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【cinema】『シャーロック・ホームズ』(試写会)

2010-02-28 03:24:56 | cinema
'10.02.18 『シャーロック・ホームズ』(試写会)@TOHOシネマズ六本木ヒルズ

yaplogで当選。いつもありがとうございます。ジュード・ロウ舞台挨拶つき試写会。前々日まで試写状が来ていなかったので、ハズレたんだろうと思っていたら、なんと前日に届いた。明日!? ダメもとでジュード・ロウがお好きなrose_chocolatさんに連絡。OK! しかも、全席指定で9:30から引き換え開始と伝えると、わざわざお昼に会社まで来ていただき、早めに行ってチケット引き換えて下さるとのこと。なんとありがたい! しかも、お手製の焼きおにぎりや、唐揚げまでご馳走になってしまった。スゴイおいしかった! ごちそうさまでした

ヒルズに着くと映画館入口の階段にレッドカーペットが敷かれている。カーペット・イベントの招待券はないので、本来見ることはできないけど、遠巻きに見れないことはなさそう。でも、寒いしrose_chocolatさんが引き換えて下さったチケは、やや左よりながら前から6列目! だったら早く入ってゆっくりしましょうということで入場。19:00開映にそんなに遅れなかったと思うので、カーペット・イベントも早めに終わったのかもしれない。

客席が埋まり、マスコミ関係者も揃った頃、司会のおねえさん登場。あまり前置きせず、注意事項を伝えて、紹介してくれたので良かった。こちら側の扉からジュード・ロウ登場。カッコイイ! 背高いし、スタイルいい! グレーのサテン地のスーツが似合う。そしてかなりご機嫌な様子。気さくに手を振って応える。初めの挨拶自体はあらかじめ用意していたようで、スゴイ勢いで話す。「日本に来れてうれしい。日本に来るのは大好きで4~5回来ている」大好きなわりに回数ハッキリ覚えてなのか(笑) まぁ、たくさんの国に行くでしょうし。でも「今回は初めて家族と来ている。子供が楽しんでくれるといいんだけど」 なんていうパパの一面も見せたりする。映画については監督以下「原作に忠実に作ることを心掛けた」そうで「ベイカー街や当時のロンドンの映像」を見てほしいとのこと。でも「新しい風も入れたかったんだ」とも語っているので、ガイ・リッチー風味なのかもしれない。また、ホームズ役のロバート・ダウニー・Jr.との共演については「ハイライトだった」そうで、ホームズとワトソンの関係は「2人はケンカばかりしているけど実は愛し合っているのです。だって一緒に住んでるんですよ(笑)」と笑わせたりもする。最後に、今日集まったお客様に一言「おもしろかったら2回見てね」と言い残し去って行った(笑) 多分、10分もいなかったように思うけど、終始にこやかで、通訳している間は、ずっと手を振って応えていた。さすがプロだなという感じ。あっという間だったけど、素晴らしい目の保養だった。ということで、本題へ。

*ネタバレありです。辛口になっちゃいました

「相棒のワトソン医師と共に、黒ミサの行われている現場に踏み込み、首謀者であるブラックウッド卿逮捕に貢献したホームズ。ある日彼の元に処刑されたブラックウッド卿が生き返ったらしいとの知らせが届く。そしてロンドンでは不可解な事件が起こり始めて…」という話で、これは娯楽作品。アクション・シーン満載で、おもしろいけれど、シャーロック・ホームズではないかも。多分、原作は1冊くらい読んだことがあると思うけど、覚えていないので、あまり偉そうなことは言えないのだけど、こんなにアクション多発な人なんだろうか。世紀末ロンドンの感じも、あのタワー・ブリッジを建設中というのは面白かったけど、やっぱり何となく違う印象。まぁ、予告編でも流れているとおり、ビッグ・ベンでお馴染みの国会議事堂が重要な役割を果たしてはいるけれど。まぁ、19世紀末ロンドンなんて見たことないわけだから、こちらも偉そうなことは言えないのだけど…(笑)

