浅田真央選手が、ブログで”突然ですが、私、浅田真央は、フィギュアスケート選手として、終える決断をいたしました”と表明した。ぼくは、もっと早い時期でも良かったかなと思うが、スタッフや関係者のことを考えて今日まで延ばしたのだろう。
とにかく、すごい選手だった。歴代最高のフィギア女王と断言できる。ただ、五輪のかみさまに見放され、とうとう金メダルをとれなかったのが心のこり。真央は、五輪運が悪かっただけ。まず、荒川静香が金メタルをとったトリノ大会では、年齢制限で出場できなかった。そのシーズン、GPファイナルで優勝しているから、実力は荒川静香より上を行っていた。そして、4年後、満を持して、バンクーバー。宿命の対決でキムヨナに負け、銀メタルに終わる。ショートプログラムで、真央はトリプルアクセルを決め、完璧な演舞をしたにも関わらず、飛ばないキムヨナの点が上を行った。フリーでもトリプルアクセルを二回決めたが、キムヨナに、異常な高得点がつき負けた。不満そうな真央の顔を思い浮かぶ。一方、男子でもやはり4回転を決めたプルシェンコが、飛ばない選手に金メタルを奪われ、表彰式で悪態をついた。アイスダンスじゃないんだから、高度な技術のジャンプは評価してくれよ、というわけだ。その後、彼の意見も通り、四回転の基礎点が大幅に上がり、今では4回転を飛ばなければメタルはもらえない。一方、女子のトリプルアクセルは依然としてとして低評価で、みな安全運転ばかりして、面白くもなんともない。
そして、ソチ五輪。真央は、ショートプログラムで失敗し、16位に沈んだ。もう、皆、諦めかけていたが、さすが、真央、完璧な演技をした。トリプルアクセルをきれいに決め、次々繰り出すジャンプをミスなしで決め、なんとフリー自己最高点をたたき出し、有終の美を飾った。演技終了後、感極まって、泣く姿が大きな感動を呼んだ。悲願の金メタルはとれなかったが、6位入賞に食い込み、ある意味では金メタル以上の価値があった。思い出に残る、 レジェンドの演技だった。
フィギュアの世界選手権で3回優勝、GPファイナル4回も優勝した選手は真央以外は見当たらない。キムヨナは五輪だけに照準を合わせ、ソチの前の4年間、ゆっくりと休養をとっている。どちらが真の女王かといえば、言うまでもないこと。
ソチ五輪のレジェンドの演技 感極まって、もう泣き顔。
思い出の真央
三度目の世界女王
八幡さまのぼんぼり祭にも登場
一年間の休養。引退は、このときでよかったのでは。
長い選手生活、ご苦労さまでした。随分楽しませてもらいましたよ。