おはようございます。今日はいい天気で、お出かけ日和ですが、昨日はぜんぜんでしたね、でも、おかげさまで(笑)、いつもは賑わう、建長寺の宝物風入れが、がらがらで、お客さんより、会場内にいるお坊さんの方が多いくらい。こんなにゆっくりとみたことは初めて。
毎年恒例の”風入り”は、建長寺と円覚寺で、11月1日から3日間、行なわれ、寺内の国宝、重要文化財を含む宝物が一般公開される。円覚寺では、国宝の舎利殿も見学できるし、また寺内宝物も多く、ぼくは、大抵、円覚寺だけで済ますことが多い。でも、今年は、まず、建長寺を見学させてもらった。
ここの見所の第一は、”蘭渓道隆像”だろうか。南宋から来日し、建長寺の開山となった方である。禅師の59歳の姿が写実的に描かれ、かつ自讃もある。自讃といっても、自画自賛の言葉ではなく(笑)、厳しい反省の言葉だと、説明係の方が教えてくださった。これは坐像だが、もう一つ、座禅の途中で足のしびれを直すために歩いている(径行)像があるが、これは重要文化財である。国宝のはずっと、建長寺にあったが、後者は水戸に所蔵されていたが、光圀公の命で建長寺に返還されたという。
撮影禁止なので、”古寺巡礼/建長寺(淡交社)”の写真から、雰囲気だけでも蘭渓道隆像を。たしかに写実的ですね。
そして、その近くの禅師直筆の書。大覚禅師法語規則も国宝。禅林での規則を述べ、違反者には罰を課すという内容。創建時の厳格な禅風を伺わせる重要な資料。南宋のしきたりがそのまま、ここで実行されたようだ。書家としても優れているとのこと。
この部屋には見所が多く、ぼくの大好きな(汗)、白衣観音図(伝帳思恭筆)もここ。くつろいだ格好の三十三観音のひとつで、中国からもたされたもの。
別に、三十三観音図(重文)もずらりとあり、楽しませてもらえる。これらは、建長寺の画僧の作。そのほか、絵画作品が多く、伝牧谿(もっけい)の猿を描いた水墨画が二福、狩野探幽の達磨図、十六善神図、山楽作のも。また牡丹図などの中国絵画、家康、尊氏、関羽の肖像画、また沢庵和尚、一休禅師の墨跡、加えて、龍泉窯の青磁も4点も。なかなか見応えがある作品が並ぶ。
建長寺の開基、五代執権、北条時頼公の座像も見落とすことはできない。写実的な面部に対して、骨肉を感じさせない胴部とV形の脚部とが絶妙に融合しているとの評がある優品。重文。
梵鐘(物部重光作)は国宝、建造物では、三門、仏殿、法殿、唐門、昭堂が重文。
仏殿
柏槇(びゃくしん)だけが、創建当時からのもの。700年の歴史を見続けてきた。
さて、今日は円覚寺に行こうかな。
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます