ足を運ぶ際には遭遇したら是非…と思っています。


設備面でもリニューアルの際に、中間車が転換式クロスシートに改められ、最近リニューアルされた8000系では座席改造なしとなっていますので、この点でも注目と感じます。

足の長い直通特急や近鉄直通快速急行で、オールロングシート車が出没する頻度も高い一方、この編成が梅田~尼崎・西宮間の急行で頻出する様を見ると…と感じる事もあるのですが、こんな事を感じるのはMAKIKYUだけでしょうか?