豆豆先生の研究室

ぼくの気ままなnostalgic journeyです。

バーナビー警部 “黄昏の終末”

2010年01月06日 | テレビ&ポップス

 最近定期的にみている唯一のテレビ番組が、AXNミステリーの“バーナビー警部”。
 これも、ずいぶん何回もくりかえし放映される番組だが、今までは“フロスト警部”や“モース警部”、“メグレ警視”や“女警部ジュリー・レスコー”ほど熱心に見ていなかったので、ほとんどの回が初めて見る話しである。
 ひょっとすると、「本邦初公開」のシリーズなのかもしれない。

 やたら主人公のバーナビー警部の家族が登場し、しかも必ず事件に絡んでくることの不自然さ、警察ものなのに警察機構がほとんど登場しないこと、そしてあまり必然性の感じられない連続殺人が紋切り型で毎回発生するので敬遠していたのだが、最近はイギリスの片田舎の風景を楽しむ番組と割り切って見ることにしている。
 
 そうすると、結構腹も立たないで90分が経過する。
 イギリスの田舎の風景とともに、この番組のいいところは、イギリス車がしばしば登場することである。
 バーナビー警部がトロイ巡査長といつも乗っているのは、平凡な紺色のフォード車だが、これすら結構おしゃれに見える。

 今日見た“黄昏の終末”では、オールド・ファッションのジャガーのオープンカーが登場した。
 さらに、バーナビー警部の娘が乗っているシトロエン2CVが故障して、母親がVWゴルフで娘を拾いに来るシーンがあった。
 シトロエン2CVを撮っておかなくては、と慌ててカメラを取りに行ってシャッターを切ったが、一瞬遅く、画面には母親のゴルフのハッチが開いているところがかろうじて写っているだけだった。

 2010/1/6

松村和子 “帰って来いよ”

2009年01月11日 | テレビ&ポップス
 
 年末年始のテレビでもっぱら見たのは、懐メロ番組だった。

 前に書き込んだ“1968年日本レコード大賞授賞発表演奏会”(TBSチャンネル)のピンキーとキラーズ“恋の季節”も懐かしかったけれど、どこかの局でやっていた懐メロ番組に出ていた松村和子も懐かしかった。

 彼女みたいな色の黒い田舎の女の子も好きだった。

 ぼくのカラオケ仲間に、八戸出身で歌の上手いのがいた。彼は名古屋の大学に転勤(栄転)してしまったのだが、彼の送別会の二次会の時に、ぼくはこの“帰って来いよ”を唱った。
 「お岩木山」というのが、彼のふるさとのご当地なのかどうかは分からないのだが、われわれが行ったカラオケ屋の画面では、この曲に合わせて東北新幹線の盛岡駅などが流れる。

 前に書いた“琵琶湖周航の歌”を歌う先輩も、出身は京大だが、実は盛岡の人で、東北ネタの演歌がかかると盛り上がる。

 * 写真は、年末年始にどこかのテレビ局の番組に登場した松村和子の“帰って来いよ”。画面には「心に残るニッポンの歌」という番組名があり、赤い扇子が飾ってあるから新年の番組だと思う。

ピンキーとキラーズ “恋の季節”

2008年12月30日 | テレビ&ポップス
 
 その、ピンキーこと今陽子に恋していた時期。

 もちろん“恋の季節”のドーナツ盤は買ったのだが、レコード屋の天井から吊り下げられていた宣伝用のxxx(こういう物体を業界用語で何というのだろうか?)がどうしても欲しかった。

 確か吉祥寺駅の北口前にあった新星堂というレコード屋だったと思うが、勇気を奮い起こして、恐る恐る「あのぶら下がっているのを貰えませんか…」と頼んでみた。
 女の店員さんだったが、いとも簡単に「いいですよ」と言って、無造作に吊り下げてある紐を引きちぎって、渡してくれた。

 シャイだった当時のぼくとしては考えられない行動である。
 ピンキーに対する恋心が、ぼくをしてこんなことをさせたのだろう。

 * 写真は、ピンキーとキラーズ“恋の季節”の宣伝用のジャケット(?)。長いことぼくの勉強部屋にぶら下げてあったので、埃にまみれているけれど…。

レコード大賞、発表!

