今夜8時、地上波がつまらないので、BSにしたら、AXNミステリーで偶然ジャン・ギャバンの“メグレ警視”ものをやっていた。
“メグレ、赤い灯を見る”(Maigret Voit Rouge)という題名だった。
長島良三編『名探偵読本(2)メグレ警視』(パシフィカ、1978年)で原作を探したが、そのような題名の作品はなかった。
テレビ・ドラマ用の題名なのだろうか。
ジャン・ギャバンが演じるメグレ警視を見たのは初めてである。
意外なことに、あまり重厚感はなく、むしろおどけたような雰囲気さえ感じた。あるいは飄々とした雰囲気と言うべきか。
ブリューノ・クレメールを見すぎているせいだろうか。
話の内容はあまりメグレらしくない。アメリカからやって来たギャングがやたらと拳銃をぶっ放したり、誘拐をしたり、アメリカ大使館付きのFBI捜査官が登場したりする。
バックグラウンドの音楽も、ぼくは好きでない。
メグレとその部下たちが、近所の喫茶店(?)からサンドイッチとビールを配達させて昼食をとるシーンが、いくつかの原作の光景を思い起こさせてくれた。
1950年代のパリが舞台なのだろうか、道端にシトロエン2CVが駐車しているシーンなども懐かしい風景である。
ただしギャングたちが乗るクルマはシボレーである。シボレーはスペルからして(“Choevrolet”)、ひょっとするとフランス由来なのだろうか・・・?
2018/4/26 記