ガイ・リッチー作品は『ロック・ストック・トゥー・スモーキング・バレルズ』しか見ていない。冒頭、どこか建物の地下で行われている黒ミサに踏み込むため、ホームズは地下へと続く階段を下りながら、待ち受ける敵を倒す方法を頭のなかでイメージする。「最初に頭突き、次に顎に一発…」という具合に。それをスローモーションで見せておいて、その後実戦部分を高速で見せるという演出はおもしろいし、ガイ・リッチーっぽいのかなと思ったりするけど、この手法は実は度々出てくるので、若干飽きるかな… スゴイ能力だとは思うし、何事も理路整然と分析するホームズという人を表しているんだと思うけど、そもそも原作のホームズはこんなにアクションの人なんだろうか。まぁ、別に何もかも原作通りにする必要もないと思うし、新しい風なのかもしれないけれど、BBCドラマ版のファンとしては違和感はある。ホームズは割と皮肉屋で阿片だかモルヒネだかの中毒患者だったと思うので、まるっきり品行方正で模範的な人物というわけでもないので、多少のデフォルメはありだと思うけど、ホームズかと言われると違う気はする。というわけで、たいしたホームズ・ファンでもないくせに偉そうだけど、これは別モノとして見るべきだと思う。そう思って見れば、娯楽作品としてはおもしろいと思う。

うーん。何かと比較するのもどうかとは思うけど、BBC版のあの皮肉屋で、ちょっと気取った感じが自分の中のイメージだとすると、ちょっとワイルドというか、探偵なので時には危険な目にも合うだろうから、多少のアクションはあるとは思うけど、途中ホームズがファイトクラブみたいなところに行ったりするのは、原作にもあるんだろうか? 何度も言いますが、ガイ・リッチー監督×ロバート・ダウニー・Jr.という時点で正統派では無い感じはするので、どんな新風でも楽しければいいのだけど、肝心の謎解き部分がすごく駆け足だった割に、あんまり本筋と関係ないアクション・シーンがやたらと長かったので… 新たな探偵モノとして、映画を作ったのであれば全然OKなんだけど、シャーロック・ホームズという世界一有名な探偵の話だからね。まぁそれだけに、いろんなホームズ像があっていいのかなとは思いますが、主演のロバート・ダウニー・Jr.の演技は上手いんだけど、やっぱり大味な感じにはなってしまったかも。でも、そこは狙いなのかなという気もする。

続編が作られることが決定しているらしいけれど、それを意識した作りだなという感じ。だから、人物紹介的な部分が多かったようにも思う。でも、例えばホームズの人となりとか、ワトソンとの友情について詳しく語られるわけではない。でも、ワトソン医師がホームズと同居していて、精神的に不安定になってしまうとワトソン以外の誰も近づけない感じとか、結婚を機に探偵の助手を辞めたがっているワトソンが、つい心配で戻ってきちゃうとか、2人の特別な関係を表している。ただ、2人共見た目が若いので、何となく青春っぽい印象。実年齢から考えると、2人とも立派なオッサンなので、キャスティングとしては合ってると思うんだけど。

うーん。ホントにこれが『シャーロック・ホームズ』でなければ、新しい探偵もののシリーズとしてありだとは思うのだけど、あのシャーロック・ホームズだからなあ。そこら辺が有名な原作の映画化作品を見る際の線引きの難しさというか… 全く別物として楽しめるか、違和感を引きずってしまうかっていうのは、作品の力が足りないのか、見る側の思い込みがいけないのか、なかなか難しいところではあるけれど、正直に言うと、あんまり合わなかったのかなと思う。でも『ロック・ストック~』は面白かったんだけどな。あとは原作の自分の中での位置づけもあるかも。上手く言えないけど、サー・アーサー・コナン・ドイルがこのシリーズを書き始めた頃は、たしか探偵小説は娯楽小説であって、評価は低かったんだと思う。でも、長い年月の間にジャンルとして地位を獲得し、初期の作家や作品が評価され、古典や文芸になった。もはや文芸である原作を、娯楽作品にしようという試みはおもしろくはあるのだけど。

さんざんけなしてしまっているけれど、つまらなかったわけではない。テンポもあったし、なにしろ主役2人がイケメンだし(笑) ただ、女優2人に華がなかったかなという気はする。レイチェル・マクアダムスは綺麗だし、演技も悪くなかった。アメリカ人という設定だから、ヤンキー娘っぽいのもありなんだと思うけど、シャーロック・ホームズが愛するスゴ腕女盗賊には見えないかなぁ。間違いなく峰不二子の勝ち(笑) ラスト、ホームズ最大の敵との繋がりを示唆しているし、どうやらホームズがらみっぽい予感。ワトソンの婚約者役のケリー・ライリーはクラシックな顔立ちで、ホームズの侮辱的な発言に毅然とした態度で応じ、このまま亀裂かと思わせて、実は意外に支えてくれたりする。ということで、この2人続編にも登場するかと思う。さっきも書いたけど、2人とも綺麗だし演技も上手いけど、シリーズもののヒロインとしては弱いかな。インパクトがある分『スパイダーマン』シリーズのMJの方がある意味存在感があるかも(笑) あとは悪役もパンチが足りなかったかな。まぁ、蘇ったと言われても、どうせ最初から死んでないんでしょなんて思ってしまうのは、この手の小説や映画を見過ぎのせいかもしれないし、ブラックウッド卿のマーク・ストロングも頑張っているけど、黒魔術を扱い、処刑された後生き返ってロンドン中を震撼させたり、秘密結社の新たな長として君臨する感じはちょっとキビシイかな…

