豆豆先生の研究室

ぼくの気ままなnostalgic journeyです。

“真昼の決闘”

2008年05月03日 | 映画

 連休前に“真昼の決闘”をみた。

 これは何度か見た記憶があるので、後回しにしておいたのだが、久しぶりに見ると、やっぱり悪くない。

 何といっても、シンプルさがいい。

 冒頭のタイトルのレタリングもあっさりしていれば、タイトル・バックの風景もあっさりとモノクロームで描かれる。しかも、いきなり敵役の悪党の表情のアップから始まる!
 
 そしてディミトリー・ティオムキンのテーマ音楽“ハイ・ヌーン”も、大した編曲もなく、あっさりとした感じで全編にわたって流れつづけている。
 とても決闘映画の主題歌とは思えないのだが、保安官ゲーリー・クーパーの風貌にはぴったり合っている。

 ある日曜日、このやや年を食った保安官は、保安官を辞めて、敬虔なクェーカー教徒であるグレース・ケリーと結婚式を挙げる。そして、まさに新婚旅行に旅立とうとしている時に、かつて彼が投獄した悪党が仲間とともに復讐にやって来るというニュースが飛び込んで来た。

 町の人間は後難を恐れて、誰一人保安官に協力しない。ゲーリー・クーパーはただ1人で4人組みと立ち向かわなければならなくなってしまう。
 最後には、信仰から武器を持つことを拒んでいたグレース・ケリーが援護して、クーパーは最後の敵を撃ち殺す。
 
 結婚式のシーンから、決闘で最後の1人を倒すまでの約1時間を、映画でも1時間で描いたことが、フレッド・ジンネマン監督が行った西部劇演出の革命だったと水野晴郎氏の解説にある。
 “ロープ”のときは気づかなかったが、今回はしばしば時計が画面に映し出されるので、そのことはわかった。

 フレッド・ジンネマンというと、“日曜日には鼠を殺せ”を思い出す。あの映画では、モノクロームの濡れたような画面が印象的だった。
 今回の画面は乾いた印象だが、でもやっぱりモノクロームでなければ、あの西部の乾いた空気は描けないだろう。

 この映画を見てから数日間は、頭のなかで“ハイ・ヌーン”のメロディが流れつづけていた。

 * 写真は、キープ(KEEP)版“真昼の決闘”のケース。 

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