気ままに

大船での気ままな生活日誌

2014年美術展ベスト10入りが濃厚なのに記事にしていなかった展覧会(3)日本国宝展

2014-12-28 09:09:42 | Weblog

”2014年美術展ベスト10入りが濃厚なのに記事にしていなかった展覧会”シリーズ第3弾です。

日本国宝展(2014.10.15~12.7)東京国立博物館

11月27日に出掛けた。絶好の紅葉狩り日和で、駒込の六義園と旧古河庭園との三点セットでトーハクを訪れた。日本国宝展は、展示替えが結構あり、お目当ての国宝土偶5体勢揃いの日を狙っていた。そして、その日は12日間しか姿を現さない金印まで観ることが出来るという、まさに絶好の国宝狩りの日だった。朝早く、出掛けたが30分待ちの行列。それに、館内では金印見学の列が、また30分という混雑だった。

まず、お目当ての国宝5体の並ぶ、部屋にご案内しましょう。今秋、ぼくは茅野まで行って、新国宝に認定された仮面の女神を観てきた。もちろんそのとき、相撲界でいえば白鵬みたいな存在の縄文の女神も観ている。3か月ぶりの対面だが、晴れがましい場所に鎮座し、友がみな我よりえらく見え、みたいな感じだった。

先ず、茅野の両横綱をどどどーんと。

縄文のビーナス(茅野市棚畑遺跡出土)

仮面の女神(長野県茅野市中ッ原遺跡出土)

そして、縄文の女神(山形県舟形町西ノ前遺跡出土)。国宝に指定されたとき、天声人語氏が縄文のビーナスと称したので、ぼくがブログでゲキドし、この名に変わったノダ(笑)。

次の二つには愛称がついていない。ビーナス、女神はもう使えないので、姫か女王でしょうか。今回、ぼくが命名します。

中空土偶(函館市著保内野遺跡出土)と合掌土偶(青森県八戸市風張1遺跡出土)。それぞれ、”縄文北の女王”と”縄文の祈り姫”。どうでしょうか。

素晴らしいラインアップでした。これだけ観れば、入場料の元がとれたので帰ってもいいんですが、これも観ていきましょう。

知らない人はいない国宝。”金印”、日本の古代史上最も著名な五文字「漢委奴国王(かんのわのなのこくおう)」が印面に刻まれています。後漢の初代皇帝光武帝(こうぶてい)が倭(わ)の奴国王に金印を与えたという『後漢書』の記載を裏づけました。日本最古の金製品で、鈕(ちゅう)はとぐろを巻く蛇をかたどり、その鱗(うろこ)は魚々子(ななこ)技法で表されています

えっ!写真撮ってもいいの?いいんです!これのコピーが常設の方にあります。あまりにひそやかに展示されているので、見逃す人もあるでしょう。

あとは省略。どれをみても、国宝。素晴らしい展覧会でした。

一番人気はやっぱり、縄文のビーナスかな。

出口調査による予想:浮動票を多く集め、本命、故宮に猛追。最後の一鞭で勝負が分かれる。

このシリーズもあと一つ。鞭を入れて、がんばります!有馬記念はどの馬かな。午年の有馬記念!中央競馬会も60周年らしい。ぼくは酉年。

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2014年美術展ベスト10入りが濃厚なのに記事にしていなかった展覧会(2)古代エジプト・女王と女神展

2014-12-28 06:28:20 | Weblog

小沢新党と同じように長~いタイトルでごめんなさい。”2014年美術展ベスト10入りが濃厚なのに記事にしていなかった展覧会”シリーズ第二弾です(汗)。

女王と女神/メトロポリタン美術館古代エジプト展(2014.7.19-9.23) 東京都美術館

この美術展のポスターを飾った、うつくしいハトシェプスト女王の顔を観て、思い出したのが、昨秋訪れたベルリン新博物館のネフェルティティの胸像だった。この王妃(第18王朝のファラオであったアクエンアテンの正妃であり、ツタンカーメンの義母)、は大変な美貌で、古代三大美女のひとりとされている。ハトシェプスト女王も、その一人かと思い、調べてみたら、その中には入っていない。あとの二人は、クレオパトラ(プトレマイオス朝の女王/BC1世紀)とネフェルタリ(ラムセス2世の正妃/BC13世紀)であった。ハトシェプスト女王は第18王朝の初の女性ファラオであり、BC1490年頃、統治していたから、ネフェルティティの130年ほど前になる。

