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【Googleのロゴ】はやぶさ帰還

2010-06-13 16:03:26 | Google's logo
またまたGoogleのロゴがこんなことに!



小惑星探査機「はやぶさ」が7年間旅を終え、
本日(2010/6/13)の夜、帰還するのだそう。
無事、帰還するといいですね!
無人探査機とはいえ、無残な帰還は悲しいですから

7年間お疲れ様でした


JAXA|小惑星探査機「はやぶさ」(MUSES-C)

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【cinema】『FLOWERS -フラワーズ-』(試写会)

2010-06-13 02:36:02 | cinema
'10.06.01 『FLOWERS -フラワーズ-』(試写会)@東宝試写室

これは見たかった! migさんから試写状いただいて、楽しみにしてた。人気だから早めに行こうと、定時上がりを目指していたのに、1時間経ってもデータが来ない! 何とか処理して、東宝試写室に辿り着いたのが18:00少し前。かなり並んでいたけどなんとか入れた。この試写室の椅子座りやすい。ちょっと普通の椅子より広い気がする。

*ネタバレありです! そして長文!

「昭和11年女学校を出たばかりの凛は、親の決めた会ったことのない相手との結婚に戸惑い、花嫁衣装のまま飛び出してしまう。昭和39年、凛の長女薫は、熱海へ新婚旅行に出かける。穏やかな夫との楽しい旅行中、時折淋しげな表情を見せる。昭和44年、次女の翠は男性ばかりの出版社で、孤軍奮闘していた。そんな中、恋人の菊池からプロポーズされる。昭和52年、生れつき体が弱い三女の慧は、2人目の子の妊娠を知り、反対する夫を説得し、産むことを決める。平成21年、凛が亡くなった。慧の長女奏と、次女佳も通夜に出るため戻ってくる…」という話。これは良かった。1人1人のエピソードはちゃんとあって、それぞれ悩んだりしているけど、基本は凛から始まる母娘3代の話なので、それぞれ少しずつリンクしている。だから、一気に見てしまった感じ。



じんわり感動して、気づいたら涙が溢れて止まらなくなってた。鈴木京香演じる奏と同世代だと思われるので、たぶん祖母、母親とも世代が被っていると思う。だから、実際知っているかは別として、話を聞いたりした部分も含めて、記憶が近いんだと思う。そういう背景もそうだけど、そもそも時代は違っても"女性の悩み"という部分では、今とそう変わりはないし。女性の悩みというか、個の部分というか… 要するにアイデンティティ。自立というより自己確立。それは何も男社会で認められることだけじゃない。分かりやすく翠にその役割を振ってはいるけれど。登場人物達は、それぞれ大なり小なり人生の中での節目を迎え、悩みながら乗り越えて、心に秘めていた思いや、重しが少し軽くなって、しなやかに節目を乗り越えていく。その"しなやか"な感じが、女性らしくていい。

3代に渡る物語は、平成21年凛が亡くなったところから始まる。お通夜の席で、そつなく親戚の相手をする佳に対し、硬い表情で所在なげに座る奏。この感じ分かる(笑) 長女って割と生真面目というか、堅物になっちゃうんだよね… 生まれてから大人ばかりに囲まれている期間が下の子達より長いせいか、あまり人との垣根をとり払うことが苦手というか… 仲良くなってしまえば全然そんなこともないんだけど、人見知りしてしまうというか、人の輪に入って行くのが苦手。もちろん、そうではない人もたくさんいると思うので、長女だからって決めてしまうのは違うと思うけど。でも、このお通夜の席で親戚のおじさんにお酌をするというシーンだけで、奏と佳の違いがきちんと伝わってくる。性格なので、どちらか正しくて、どちらか間違っているわけではないけど、佳の方が得なのは確か。得っていうのは違うかもしれないけど、いい言葉が見つからないので… 奏の年齢や性格、そして境遇が一番近かったのと、鈴木京香の演技が良かったので、彼女に一番感情移入してしまった(笑)

一人一人のエピソード自体は、映画の主人公達が抱える問題としては、特別目新しいこともなく。今まで散々見てきたと思う。でも、王道ゆえに染みてくる。当blogでも何度も書いているけど、だからこそ王道なんだと思うし。各エピソードの持ち時間が短いので、丁寧に描いているけど、細かく描いてはいない。さっき書いた奏と佳のお葬式のシーンのように、見ている側が意味や背景を読み取っていく感じ。その感じがすごくいい。余白というのともまた違うけど、それが家族ってことを表している。例えば、奏と佳の実家はどうやら凛の嫁ぎ先っぽい。それは凛と同居してたってことで、晩年は逆転していたかもしれないけれど、早くに母親である慧を亡くしている奏と佳は、祖母である凛に育てられたのかもしれないとか、細かく説明はされないけれど、ちょっとしたセリフとか、何気ない映像とかで3世代の繋がりとか、その人の性格とかちゃんと伝わってくる。そういうのがすごく上手い。