2008年12月30日 | テレビ&ポップス
 
 “日本レコード大賞”というのは、かつては大晦日恒例の行事だったが、レコード自体がなくなってしまった現在ではどうなっているのだろうか。

 先日、BSの“TBS チャンネル”で、1968年の“レコード大賞授賞発表演奏会”というのを放映していた。
 その年の「グループ新人賞」というのを受賞したのが、わが“ピンキーとキラーズ”の“恋の季節”だった。

 1968年、ぼくは大学受験に失敗して、四谷にある駿台予備校四谷校というところに通っていた。

 新宿通りをはさんだ反対側にある中華料理屋によく昼飯を食べに行った。そこのテレビでは、いつも前田武彦の“お昼のゴールデン・ショー”という番組を流していた。
 初夏の頃、この番組のその週の歌として、“ピンキーとキラーズ”のデビュー曲、“恋の季節”が1週間にわたって放映された。
 
 ブラウン管越しにピンキーに恋をした。
 一般の新聞にも彼女の紹介記事が掲載された。
 17歳、本名は今陽子。名古屋の出身で、お父さんも音楽関係だったように思う。いがぐり頭の弟がいた。彼女の弟がうらやましかった。
 いずみたくの内弟子(?)で、彼の家に住んでいるという話だった。

 受験勉強が追い込みの時期のはずだが、年末には、きっと“レコード大賞”も“紅白歌合戦”も見たはずである。
 
 あれから40年が経ち、こちらはずい分フケたが、彼女の方は時おりテレビなどで見かけるが、昔のままの元気な姿である。

 * 写真は、TBS Channel の1シーン。

“メグレ警視 深夜の十字路”

2008年10月14日 | テレビ&ポップス
 
 名古屋大学での学会から戻ってきた。
 地下鉄名古屋大学駅周辺は、名古屋大学出身者が3人もノーベル賞を受賞したので、あちこちに彼らの写真入りの立派なポスターが掲げられていた。
 
 わが大学は月曜日の年間講義数を維持するために“ハッピー・マンデー”の日も授業がある。
 東京到着後、夕方から講義。休日の街は閑散としており、はたして学生が出席するのか不安もあったが、教室に行ってみると普段の8割かたは出席していた。うちの学生は基本的に真面目である。

 夜自宅に戻ってから、録画しておいた“メグレ警視 深夜の十字路”を見た。

 テレビのメグレ警視シリーズは、時代を第2次大戦後に移しているため、ナチスの残党や迫害された東欧系のユダヤ人などが時たま登場する。
 今回の話も、そんなドイツから移民した画家とその妹が伏線として描かれている。

 ただし、小説のような容疑者、犯人の側の心理を描写するうちに事件は解決に向かうというのではなく、終末近くではドタバタ劇になってしまう。

 そして今回も、小説のメグレらしからぬ結末を迎える。まるでアガサ・クリスティか何かのように、関係者が一堂に会したところでメグレが謎解きを語り、犯人を指摘する。
 原作がそうなっているのかどうか分からないが、テレビシリーズではしばしばこんな結末シーンにお目にかかる。小説とは違うテレビの文法に従うとこんな風にならざるを得ないのだろうか。

 * 写真は、FOX CRIME(247ch)“メグレ警視 深夜の十字路”から、いつものシトロエンのめずらしく後部座席に鎮座するメグレ。
 長島良三編『名探偵読本 メグレ警視』(パシフィカ)によれば、原題は“La Nuit de carrefour”。執筆は1931年5月、シムノンのメグレ警部ものの第7作目に当たる。

“メグレ警視 4号室の女”

2008年10月06日 | テレビ&ポップス
 
 先週の“メグレ警視”は、“野菜畑事件”と“マダム・キャトルと子供たち”の2本を見た。

 どちらも、聞きなれない題名である。
 またしても、長島良三編『名探偵読本2 メグレ警視』(パシフィカ)で調べてみたのだが、どちらも「メグレ警視事件簿」の作品一覧表にはなかった(と思う)。

 テレビでは、“野菜畑事件”は“Le deuil de Fonsine”というのが原作となっていたが、一覧表にはない。“マダム・キャトルと子供たち”は“D'apres la nouvelle de Georges Simenon”となっていたから、何かの翻案ものなのだろう。

