気ままに

大船での気ままな生活日誌

ドレスデン国立古典絵画館展(1)思い出のドレスデン 

2022-04-04 11:35:46 | Weblog

おはようございます。

上野の東京都美術館でドレスデン国立古典絵画館(アルテ・マイスター)所蔵展(フェルメールと17世紀オランダ絵画展)が1月22日から始まった。これはどうしても見逃すわけにはいかないと思っていた。というのは、2013年晩秋にドレスデンを訪れ、この美術館にも行っている。フェルメールにも再会したいしとわくわくして待っていた。ところが、これが始まる頃から体調が悪くなり、なんと二月初めから3週間も入院してしまった。退院しても都内に出かける体力が戻らないだろうとほとんど諦めていたが、何とか回復して、終幕(4月3日)の前々日の日時指定チケットを手に入れることが出来た。よくぞチケットが残っていてくれた、まさに滑り込みセーフ。きっと、お近づきになったドレスデンの街の神々のおかげに違いない。

ということで、まず、御礼を兼ねて、8年半ほど前、訪ねたドレスデンの街を追憶してみよう。

旧東ドイツ地区の旅行はこのときが初めてだった。フランクフルトから1時間も飛ぶと、最初の訪問地、ドレスデンに着く。ザクセン州の州都であるこの地は、かってザクセン王国の都であり、とくに18世紀前半のアウグスト2世(強王)と3世の時代に繁栄し、バロック建築の宮殿や教会がつくられ、また、類を見ない宝物が蒐集された。そのうつくしい街並みは、”エルベ河のフィレンツエ”とまで讃えられた。しかし、第二次世界大戦で連合軍の大空襲により街のほとんどが破壊されてしまった。戦後、徐々に建物の復元などが進み、現在では往時のうつくしい街並みを取り戻しつつある。

一番、感動したのはこのフラウエン教会(聖母教会)。

ドレスデン大空襲により、この教会も破壊され、東側と北西部の壁を残して瓦礫の山となった。戦後、そのままの状態が続いたが、東西ドイツ統一後、復元の機運が高まり、1996年に工事が始まった。それは、瓦礫の一つひとつのサイズを測り、パズルのように元の位置にはめるという気の遠くなるような作業だった。ツアーメンバーの夫婦が以前ここに来たときには、ホテルの前の空き地に、番号のついた瓦礫が、うず高く積まれていたという。10年以上をかけて完成。現在のうつくしい姿になった。

破壊された当時の教会の写真

瓦礫由来のタイルは黒い部分。60%が元のタイルだという。

瓦礫だけのモニュメントも教会前に。

何もしない政府に頼らず、市民による自主的な廃墟からの再建運動は、東ドイツの体制に対する抗議行動と結びついた平和運動の場となった。それが、ライプツィヒ、ベルリンへと拡がり、ベルリンの壁の崩壊につながったという。その頃、若き日のプーチンはKGB諜報員としてドレスデンに在住し、東ドイツ崩壊までの一部始終を見ていたはず。これがトラウマになったのか。

一方、”君主の行列”の壁画は、空襲の被害から奇跡的に逃れ、往時の姿を今に観ることができる。当初は1874-76年に画家ヴィルヘルム・ヴァルターがズグラッフィートという手法で描いたものだが、損傷が激しく、1906年、25000枚のマイセン磁器タイルに転写されたものだ。100メートルもつづく壁に、ヴィッテン家出身の35人の大公、選帝侯、王たちの騎馬姿が描かれている。

その中の、アウグスト2世(強王)と3世。強王はあだ名の通りに、怪力でかつ精力も強く、100名を超えるお妾さんを従え、100人以上の子供をつくったという(笑)。一方、正妻の子、3世は逆で、まじめで気がやさしく、子供もひとりしかつくらなかったというから面白い。でも、王国も弱体化した。絵画コレクションにも力を入れた。

さて、国立古典絵画館(アルテ・マイスター)は、このツヴィンガー宮殿の一画にある。宮殿はアウグスト強王が建設したもので、戦災でだいぶ破損したが、補修、再建されている。アートの宮殿でノイエ・マイスター(新巨匠美術館)や有田焼のギャラリー等もある。

国立古典絵画館(アルテ・マイスター)ここの所蔵品が大挙して来日している。

絵画のコレクションは、16世紀にザクセン選帝候から始まったが、絵画を系統立てて収集し始めたのはアウグスト1世と2世(強王)によるものである。

この美術館を代表する作品は、ラファエロの名作”システィーナ(サンシスト)の聖母、ジョルジョーネの”眠れるビーナス”、そして、フェルメール2点、”窓辺で手紙を読む女”と”取り持ち女”だろうか。

