我が家もクーラーを使わないで済んだ日が4,5日つづいた。いよいよ夏の終わり。そして、妖怪も夏と共に過ぎ去っていく。”妖怪展”制覇の野望は、横浜そごう美術館からはじまり、三井記念美術館ときて、残すは、横須賀美術館だけとなっていた。閉幕ぎりぎりとなってしまったが、昨日28日に訪れ、とうとう三冠(館)制覇を達成した。谷中の円朝の幽霊コレクションを入れれば、四冠となる。えへんえへん。いばることではないけれど、共通テーマの展覧会は、企画者それぞれの特徴や工夫を比較できるので、面白いものだ。
横須賀の特徴というと、水木しげるは三井と同じだが、現在活躍中の作家の作品がかなりの割合を占めていることである。たとえば、松井冬子の”夜盲症”と”鳥目”とその下書きも来ていた。ハマ美の冬子展以来の再会だが、なみいるスター幽霊、妖怪の中でも、きわだった、しみじみとした(?)怖さを発散していた。また、鎌田紀子の作品も多く展示され、これは、ほのぼのとした(?)怖さが印象に残った。フジイ・フランソワは、若冲が好きらしく、彼の作品のたとえば鶏頭蟷螂図の花を鶏の頭に変えたり、葡萄図の節をラクダのコブにして(コブコブラ)驚かすが、怖さはない。
河童絵で有名な小川芋銭の作品が3点、観られたことも嬉しかった。河童はもともと妖怪みたいなものだから、妖怪画はお手の物。狐の行列とか雪女に甘える(?)黒い犬とか畑の胡瓜や西瓜などのお化けとかの絵だったが、これはもう妖怪画から逸脱して、メルヘンの世界。ちょっと、この仲間からは浮いた感じ(笑)。
第一章の妖怪登場は、お馴染みさんがずらりんこん。鳥山石燕の百鬼夜から始まって、北斎は百物語から5点も登場。ちらしの表紙になった、むしろユーモラスな提灯お岩さんをはじめ、皿屋敷の、紫煙をふうと吹き出したようにくつろいでいるお菊さんなど。国芳、広重もそれぞれ名作をみせてもらえる。
第二章は、妖怪変化で、近代にあらわれたさまざまな妖怪が現れる。月岡芳年の和漢百物語、新形三十六怪撰など。明治の西洋文明優先の時代、妖怪について、これは想像上のものだが、なんてわざわざ断っていたのがあったが、検閲でも入ったのだろうか(笑)。随分窮屈な時代だったのだろう。そして、ここの章に、昭和、平成の水木しげるが登場する。12点ほど。前述の芋銭もここ。
そして第三章に妖怪はここにいる。冒頭の現代画家による”幽霊、妖怪図”が並ぶことになる。
とても愉快な横須賀の妖怪たちであった。
・・・・・
一部ちらしから。
葛飾北斎 百物語 お岩さん

歌川国芳 源頼光公館土蜘作妖怪 歌川芳虎《相馬古内裏(版下絵)》

水木しげる

池田龍雄と今道子

松井冬子とフジイ・フランソワと加藤大介

この日は下弦の月がみられました。変幻自在、お月さまが、この世で一番の妖怪かもしれない。

横須賀の特徴というと、水木しげるは三井と同じだが、現在活躍中の作家の作品がかなりの割合を占めていることである。たとえば、松井冬子の”夜盲症”と”鳥目”とその下書きも来ていた。ハマ美の冬子展以来の再会だが、なみいるスター幽霊、妖怪の中でも、きわだった、しみじみとした(?)怖さを発散していた。また、鎌田紀子の作品も多く展示され、これは、ほのぼのとした(?)怖さが印象に残った。フジイ・フランソワは、若冲が好きらしく、彼の作品のたとえば鶏頭蟷螂図の花を鶏の頭に変えたり、葡萄図の節をラクダのコブにして(コブコブラ)驚かすが、怖さはない。
河童絵で有名な小川芋銭の作品が3点、観られたことも嬉しかった。河童はもともと妖怪みたいなものだから、妖怪画はお手の物。狐の行列とか雪女に甘える(?)黒い犬とか畑の胡瓜や西瓜などのお化けとかの絵だったが、これはもう妖怪画から逸脱して、メルヘンの世界。ちょっと、この仲間からは浮いた感じ(笑)。
第一章の妖怪登場は、お馴染みさんがずらりんこん。鳥山石燕の百鬼夜から始まって、北斎は百物語から5点も登場。ちらしの表紙になった、むしろユーモラスな提灯お岩さんをはじめ、皿屋敷の、紫煙をふうと吹き出したようにくつろいでいるお菊さんなど。国芳、広重もそれぞれ名作をみせてもらえる。
第二章は、妖怪変化で、近代にあらわれたさまざまな妖怪が現れる。月岡芳年の和漢百物語、新形三十六怪撰など。明治の西洋文明優先の時代、妖怪について、これは想像上のものだが、なんてわざわざ断っていたのがあったが、検閲でも入ったのだろうか(笑)。随分窮屈な時代だったのだろう。そして、ここの章に、昭和、平成の水木しげるが登場する。12点ほど。前述の芋銭もここ。
そして第三章に妖怪はここにいる。冒頭の現代画家による”幽霊、妖怪図”が並ぶことになる。
とても愉快な横須賀の妖怪たちであった。
・・・・・
一部ちらしから。
葛飾北斎 百物語 お岩さん

歌川国芳 源頼光公館土蜘作妖怪 歌川芳虎《相馬古内裏(版下絵)》

水木しげる

池田龍雄と今道子

松井冬子とフジイ・フランソワと加藤大介

この日は下弦の月がみられました。変幻自在、お月さまが、この世で一番の妖怪かもしれない。