 いずれも、それぞれそれなりに面白かった。

 “野菜畑”のほうは、フランスの片田舎が舞台で、雨がよく降り道はいつもぬかるんでいるため、殺人事件の捜査にやって来たメグレの黒い革靴が汚れる。捜査の拠点となったカフェ(?)の太った女主人が、それを磨いている。
 そんな、田舎の風景を背景に、二つの家族の人間関係が次第に明らかになり、事件は解決に向かっていく。
 一見絆の強そうだった家族のほうが実は家族関係がうまくいっておらず、外見は険悪そうに見えた家族のほうが実は結束が固かった。そして、……。

 もう一つの“マダム・キャトルと子供たち”(“マダム・キャトル”とは“4号室の女”くらいの意味である)は、「夫が人を殺した、自分も命を狙われている」と警察に駆け込んできた女の物語。
 メグレが女の身辺警護のために、女と同じホテルに泊まりこむが、メグレにも女の訴えが狂言なのか真実なのか判断がつかない。
 ちょっと、ヒチコックのようなサスペンス仕立ての展開で、これもそれなりに面白かった。
 こちらのホテルの女主人も、ロシア女性のような太った女だった。

 * 写真は、FOX CRIME(247ch)“メグレ警視 マダム・キャトルと子供たち”のマダム・キャトルとメグレが宿泊するホテルの全景。

“メグレ警視 ローソク売り”

2008年09月27日 | テレビ&ポップス

 きょう、9月26日(金)の“メグレ警視”は、“ローソク売り”という変わった題名だった。

 おそらくテレビ・シリーズの“メグレ警視”は舞台を第2次大戦終了直後ということにしていると思われるが、そんな時期にフランスには“ローソク売り”などという職業があったのだろうか・・・。
 いくら戦争直後とはいえ、日常生活でローソクが使われることはもはやなかったのではないかと思うが、カトリックの儀式などに使われるので、そんな職業もあったのだろうか。

 原作は、またまた長島良三編『名探偵読本2 メグレ警視』(パシフィカ)によれば、“Vente a la bougie”、1939年の執筆である。邦訳は、少なくともこの『名探偵読本』が出版された1978年当時はなかった模様。この本にはストーリーの紹介も載っていない。

 どういう経緯でか、メグレが滞在する片田舎の安宿で、連続殺人(?)が起こる。滞在していた客たちは、みな、この宿の近所で競売にかけられた建物を競り落とそうとやって来た者たちである。
 彼らは、みなその競売建物の中には「宝物」があると信じているのだが・・・。

 解決までの数日間、宿の外はずっと雨が降り続いていた。
 足止めを食った客(容疑者)たちはトランプをして暇を潰しているのだが、食卓の上のローソクが消えるたびに人が死ぬ。メグレは風邪を引いていて、時にはベッドに横になりながら尋問をしたりもする。
 ラストシーンでは、グレン・ミラーのレコードが流れる。
 メグレものとしては、少し奇妙な味がした。

 * 写真は、FOX CRIME(247ch)“メグレ警視 ローソク売り”のタイトル。

“メグレ警視 フィンランドの犯罪”

2008年09月25日 | テレビ&ポップス
 
 きょう(9月25日、木曜日)のFOX CRIME(247ch) “メグレ警視”は、“フィンランドの犯罪”という題名だった(テレビの原題名は“Maigret en Finlande”)。
 
 さっそく、長島良三編『名探偵読本2 メグレ警視』で調べたが、こういう題の作品はシムノンにはない。
 作品の梗概をみたところでは、どうも『オランダの犯罪』の翻案もののようである。宗左近訳『オランダの犯罪』(創元推理文庫、原題は“Un crime en Hholande”1931年)をみると、容疑者がフランスの大学教授であり、被害者や犯人の名前など、まさに『オランダの犯罪』の舞台をフィンランドに移しただけのものであった。