ラファエロの”システィーナの聖母” 今回は来日していない。

ジョルジョーネの”眠れるビーナス” これも、来日してない。

フェルメールの”窓辺で手紙を読む女”。 これが今回のメインゲストとして来日している。このときは修復前の壁のキューピッドがないもの。

フェルメールの”取り持ち女”。今回は来日していないが、2019年、フェルメールが9点も集結するという空前絶後のフェルメール展(上野の森美術館)には来ていた。

リオタールの”チョコレート娘”。今回、是非、お招きしていただきたかった絵。地元ドレスデンでは大変、人気がある。ぼくも大好き。

なかなか、本題に入らず、小三治師匠のように”まくら”ばかりが長くなってしまった。今日はここまでにして、次回から本題、展覧会紹介に入ることとしよう。(つづく)

おわびに、エルベ河のフィレンツエとまで讃えらえた、ドレスデンのうつくしい街並みをいくつか。

劇場広場とゼンバー歌劇場

大聖堂(左)とレジデンス城(右)

エルベ河沿いのブリュールのテラス

テラスから観た街側の風景。ブラウエン教会を向こうに、街は11月なのにクリスマス風景。

それでは、みなさん、今日も一日、お元気で!

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上野の桜(2)両大師の御車返し桜と紅八重枝垂れ桜

2022-04-03 13:47:00 | Weblog

こんにちわ。

4月1日に東京都美術館で”フェルメールと17世紀オランダ絵画展”を見に行ったときに上野の桜も楽しんだ。その第2報である。美術展のあと、科博の向かいにある両大師に向かった。ここの御車返し桜は見逃せない。なかなか見頃に出会うことは少ないが、さて、今回はどうか。

両大師山門。良源(慈恵大師)と天海(慈眼大師)を祀ることから、両大師と呼ばれている。

本堂

本堂前に花まつりのお釈迦様の誕生仏が置かれている。お誕生日(4月8日)はまだ先だが、甘茶もかけられる。お参りしてからお花見を。

誕生仏の向こうに華やかな桜、これがお目当ての桜、”御車返し(みくるまがえし)”。

五分咲きくらいだろうか。まずまずの咲きっぷり。

後水尾天皇が京都の常照皇寺で花見のあと、余りの美しさに牛車を引き返し、再度、ご覧になったので”御車返しの桜”と呼ばれる。その皇子がここ上野の両大師の長になられ、株分けをした。この桜は三代目とされる。

一重、八重と咲き分けるのも特徴。なかなかそういう枝が見つからないが、今年はばっちり。

反対側のお釈迦様の”寝姿の岩”の方から観る。

この”御車返し桜”は、もともとは鎌倉の桜で桐ケ谷桜という。御車返し(京都・常照皇寺、上野・両大師)、八重一重咲き分け桜(鎌倉・極楽寺)とも言い、鎌倉桜の異名もある。ややこしいので、ちょっと調べて、”御車返し、桐ケ谷、八重一重咲き分け桜の歴史”というテーマでまとめてみた。

ここの境内にはいろいろな桜が植えられていて、楽しい。

ミツバツツジも咲き始めた。

そして、幸田露伴旧宅の門をくぐると、垣根越しに見事な紅枝垂れ桜が現れる。

幸田露伴は谷中に住んでいたが、旧宅の門がここに移築された。

瓦葺の簡素な腕木門(木戸門)で、柱や梁、垂木などすべて丸太造で、明治期のしもた屋(仕舞屋)の風情をよくとどめている。

こちらは最高の見頃。

厄除けの角大師さま、一昨年からコロナ退治をお願いしているのですが、まだまだですね。

それでは、みなさん、よい午後を。

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上野の桜(1)桜並木、舞姫、コマツオトメ、枝垂れ桜

2022-04-02 20:35:29 | Weblog

こんばんわ。

前日までの春うららから一転、冬に戻ったような4月1日に上野のお花見へ。何故、わざわざその日か。それは、東京都美術館の”ドレスデン国立古典絵画館展”の日時指定チケットのため。でも、上野駅に到着したら、空も晴れてきて、寒さもだいぶ和らいできた。

公園口を降りると、すぐ国立西洋美術館だが、1年半の工事を終え、いよいよ4月9日にリニューアルオープンするようだ。塀の外から庭園が覗けるが、ロダンの”考える人”や”カレーの市民”の彫刻が場所を移動していた。植物はこれから植え込みをするのだろうと思うが、現在は殺風景な庭になっていた。

さて、どこで昼食にしようかと、まず、公園入口近くのカフェを覗いたが、もう行列ができていたのでパス。では、お花見をと、進むと、艶やかなピンク色の桜が目に入ってきた。舞姫である。これまでなかなか見頃に出会えなかったが、今年は最高!

