既にネット上の様々なサイトなどで情報が流れ、ご存知の方も多いかと思いますが、2年程前に廃線となった青森県の十和田観光電鉄線で活躍していた元東急7200系改造車が、静岡県の大井川鐵道へ再譲渡された様です。
まだ公式発表などは目撃していませんが、ネット上では7200系が新金谷の大井川鐵道車両基地に搬入された姿なども散見し、同社の一般車両は先日退役した元京阪車以外も古参車ばかりですので、既存一般車の代替に充当される可能性が高いと思われ、メカ的にもVVVF改造などが実施されていない直流電動機使用車両である事も、購入の一因になったのかもしれません。
有名なSL列車だけでなく、一般車両も各地から中古車両を寄せ集め、「動く鉄道博物館」とも言われる大井川本線も、近年は関西系の車両ばかりとなっていましたが、7200系が稼動開始するとなれば、みちのくの地を経ての再移籍ながら、久々に関東系車両の再登場となります。
7200系は十和田観光電鉄譲渡に際し、原型とは大きく異なる運転台(右側の写真)を増設され、単行運転可能な両運転台車に改造されており、前面形状が上下で大きく異なるのも大きな特徴となっています。
MAKIKYUも十和田観光電鉄で活躍する同車には、一度乗車機会がありましたが、専ら2両編成での運行となっており、単行運転可能な特性が生かされる機会は…という状況でしたので、現在一般列車は2両編成での運行ながら、過去に単行運転の実績もある大井川鐵道において、両運転台車の特性を生かした単行運転が実施されるのかも気になる所です。
また7200系は古巣の東急線や、2年程前に廃線となった十和田観光電鉄線が、専ら短距離の通勤通学路線だった事もあり、設備的には通勤電車の典型とも言えるオールロングシートとなっていますが、大井川鐵道は観光路線的な要素の強い路線ですので、オールロングシートで金谷~千頭間の大井川本線を通しての運行となると、やや難ありかもしれません。
ただ静岡県内では伊豆急行が東急線の中古車(8000系)を大量に導入し、この車両は一部座席をクロスシートに取り替える事で、観光路線としての行楽利用なども想定した設備に改められている他、大井川鐵道自体も既存の大井川本線を運行する一般車両はクロスシート車ばかりで、過去にロングシート車の一部座席をクロスシートに改めた前例も存在しますので、一部座席のクロスシート化が実施されるのか否かも気になる所です。
大井川鐵道では近年、元京阪車両の退役と一般列車の運行本数削減が実施され、縮小均衡に向かうのでは…とも感じていただけに、少々意外な話題が出てきて今後の動向も…と感じる所ですが、再登場の暁にはどの様な姿での活躍となるのかも注目したいものです。
(この記事で使用している画像は、全て2008年にMAKIKYUが十和田観光電鉄で7200系に乗車した際に撮影したものです。
十和田観光電鉄時代の活躍ぶりに関しても、以前取り上げた記事がありますので、興味のある方はこちらをクリックして下さい)
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この車両こそ熊本電鉄5000系を置き換えるのにピッタリだったのですが、その手前の大井川が引き取ったのは何よりです。
個人的には十和田の用途廃止車両は、既に東急7200系を多数運用しており、上田からの再譲渡車も存在、3両編成でも混雑に手を焼いている豊橋鉄道辺りに行けば…とも思っていたのですが、中京圏の人間から見れば、豊鉄と同じ車両が…と映るかもしれません。
どちらも一応名鉄グループで、距離的にもそう遠くない所ですので、今後7200系を通じた結びつきが出てくるのかも気になる所です。
(部品の融通やメンテナンス支援、相互誘客の取り組みなど)
熊本電鉄は架線電圧が低く、1500V車では降圧改造が必要になる難点もあり、上熊本支線の運行形態をどうするのか揺れている状況(改軌して市電と直通運転する案もある様です)ですので、青カエルの老朽化は相当なモノで、非冷房車と言うサービス面での問題もあるものの、長く使える車両を入れて置き換えと言うのは厳しいかもしれません。
乗降口が限定される運賃箱収受ワンマンで、中型2両編成での運行も可能なはずですので、銚子の如く伊予鉄がお払い箱にした元京王車(低電圧線区で運行の中型冷房車)などが再移籍しても…と感じたものですが、銚子譲渡車以外は大半が解体されている様で、熊本の状況を見ると少々勿体無い気もします。
この会社も大井川と同様に、鉄道・バス(こちらは新車導入や古株もありますが…)共に各地の中古を寄せ集めている状況で、何時何処の車両が譲渡されても不思議ではないのですが…