 何週間か前に見た『メグレと幽霊』も、原作の舞台はフランス(パリ18区!)だったのをフィンランドで起きた事件に仕立ててあった。
 日本の夕方のテレビでやっている推理小説が、京都だの金沢だの湯布院だのを舞台にしたご当地ドラマが多いのと同じように、“メグレ警視”もフランス人に観光した気分にさせるためか、放映されているフィンランド人の視聴者に配慮でもしたのだろうか。
 その割には、フィンランド警察の警視正は間抜けな役柄であったが・・・。

 きのう(9月24日)の放送は、“メグレ警視 霧の港”というやつ。これの原作は、シムノンの“La port des brumes”(1931年)だろう。

 2作とも小さな港町が舞台で、運河に浮かべたヨットの中でメグレものを執筆したという、いかにもシムノンらしい雰囲気の漂う作品だった。

 * 写真は、FOX CRIME(247ch)“メグレ警視 フィンランドの犯罪”のタイトル。

“メグレ間違う”

2008年09月20日 | テレビ&ポップス
 
 FOX CRIME(247ch)の“メグレ警視”シリーズは、見たり見なかったり、見たとしても途中からだったりして、何を見たのか不確かになってしまった。
 きょうも(9月20日、土曜)、夕食の後で、ふとチャンネルをFOX CRIME に合わせたら偶然“メグレ警視”をやっていた。見ているうちに、8月頃見た“メグレ間違う”(原題“Maigret se trompe”)であることを思い出したが、ボケているのかラスト・シーンが記憶になかった。

 メグレものには弱い立場にある犯罪者の側にメグレが身をおいて捜査を進める話と、犯人ではないとしても上流階級に対する嫌悪感をにじませた話があるが、今日の話は後者の典型であった。
 殺人の原因を作った大学教授が、殺人犯よりも悪人として描かれており、彼に対するメグレの嫌悪感が全編にみなぎっている。 

 ここ1か月前後で見たもののうち、これまでに書き込んでいないものを列挙しておく。 

 “メグレと口の固い証人たち”;原題は“Maigret et les Temoins Recalcitrans”(1958年)、邦訳は、長島良三訳『メグレと口の固い証人たち』河出書房、メグレ警視シリーズ6)
 “メグレ警視 判事の家”;原題は“La Maison du juge”,1939年、長島良三編『名探偵読本2 メグレ警視』パシフィカ、187頁によると、邦訳はないようだ。
 “メグレ、たてつく”;原題は“Maigret se defend”, 1964年、邦訳は、榊原晃三訳『メグレたてつく』(河出書房、同シリーズ9)。

 その他にも数本見たような気がするが、思い出せない。

 * 写真は、FOX CRIME(247ch)の“メグレと口の固い証人たち”から。
 このシリーズに登場するシトロエンやルノーのクラシック・カーは、たくさん使われているようで、実は数台の使い回しであるらしいことが最近になって分かってきた。今回の話に登場するこのカラフルな小型車は何という車種なのだろうか。
 色といい、サイズといい、ぼくの好きなタイプである。

“メグレの途中下車”

2008年09月17日 | テレビ&ポップス
 
 久しぶりに“メグレ警視”ネタでも・・・。

 時おりチャンネルをひねっていて、偶然ミステリー・チャンネル(247ch)で“メグレ警視”シリーズをやっているのにぶつかる。

 最近では、
 “メグレと幽霊”(原作は“Maigret et le Fantome”,1963年、佐宗鈴夫訳『メグレと幽霊』河出書房“メグレ警視シリーズ5”)、
 “セシルは死んだ”(原作は“Cecil est morte,1939年、邦訳は無しか)、
 “メグレ間違う”(原作は“Maigret se trompe”,1953年、萩野弘巳訳『メグレ間違う』同シリーズ2)、などなど・・・。
 
 そして、きょうは、“メグレの途中下車”(原作は、“Maigret a peur”,榊原晃三訳『メグレの途中下車』同シリーズ4)。
 きょうの犯人は、時おりメグレものに登場する「異常犯罪者」。
 ただし、シムノンは、メグレに「正常な人間は人殺しなどしない」と言わせている。

 “メグレと幽霊”は原作(邦訳)では、舞台はパリ18区となっているが、テレビではなぜかフィンランドのヘルシンキが舞台になっていた。
 フィンランドでも放映されるので、視聴者に配慮したのだろうか。
 景色は悪くなかった。

 * 写真は、“メグレの途中下車”(ミステリーチャンネル 247ch )から。
 フランス車はフランスの風景に馴染んでいるのであって、シトロエンを日本で乗っても風景に馴染まないだろうか。



弘田三枝子“ミコちゃんのヒット・キット・パレード”

2008年09月02日 | テレビ&ポップス

 弘田三枝子の“子供ぢゃないの”、“悲しき片想い”は、絶対にお茶の水界隈の古レコード屋の店先で見つけてやろうと誓いを立てたのだったが、最近は何かと雑用が多くて、授業の合間にぶらぶらと町を歩いて、本だのレコードだのを探している暇がない。

 そんなことをしているうちに、今なら買えるCD版すらなくなってしまうおそれもある。げんに、少し前まではネット上の目録に載っていた田代みどりの“パイナップル・プリンセス”などが入ったベスト・アルバムがなくなってしまった。

 そこで、とうとう古レコード屋で見つけることは諦めて、アマゾンで、“ミコちゃんのヒット・キット・パレード”(東芝EMI)を買った。2005年6月15日の発売らしい。
 さっそく聞いてみた。“子供ぢゃないの”は、意外にも、弘田三枝子節が炸裂していた。もっとヘレン・シャピロ風に歌っていたように記憶していたのだが・・。“悲しき片想い”は記憶どおりの歌い方だった。

 あの頃、1964、5年頃、中学生だったぼくは、舶来のポップスを時には原曲で、時には日本人歌手の訳詩で聴いていた。上の2曲は、弘田三枝子もヘレン・シャピロも、両方ともに懐かしい。

 * 写真は、弘田三枝子“ミコちゃんのヒット・キット・パレード”のジャケット(裏面)。弘田三枝子を“ミコちゃん”と呼ぶのは気恥ずかしいけど。

“主任警部モース 悔恨の日” [終]

2008年08月26日 | テレビ&ポップス
 
 “主任警部モース”についての書き込みは前回で終わりにしようと書いたら、本当に、きょう(8月26日)の早朝の放映で、ミステリー・チャンネルの“主任警部モース”も最終回になってしまった。
 今回こそ、本当の[終]にしよう。

 最終回の「悔恨の日」は、世間的に言えば「淫乱な」人妻をめぐる殺人事件。
 モースは定年を2週間後に控えており、しかも糖尿病が悪化したために死期も迫っている。
 被害者は、かつてモースが入院していた病院の看護婦で、モースは彼女に中年の恋をして、ラブ・レターまで送っている。
 モースといい、フロストといい、イギリスの推理ドラマでは、この手の話が頻繁に登場する。

 チャールズ皇太子と何某嬢(?)のように、こういった話がイギリス社会では日常茶飯事なのだろうか。

 いずれにしても、オックスフォード大学周辺を舞台に、クラシックを聞き、ハーディを読んで、真っ赤なジャガーに乗って現場に向かうモース警部の物語は終わってしまった。

 どこかの回で、モースが、自宅のソファーに寝そべって、ハードカバーのトマス・ハーディを読んでいるシーンがあった。書名は分からなかった。
 モースはオックスフォードに住んではいるけれど、ひょっとすると、『日蔭のふたり』(ないし『日蔭者ジュード』)のジュードのような、“オックスフォードの他所者”だったのかもしれない。

 番組全体のラスト・シーンは、遠くの丘から霧に煙るオックスフォードの町を眺めた風景で終わっている。それがモースの最後の心象だったのだろうが、『日蔭のふたり』の中にも、ジュードがそんな風にしてオックスフォードを遠く眺めるシーンがあったように思う。
 一方は警察官、もう一方は中学教師という違いはあるけれど。

 また10数年して再放送を見たら、その頃は自分自身も定年が近づいているので、今回とは違った感想を持つだろう。

 * 写真は、ミステリー・チャンネル“主任警部モース”の最終回、「悔恨の日」のラストシーン。遠景のどれかがオックスフォード大学の塔ではないだろうか。

“主任警部モース” 2

2008年08月25日 | テレビ&ポップス
 
 “主任警部モース”ネタは今回で終わりにするが、モースの話でシトロエン2CVだけというのはバランスを欠くので、今回はモース自身の愛車のことを。
 
 “主任警部”モースは、何年製の、何という車種かは知らないが、真っ赤なジャガーに乗っている。ボンネットの先っぽに、あの銀色のジャガーがついているからジャガーだと思う。

 多分中古だろうが、いくら中古車とはいえ、一介の地方警察の警部がジャガーに乗れるのだろうか。それとも、昔からフォードが作ったいわゆる“なんちゃってジャガー”(中味はモンデオ)がイギリスにはあったのだろうか?
 モースは独身だから、クルマが唯一の趣味なら、中古のジャガーくらいは買うことができたのかも・・・。

 そう言えば、フロスト警部も独身だったが、彼はボルボに乗っていた。イギリス人はボルボが好きらしくて、確かによく見かける。
 
 それともう一つ、イギリスの警官は、少なくともテレビの中の警部は、モースもフロストも、自家用車を捜査の際にも乗り回している。
 
 そんなことは実際のイギリス警察で行われていることなのだろうか。刑事たちは警察車両らしきフォードに乗っているが。
 フロストにしょっちゅう出てくる警察の経費削減運動の流れから見れば、自分のクルマを使うこともありそうだが、一方で、フロストはガソリン・スタンドでもらった白紙の領収書を悪用したのが発覚して、署長の昇格が見送られたこともあった。
 ということは、使ったガソリン代は税金で賄われるのだろうか。
 
 「警察学博士」の水野晴郎さんなら教えてくれたかも・・・。

 * 写真は、ミステリー・チャンネル“モース警部”から、モースの愛車の真っ赤なジャガー。
 

“主任警部モース ニコラス・クインの静かな世界”

2008年08月24日 | テレビ&ポップス
 
 “フロスト警部”が終わってしまい、ミステリー・チャンネルでは“主任警部モース”をやっている。

 もともとコリン・デクスターは気取っていて、あまり好きな作家ではないが、くわえてミステリー・チャンネルでは、なぜか字幕版はなく、日本語吹き替え版のため、さらに興ざめ。
 唯一のなぐさめは、小道具として記号的に使われているイギリス車が次々に登場することくらいか。
 
 “主任警部モース”も、かつてスカパー時代に見ていたのだが、その割には結構ストーリーを忘れている。
 J:COM に加入してからも、「ウッドストック行き最終バス」、「キドリントンから消えた娘」、「ジェリコ街の女」、「オックスフォード運河の殺人」、「森をぬける道」、そして今回の「ニコラス・クインの静かな世界」あたりで、そろそろモースもおしまいにしよう。 

 8月22日(金)に放映された「ニコラス・クインの静かな世界」では、容疑者の不倫相手の女性が乗っているクルマが、シトロエン2CVだった。よくあるエンジ色と黒のツートンカラーのやつ(“チャールストン”というらしい)。

 シトロエン2CVは好きなクルマだが、それに乗っているということがイギリス社会でどのような記号的意味をもつのかは、ぼくには分からない。
 オックスフォード大学の海外試験センターのような部署に勤める、離婚経験があって16歳の娘のいる女性が乗っていたのだから、そのような女性の乗るクルマなのであろう。

 何年(十何年)か前に、同僚でシトロエン2CVに乗っているのがいた。バイクのように細いタイヤだったのが印象的だった。 

 * 写真は、“主任警部モース ニコラス・クインの静かな生活”に登場するシトロエン2CV。

“フロスト警部 交錯する疑惑” 2

2008年08月10日 | テレビ&ポップス
 
 やや古いことだが、“フロスト警部 交錯する疑惑”も、記号としてのクルマが随所で登場した。

 挿話的に登場する、地元デントンの裕福な名士のバカ息子で、麻薬の密売をしている大学生の乗っているクルマは、高価そうな黄色いオープン・カーだった。
 家宅捜索にやって来たフロストらの乗った警察車両は、ヨーロッパの安物クルマ、フォード(例の先生が言っていたような気がするが、出典が見つからないので引用は控えておく)。
 
 最近の放映では、フロストはいつも水色のボルボのSWに乗っているが、古い話では、何時もフォードに乗っていたと思う。

 * 写真は、ミステリー・チャンネル“フロスト警部 交錯する疑惑”の1シーン。