後ろ姿もいい。

きれいなはず、八重紅枝垂れの子供らしい。

隣りには、コマツオトメ。例年、ソメイヨシノより早く咲くが、今年はどの品種も揃って咲いている。こう並んで咲いている姿も珍しいかも。原木はこの先の小松宮彰仁親王の銅像の近くにある。

こちらはソメイヨシノの血をひいている。

さて、上野公園の桜並木は? 満開です!

でも人出はさびしい。午前中の寒さのせいか。この時期では信じられないほどの少なさ。それに、今年もお花見の宴会はできない。みな歩くだけ。

もう散り始めている。桜道。

上野の桜には酔っ払いがつきもの。桜もさびしがっていることだろう。桜のゴザをひいて待っているのに。

上野東照宮の桜も満開。

散り桜も。これも見どころ。

上野東照宮。(内部も拝観できる。煌びやかですよ)

そうだ、この近くの伊豆栄梅川亭の枝垂れ桜も咲いているだろう。もしお店が空いていれば、そこでうな丼でもと思ったが。

見事な咲きっぷりだったが、お店は予約でいっぱいとのこと。この時期、聞くだけやぼだった。

五重塔がわらっていた。

そうだ、大きな精養軒ならばと行ってみたけど、ここも大行列。では、ぼくの行きつけの(?)韻松亭へ。ここも、予約でいっぱいのはず。念のため聞いてみると、桜の見える本館は駄目だが、控え室の席はあるとのこと。ラッキー!

お花見の時期は『豆桜 3500円』『里桜 5000円』の2つのうちからの選択となる。豆桜を選択。

普段とちがって、お刺身もいっぱいつき、お酒をいただきたいところ。ここには日本最北端の銘酒、国稀を置いてある。今、お医者さんに止められているのでぐっと我慢。

店を出る頃には待ち行列も。運が良かった。

近くの桜の木の下にもうシャガが咲いていた。

シャガの花と桜の花びら。今の時期にしかみられない景色。

そして、美術館でフェルメールを楽しんだ。

では、おやすみなさい。

いい夢を。

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枝垂れ桜、横浜緋桜&チューリップ 山下公園&横浜公園

2022-04-01 20:11:38 | Weblog

こんばんわ。

家内が用事のついでに立寄った横浜公園の横浜緋桜が満開だったよと教えてくれた。で、早速、出掛けた。というのは、横浜緋桜はソメイヨシノや枝垂れ桜より早く咲くので、いつも見頃を見逃してしまうのだ。チャンス到来!どうせならと山下公園にも行ってきた。

まず、山下公園へ。ここでは毎年、ホテルニューグランド前に数本並ぶ枝垂れ桜を楽しんでいる。まだ、見頃のはず。まずまずOKだった。

山下公園通り側から。

桜越しに氷川丸を見る。

公園側から。背景にマリンタワー。

桜越しにホテルニューグランドを見る。

目を海側に向けると鮮やかなピンク色。あっ!横浜緋桜だ!ここにもあったのか!

遠方ではソメイヨシノが満開!ソメイヨシノと枝垂れ桜と横浜緋桜が同時に見られるなんて!

そして、日本大通りを15分も歩くと、横浜公園。

玄関口に咲いている桜は、神代曙。病気にも強いのでソメイヨシノの後継と目されている。満開で迎えてくれた。

そして、お目当ての横浜緋桜は?ずらりと並んで、満開!こんなに見事に咲いているのは初めて見たかも。

一番姿のよい横浜緋桜。

花もぼんぼりのように可愛い。

横浜スタジアムを背景に。

横浜市の白井勲氏がケンロクエンクマガイ(兼六園熊谷)にカンヒザクラ(寒緋桜)を交配して育成した品種。横浜の名がつく桜の品種はこれだけとのこと。ぼくが初めて見たのは、横浜ではなく、なんと弘前公園で。人気品種で全国で栽培されている。

横浜公園といえばチューリップ。まだ、揃っていないが(三割ほどか)、場所によっては、見頃です!

背景に横浜緋桜を入れて。

背景に横浜スタジアムを入れて。

チューリップが見頃の半月後にまた。

枝垂れ桜、横浜緋桜&チューリップ、そして神代曙桜と、とてもステキな横浜花散歩でした。

では、おやすみなさい。

いい夢を。


山下公園にて。縫いぐるみではありませんよ(笑)。

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