メトロポリタン美術館が誇るエジプト・コレクション。「女王と女神」をテーマに即した約200点の至宝、素晴らしかったですよ。ニューヨークまで行っても、古代エジプトをここまで詳しく観ることはない。

第1章 ファラオになった女王ハトシェプスト ハトシェプスト女王自身が造営した葬祭殿の発掘品などの展示品。

ハトシェプスト女王の頭部;女王葬祭殿を飾っていた。もとは高さ3.4メートルの全身像でオシリス神として表されていた。(説明文はホームページから。以下同様)

ひざまづくハトシェプスト女王像:ファラオの象徴の頭巾を被り、付け髭をつけた男性像だが、碑文の名前から女性だと分かる。

第2章 古代の女神たちが一堂に 多神教である古代エジプトには男性神とほぼ同じ数の女神がいた。古代エジプト人にとってもっとも重要だった愛と美と豊穣を司るハトホル女神を中心とした古代の女神たち

ハトホル女神の象徴がついた建物装飾:一見普通の女性像のようだが、牛の耳をもち、ハトホル女神を象徴していることが分かる。

牛の女神像の頭部:雌牛の頭を持つ人間で表された女神像の一部で、ハトホル女神とも、メヘトウェレト女神とも考えられる。角の間にある太陽円盤は太陽神ラーとの結びつきを表す。

イシス女神とアシュートのウプウアウト神の像:左のイシス女神は、ハトホル女神と同一視され、隣のジャッカルの頭をしたウプウアウト神はエジプト中部アシュート地方とでは守護神かつイシス女神の配偶者と考えられていた。

第三章 王家の女性たちが愛したアクセサリー 女性が美しくありたいと思うのは、古代エジプトも同じ。時には呪術的な役割も果たした豪華な装身具や化粧道具は、現代にも通じるデザイン性に溢れていて、当時の人々の美意識の高さが伺える。

二つのガゼルがついた冠:新王国時代までには、冠は王妃の正装の一部となった。新王国時代の冠は、ガゼルの頭がついているものがあり、縦横のロゼット装飾は太陽神との結びつきを表している。

第四章 王妃、王女たち

この章で、前述の三大美女、ネフェルティティ王妃が登場。彼女の愛用したゴブレット、指輪。ネフェルタリ王妃はセネトゲームで遊ぶ姿(摸写)。

第五章で王族の装身具、第六章は王族の化粧道具とつづき最終章は来世への信仰

人型内棺とミイラ板

ついでながら、ベルリン新美術館(ノイエス・ムゼウム)のネフェルティティ王妃。王妃は才色兼備。吉村作治/エジプト博物館によると、美人だけではない、こんな功績もあるという。ネフェルティティがアメンヘテプIV世の妃になった瞬間、エジプトのたくさんの神を全て否定し、沈む太陽神、アテン神のみを信仰するようにしようと、そして、王の名前までも変えてしまったんです。アメンヘテプの「アメン」は「満足する」という意味なんですが、それまでもやめてしまい、アクエンアテン(=アテンに捧げる)にしてしまったんですね。ネフェルティティの1番の業績は、エジプトの神をひとつにしたということです。そのためにヨーロッパの人たち…ユダヤ教徒もキリスト教徒も、自分たちの宗教のもとをつくった人と考え大変な信仰を受けています。
ハトシェプスト女王よりすごいかも。

出口調査での予想:ベスト10入りを狙う第一グループに強豪が集まり、混戦。あと一息で抜け出しそう。

コメント (2)
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