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【cinema】『ナイロビの蜂』

2006-05-14 21:49:41 | cinema
'06.05.14 母親と『ナイロビの蜂』@丸の内プラゼール

重い…。ラブストーリーとして紹介されているので、そのつもりで行くと辛いかも。「英国外交官ジャスティンは赴任先のナイロビで、理想に燃え情熱的で若く美しい妻テッサを亡くす。ジャスティンはその死に疑問を持つが…」という話し。監督は『シティ・オブ・ゴッド』のフェルナンド・メイレレス。ジョン・ル・カレの原作は未読なので、サスペンス、恋愛、社会問題のどれが主なのか不明。監督は「社会問題」を描きたかったよう。「社会問題」がすべてのキーなので描くのは当然だけどあまりに重い。確かにそれがアフリカの現状なんだろうけど…。

テッサのような女性にはホントに頭が下がるけど、正直、共感は出来なかった。元々記者で社会問題に関心の高かったテッサが、あの状況に我慢できない気持ちも分かる。でも個人で(もちろん完全に個人ではないけど…)活動するにはあまりにも無謀だったように思う。

でもジャスティンはそんなテッサを愛した。ただ少々手に負えなかったように思う。いつもどこかで愛されてる自信がなかった。それがジャスティンに行動させるきっかけではある。この辺りの心理描写はうまい。サスペンスとしてもよく出来ている。テッサ役のレイチェル・ワイズもいいけど、レイフ・ファインズがいい。ラストの表情は切ない。

とにかく、アフリカのあまりに救いのない現実にどうしていいのか分からない。村を襲撃された少年が自ら飛行機を降りるシーンでは絶望感と無力感に襲われた。内からも外からもあまりの悪と困難に「救い切れない」と思った。そう思うことすら罪なのかもしれないけれど…。「この国の人々の命はあまりに安い」というセリフは痛い…。


『ナイロビの蜂』公式サイト

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【cinema】『博士の愛した数式』

2006-05-14 20:28:51 | cinema
'06.05.12 Tと『博士の愛した数式』@ギンレイホール。

2本目。やっぱりお得だわ~ 1本目の『単騎…』の方がお目当てだったので、あまり予備知識もなく見けど、意外に良かった。「10年前に事故に合い、以来記憶が80分しか続かない数学者と家政婦親子の触れ合い」の話し。後に数学教師になった息子が生徒に語る形で描かれる。息子は純くん。家政婦の母親役は深津絵里。博士が寺尾聡。

記憶が80分しか続かないので、翌朝家に行っても博士は覚えていない。博士は記憶が続かないことに自覚はあり、心に秘密を抱えているため今は数字の世界だけに生きている。数学は苦手。算数の頃からあんまり得意じゃない。でも博士が語る数学はすごく楽しい。博士は「実に美しい数字だ」っていうのが口癖。でも頻繁に出てくる数字や数式の話しを聞くと、本質は理解出来なかったとしても美しいとは思う。そんな風に学べていたらもう少し数学に興味を持てたかも。現に映画の中で博士から数学の楽しさを教えてもらった純くんは数学教師になっている。

私は純くんの語り口があまり得意ではなくて、その語りで進行するのはどうかなと思ったけど、後に数学教師になるという純くんとの関係を描きたいのだとすればありでしょう。「人と人の繋がりの妙」とか「人が人に与える影響」ってこと。もちろんそれは博士→純くんっていう一方通行ではなく逆もまたしかり。そして次は生徒へ続いて行く。そういう意味では「秘密」はそんなに必要なかったかなとは思う…。まぁ、今は少年のような博士の大人の男だった部分があった方が対比としていいのかも。

寺尾聡の演技というか風貌がいい。深津絵里が不意に言ってしまった一言が博士を傷つけてしまう。そのシーンの表情がせつない。その後の深津と子供のシーンがいいので気付いたら涙が出ていた。

長野の風景もキレイで、多少お伽話的だったり、時々感じるあざとい部分も素直に見れた。


『博士の愛した数式』公式サイト


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【cinema】『単騎、千里を走る。』

2006-05-14 19:32:16 | cinema
'06.05.12 Tと『単騎、千里を走る。』@ギンレイホール。

チャン・イーモウが自身大ファンである高倉健を主役に迎えて撮った映画。「癌で余命いくばくもない絶縁状態の息子の仕事を代わりに果たすために、単身中国へ渡った高田。困難にあいながらも中国の人達の温かい助けを借りて旅を続けるが…」という話。

『単騎、千里を走る。』とは息子が撮影する予定だった仮面劇。その劇自体がどのくらいすごいのかはよく分からない。中国の仮面劇は有名で、瞬時に仮面を変える技の中には一子総伝というのもあるらしい。たしかそんな映画を見た気がする。

ガイドの女性、村のガイド、役人、村長など最初は無理と言いつつ、高田の熱意にうたれて無償で協力する。最近の反日デモなどを思うとちと嘘くさい気がするくらい好意的。確かにそれぞれの思惑があったりする場合もあるけれど…。何となく不自然なくらい「いい人」ばかりと思ってしまうのはひねくれてるかな。報道されている情報でしか中国の人達を知らないし、デモに参加している人達はごく一部。その一部の人達だけで全体を判断してはいけないとは思う。実際はわだかまりをなくして仲良くなったら、むしろ情に熱い人達なのかも知れない。そういう一面を見せたかったのかも。確かに村長や長老たちの会合での「道理が通らない」のやり取りはおかしくて、一度協力すると決めたらとことんする純真さはほほえましかったりする。それが石頭村の美しい風景と合ってもいる。

ガイドの青年役の人がいいキャラだった。飄々としていいかげんな感じなのにいい人っていうのがピッタリ。仮面劇は思ったより地味だったけど仮面に表情があるかのような動きで良かった。

とにかく言いたいことはあるけど高倉健につきるという感じ。高倉健はつまり長嶋茂雄のような存在なのだと思う。もはや演技の必要なしという感じすらする。あの間はすごい。ラジオだったら放送事故だ。でも、それこそが「高倉健」なのでしょう。旗のシーンは最高!


『単騎、千里を走る。』公式サイト

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