まだ夏が終わらないこの季節、燈台へ行く道を歩いた。
何で? この詩碑を見つけたから。
どこで? 観音崎でごわす。


燈台へ行く道 西脇順三郎
まだ夏が終わらない
燈台へ行く道
岩の上に椎の木の黒ずんだ枝や
いろいろの人間や
小鳥の国を考えたり
「海の老人」が人の肩車にのつて
木の実の酒を飲んでいる話や
キリストの伝記を書いたルナンという学者が
少年の時みた「麻たたき」の話など
いろいろな人間がいつたことを
考えながら歩いた
燈台へ行く道

岩の上に椎の木の黒ずんだ枝 それらしき風景

実はこの詩はまだ先がある。
やぶの中を「たしかにあるにちがいない」と思つて
のぞいてみると
あの毒々しいつゆくさの青い色もまだあつた
あかのまんまの力も弱つていた
岩山をつきぬけたトンネルの道へはいる前
「とべら」という木が枝を崖からたらしていたのを
実のついた小枝の先を折つて
そのみどり色の梅のような固い実を割つてみた
ペルシャのじゅうたんのように赤い
種子(たね)がたくさん、心(しん)のところにひそんでいた
暗いところに幸福に住んでいた
かわいゝ生命をおどろかしたことは
たいへん気の毒に思つた
そんなさびしい自然の秘密をあばくものでない
その暗いところにいつまでも
かくれていたかつたのだろう
人間や岩や植物のことを考えながら
また燈台への道を歩きだした
燈台への道

現れた燈台

燈台の傍らに二つの句碑が。

ひとつは虚子の句
霧いかに深くとも嵐強くとも

ひとつは橙青の句
汽笛吹けば霧笛答える別れかな

日本最初の洋式灯台として明治元年に完成した観音崎燈台を登った。てっぺんから見える景色。


おいらが思い浮かぶ燈台の詩といえば、喜びも悲しみも幾歳月(作詞・作曲:木下忠司、唄:若山 彰)
おいら岬の 灯台守は 妻と二人で 沖行く船の 無事を祈って 灯をかざす 灯を かざす
冬が来たぞと 海鳥なけば 北は雪国 吹雪の夜の 沖に霧笛が 呼びかける 呼びかける
朝に夕(ゆうべ)に入船出船 妻よがんばれ涙をぬぐえ もえてきらめく夏の海夏の海
星を数えて 波の音きいて共に過ごした 幾歳月のよろこび悲しみ 目に浮かぶ目に浮かぶ

ここの帰りに寄っただ。おばけシリーズ三冠(館)達成祝いにな。うふふ

何で? この詩碑を見つけたから。
どこで? 観音崎でごわす。


燈台へ行く道 西脇順三郎
まだ夏が終わらない
燈台へ行く道
岩の上に椎の木の黒ずんだ枝や
いろいろの人間や
小鳥の国を考えたり
「海の老人」が人の肩車にのつて
木の実の酒を飲んでいる話や
キリストの伝記を書いたルナンという学者が
少年の時みた「麻たたき」の話など
いろいろな人間がいつたことを
考えながら歩いた
燈台へ行く道

岩の上に椎の木の黒ずんだ枝 それらしき風景

実はこの詩はまだ先がある。
やぶの中を「たしかにあるにちがいない」と思つて
のぞいてみると
あの毒々しいつゆくさの青い色もまだあつた
あかのまんまの力も弱つていた
岩山をつきぬけたトンネルの道へはいる前
「とべら」という木が枝を崖からたらしていたのを
実のついた小枝の先を折つて
そのみどり色の梅のような固い実を割つてみた
ペルシャのじゅうたんのように赤い
種子(たね)がたくさん、心(しん)のところにひそんでいた
暗いところに幸福に住んでいた
かわいゝ生命をおどろかしたことは
たいへん気の毒に思つた
そんなさびしい自然の秘密をあばくものでない
その暗いところにいつまでも
かくれていたかつたのだろう
人間や岩や植物のことを考えながら
また燈台への道を歩きだした
燈台への道

現れた燈台

燈台の傍らに二つの句碑が。

ひとつは虚子の句
霧いかに深くとも嵐強くとも

ひとつは橙青の句
汽笛吹けば霧笛答える別れかな

日本最初の洋式灯台として明治元年に完成した観音崎燈台を登った。てっぺんから見える景色。


おいらが思い浮かぶ燈台の詩といえば、喜びも悲しみも幾歳月(作詞・作曲:木下忠司、唄:若山 彰)
おいら岬の 灯台守は 妻と二人で 沖行く船の 無事を祈って 灯をかざす 灯を かざす
冬が来たぞと 海鳥なけば 北は雪国 吹雪の夜の 沖に霧笛が 呼びかける 呼びかける
朝に夕(ゆうべ)に入船出船 妻よがんばれ涙をぬぐえ もえてきらめく夏の海夏の海
星を数えて 波の音きいて共に過ごした 幾歳月のよろこび悲しみ 目に浮かぶ目に浮かぶ

ここの帰りに寄っただ。おばけシリーズ三冠(館)達成祝いにな。うふふ