と、気づけばまたけなしてしまっている! 見ている間は、けっこうおもしろくて、見終わった後もそんなに悪い印象ではなかったのだけど、気がついたら辛口になってしまっている。なんでだろう(笑) うーん。画面展開が特別早かったとも思わないし、逆にテンポが悪かったとも思わないんだけど、こうして感想を書いてみても特別印象に残るシーンがない。ジュード・ロウが言ってた19世紀末ロンドンの町並みは面白かった。ホームズとワトソンが馬車の中から眺めて「産業革命の国だ」と語っているけど、タワー・ブリッジが建設中であるというのも興味深かった。そして、主演2人の掛け合いもおもしろかった。ホームズの得意技でもある変装を、あのスピード感で見せてしまうのも、おもしろかった。ここは後から見せるのだけど、レイチェル・マクアダムスの乗った馬車に金を無心に来た男の正体は、見ている側には分かるので、その種明かしはこんな感じて見せてしまうのもいいかもしれない。ただ、本筋の謎解きもこの手法なのはなぁ…

キャストはマーク・ストロング、レイチェル・マクアダムス、ケリー・ライリーについては前に書いた通り。レイチェルはアクションもこなして頑張っていた。ただ、ある意味コスチューム・プレイでもあるのに、女優2人の衣装がほとんど印象に残っていない。レイチェルは真っ赤なドレスを着ていた覚えはあるけれど。それくらい男っぽい映画といえるのかもしれないけれど。記事を書くまで気づかなかったけど、衣装の印象がなかったというのは、自分でもちょっとビックリ。

ジュード・ロウは決してカッコイイとは言い切れない役を、ほどよくコミカルにかっこよく演じていたと思う。スタイルがいいので、クラシックなスーツが良く似合う。婚約者披露ディナーのミリタリーはちょっとビックリしたけれど(笑) そろそろ身をかためて、ホームズとの冒険は終にすべきだと考えているけど、結構つき合ってしまう感じも、まだ青年っぽさが残る表情に説得力がある。そして、やっぱりいい男。

ホームズのロバート・ダウニー・Jr.は、やっぱり上手い。天才的頭脳と感覚を持ってしまったために、人と自分の感覚の違いの折り合いがつかない孤独を、ほとんど無表情で演じているけど、きちんと伝わってくる。シャーロック・ホームズかと聞かれると、微妙ではあるけれど、凡人には見えない世界を生きている人物であることの説得力はあった。例の攻撃のシミュレーションとか、演出面の手助けもあったものの、こんなに何でも分かってしまうのは、辛いことも多いと思うので、その辺りがちゃんと伝わったのは良かった。

うーん。もっと早く感想を書かないといけなかっのだけど、バタバタと忙しくて遅くなってしまった。だからと言うわけではないけど、見終わった直後は生ジュード・ロウ効果もあり、おもしろかったと思ったのだけど、記事を書いてみるとどんどん辛口に… うーん。やっぱり新風とはいえ、探偵モノなので、アクション部分重視で、謎解きがまくし立てるようなホームズのセリフと、早い画面展開であっさり終わってしまうのが、個人的にはちょっと不満。ちゃんと伝わってはいたけれど。まぁ、でも見せたいのは謎解きではなくて、屈強な敵にも頭脳+アクションで立ち向かう新しいシャーロック・ホームズなのでしょう。そういう意味では楽しめた。個人的にはやっぱりイメージの中のシャーロック・ホームズとは違かったので、これは別物という印象。だからホームズ&ワトソンという、新たな探偵コンビものとして見れば、楽しかった。

感想は人それぞれだと思うので、これはあくまで個人的見解ですが、原作ファンの方はこれは"新しい"シャーロック・ホームズだと思って見た方がいいかも。アクション系の娯楽作品(バカにしてないです!)が好きな方は、楽しめると思う。主役2人頑張ってます!


『シャーロック・ホームズ』Official site

コメント (14)
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