定年を1年半後に控えて、少しづつ“断捨離”を始めている。
書籍はいざとなれば古本屋かゴミ回収業者に出せばよいが、厄介なのは書類である。
「取扱注意」などと朱印の押された書類が時折混じっているので、1枚1枚確認しながら捨てるものと返却するものとに分けなければならない。
1時間半程度作業をしても、せいぜい厚さ20センチくらいの束にしかならない。
きょうも、午後の時間を割いて、ようやく厚さ20センチくらいの廃棄書類を1束を作った。
その過程で、かつて書店で配られていた、各出版社の文庫本の案内冊子を何冊か見つけた。
今回紹介するのは、そのうちの早川書房の冊子である。
発行年順に行くと、
1「エラリー・クイーン小百科」(早川書房、1979年9月)
2「クリスティー小百科」( 同、1979年11月)
3「ハヤカワ文庫への招待」( 同、1979年12月)
4「クリスティー・ハンドブック」( 同、1981年6月)
5「ハヤカワ・ミステリ 解説目録」( 同、1996年)
上の4冊は、すべてA6判(?)、32ページの小冊子。
都筑道夫、野坂昭如、田村隆一、植草甚一らのエッセイに続いて、主要作品の紹介や、登場人物のイラストなどがある。
いずれも、その当時上映された映画の宣伝用のようである。
1は「配達されない3通の手紙」(松竹系の日本映画である!)、2は「ナイル殺人事件」(EMIフィルム[そんな映画会社がったらしい]、東宝東和配給)、4は「クリスタル殺人事件」(“EMI、東宝東和提供”とある)の宣伝が裏表紙に載っている。
「配達されない3通の手紙」のポスターには妖艶な松坂慶子が写っている。現在放映中の朝の連続ドラマの太めの女性と同一人物とはとても思えない。
最近は地上波で見るべき番組がほとんどないので、BSを見ることが多いが、アガサ・クリスティーのポワロやミス・マープルの再放送、再々放送、再々再放送・・・がやたら繰り返される。
4に載っていた「ミス・マープル人名録」は、今後登場人物を見るときの役に少しは立ちそうである。
ハヤカワ・ミステリは最初のうちは(と言っても1960年代だが)、ビニールカバーなどついてない光沢のある表紙だった。
例えば、せっせと読んだ「87分署」シリーズや、当時好きだったウィリアム・アイリシュ「黒衣の花嫁」、ニコラス・フリーリングの「雨の国の王者」などはビニールカバーはなかったと記憶する。
その後ビニールカバーがつくようになったのだが、数十年を経過すると、このビニールカバーの劣化に悩まされている。
残念ながら、ここ10年以上ハヤカワ・ミステリの新作はまったく読んでいない。
最後に買ったのが何だったかすら覚えていない。
2018/10/13 記