先日江ノ島電鉄(江ノ電)バスグループにおいて、イベント開催と共に事業者限定バスコレクション(バスコレ)の第2弾が発売され、「MAKIKYUのページ」をご覧の皆様方の中には、イベント会場に足を運ばれ、イベント見学と共に限定バスコレを入手された方も居られるかと思います。
MAKIKYUは比較的近場ながらも、イベント開催日は仕事が入っていた事もあり、残念ながらイベントには参加していないのですが、その後江ノ電の電車駅構内にあるグッズショップなどでの発売も行われ、先日こちらで限定バスコレを入手したものでした。
限定バスコレの第2弾では、比較的新しいノンステップ車(西工96MC)と、様々なイベントにも登場するワンステップのラッピング車を模型化した第1弾とは異なり、少し前の主力車種・富士重工業7Eと、現行主力車種の一つで、中堅格とも言える三菱エアロスターの組み合わせとなっています。
事業者が特に一般旅客向けにPRしたいであろう花形車両や変り種車両ではなく、敢えてありふれた車両を製品化した辺りは、ありふれた日常の光景を再現するには最適と感じ、他事業者の限定バスコレでも、江ノ電第2弾の様な組み合わせが実現しないだろうか…と感じたものです。
(個人的には特に江ノ電バスのエアロスターと並ぶ事も多い、同じ小田急グループに属する事業者の同年式車種が出てくれれば特に嬉しいのですが…)
ただモデル化対象車種こそ好感が持てるものの、今回の製品を見ると塗装の乱れなどが凄まじい製品が散見され、購入時には幾つも積まれた中から品定めして…という状況だったのには閉口されられたものです。
江ノ電側の企画としてはかなり良いモデルと感じていますので、TOMYTEC(とその製造委託先)にはもう少し商品管理を…と感じると共に、これからこの限定バスコレを購入しようとしている方は、商品の出来栄えにバラツキがありますので、この点注意して購入された方が良いかと思います。
また今回のバスコレ第2弾で製品化された2台のバス、富士重工業7Eの方は、少し前の江ノ電バスではありふれた車種だったものの、最近では…という車両で、限定バスコレの箱にもエアロスターの方はしっかりと形式(KL-MP35JM)と記されているものの、7Eの方にKC-UA460HSNなどの形式名が記されていないのは、少々アンバランスな印象が否めない気がします。
(江ノ電バスの7Eは主力を占める日産ディーゼル製だけでなく、U-MP218P(三菱長尺)などのレア車種も活躍していた事があり、江ノ電では少数派ながらいすゞ車も導入するなど、車長も様々で、似た様な車両もよく見ると差異が…という状況でした)
ちなみにこのKC-UA460HSNなど、今回のバスコレ製品化対象となった日産ディーゼル車は、銀サッシ2段窓の中引戸車で、如何にも少し前の首都圏路線車の典型と言った雰囲気があり、個人的にも日産ディーゼル製路線車の中では、かなり好感を感じる車種の一つです。
しかしながら排ガス規制の影響などもあり、経年車となった今日では江ノ電に限らず、首都圏各事業者では運用を離脱したり、地方事業者で第2の活躍をしている車両ばかりと言う状況になっています。
(関東地方でも茨城交通辺りでは、元西武バスの富士重工業7E(日産ディーゼル車)が主力の一座を占めているのですが…)
KC-UA460HSNなども、江ノ電バスグループの車両となると、元々の事業規模が中堅程度である上に、以前は余り中古車として出回る機会がなかった事もあり、地方で活躍する車両も首都圏他事業者に比べると、余り多くはないのですが、近年では幾つかの事業者で活躍事例があります。
MAKIKYUが6月に佐世保へ足を運んだ際には、元江ノ電バスグループの富士重工業7Eで、外見上は今回のモデル化車種と大差ない車両(日産ディーゼル短尺車)にも乗車機会がありました。
乗車車両はラッピング車でしたが、他にもラッピングなしの同車種も何度か姿を目撃しているほか、市内では市バスをはじめ、民間(西肥バス)も含めて元神奈川県内事業者所属車両が多数活躍しており、これらとも頻繁にすれ違う状況でした。
見慣れない風景や聞き慣れない車内放送こそ、少々遠方に足を伸ばしていると実感させられるもの(距離的には首都圏と同等の釜山などは、もっと遠方へ足を運んだと感じされられますが…)でしたが、車内の雰囲気などは江ノ電時代と余り変わりません。
そのため座席モケットを見ると神奈川県最大手→本州最大手のバス事業者を連想させられる方も居られるかと思いますが、床材や側面化粧板などを見ると、元江ノ電バスグループの車両である事を実感させられたものでした。
古株の古参車などと共に、この様な車両に巡り合えるのも地方路線バス乗車の楽しみで、特に九州は路線・車両の両面で興味深い所が多く、鉄道も面白い状況(好みが大きく分かれるかと思いますが…)と感じていますので、最近は距離的に遠い割には行き易い事もあってか、足を運ぶ頻度が高い気がしますが、まだまだ行き足りないと感じる状況です。
また6月に佐世保市営バスに乗車した際には、土休日だと市バス全線が500円で乗り放題となる一日乗車券(平日は利用範囲限定)を利用していた事もあり、以前取り上げた5Eとこの7Eだけでなく、他にも首都圏からの移籍車両に乗車する機会がありましたが、こちらに関しても近日中に取り上げたいと思います。
(お断り)この記事は「九州」「小田急グループ」双方のカテゴリーに跨る記事内容ですが、実車の現行活躍先(佐世保)→「九州」カテゴリーでの取り扱いとさせて頂きます。