女性らしいしなやかな強さを持つ姉薫と、優しくて明るいけれど体の弱い妹慧に挟まれた翠は、当時のウーマンリブの流れに乗って、男社会で認められようと懸命。個人的には特別キャリア志向でもないけれど、長いOLちゃん生活の中では、女性だからとか、女性なのにという思いをしたことはある。だから、翠が憤る気持ちは分かる。男性社員のセクハラ発言には頭に来たし。でも、平手打ちをしてしまうところや、彼女のことをからかってはいるものの、決してバカにしてはいない作家先生に対して、失礼な発言をしてしまうところを見れば、あまりに勝ち気な部分が前面に出てしまうので、同僚のセクハラ発言を引き出してしまうのかと思ったりもする。もちろん、セクハラ発言はダメだと思うけど… 上司にも姉にもトーンこそ違えど面倒臭い子だと言われちゃうのは、自分の中の"こうしたい"があって、その工程が1本しかないから。イレギュラー事象に対して柔軟に対応出来ずにパニックになってしまう。すごく分かる(笑) でも、若いうちはそれでいいんだと思う。里帰りした翠が、一足先に帰っていた薫が庭の草木に水をやっている姿に見入ってしまうのが印象的。このシーンの竹内結子はキレイ。花火見物の夜、縁側で浴衣姿の2人が並んでビールを飲むシーンがいい。さりげなく恋人からプロポーズされたことを話すと、「うれしかったんでしょ」と言われて、泣き出してしまう。さんざん彼をコケにしていたけれど、うれしい気持ちを認めてしまうと、今まで目指していた自分像を否定してしまうことになるから、必死で認めないようにしていたことに、翠とともに見ている側も気づくことになる。自分のホントの気持ちは、自分ではなかなか気づかないのかも。

姉の薫が翠の気持ちに気づいたのは、辛い別れを経験しているから。このエピソードは実は仕掛けがあって、知らずに見た方がいいと思うので、あえてネタバレは書かないでおく。手法としては特に新しくないので、勘のいい人は分かってしまうかも。このエピソードは翠との縁側の後に描かれるので、あのしなやかな強さは、辛い体験を乗り越えて、悲しみを生きる糧に変えたからなんだと分かる。この後から分かる感じが、日本女性の奥ゆかしさを感じさせていい。熱海旅行の昭和な感じもイイ。実際は知らない風景なのに、懐かしい。三女の慧のエピソードがこの映画の一番伝えたいことの核となっているのかなと思う。凛から続く命の連鎖。この映画に登場する6人の女性は皆ある決断をするけれど、慧は女性にしかできない命懸けの選択をする。自分だったらどうするだろう。やっぱり慧と同じ選択をすると思う。残された家族達の気持ちを考えれば、それはもしかしたら自己満足なのかもしれない。でも、やっぱりそうせずにはいられないと思う。この選択が正しいのかは誰にも分からない。でも、1つの命が繋がったのは間違いない。

慧の娘奏と佳。幼い頃からピアノが得意で、ピアニストとして東京で暮らす奏。田舎ではスゴイ人でも、各地から才能ある人が集まる東京では埋没してしまう。それは仕方のないこと。奏は自分の才能に限界を感じ、さらに自分の元を去った年下の恋人の子を宿している。未婚で彼氏なし、仕事にも行き詰まりを感じている奏は子供を産む決心がつかない。それは当然。これが10代だったらいい加減にしろと言ってるところ。でもねぇ、同じ無茶でもアラフォーの奏の気持ちはよく分かる。早くに母を亡くした奏は、お姉ちゃんだからしっかりしなきゃと思っていたのかもしれない。だから弱みを人に見せられない。でも、何も言わない彼女の秘密を、佳は直ぐに見抜く。美しく才能ある、少し年の離れた姉は、近寄りがたい人だったのかも。佳には負い目もあった。自分が母を殺してしまったのではないか… 始めは何故自分には母親がいないんだろうという疑問だっただろうけれど、真実を知ってからは苦しんだに違いない。その苦悩は後に父親との会話で明かされる。このシーンから涙が止まらなくなってた。いつも笑顔を絶やさない、よき母で妻である佳を、少しいい子ぶり過ぎるんじゃないかと思っていたけど、この父との会話で、彼女が自分の存在を自問自答して、自分なりの答えを見つけて、それを支えに生きていることが分かる。「生きてるだけで幸せなんだよ。お母さんに感謝だよ。」というセリフには、自分の母親の顔が浮かんでしまって泣けた。だから彼女は明るく生きようとしているし、家族を大切にしているのでしょう。このシーンと、姉妹が枕を並べて眠るシーンが良かった。あまり感情を表さない奏が、妹の前で弱さを見せる。子を持つ不安、でも子を産むにはリミットがあるという思いが、ズッシリ響いて涙が止まらない。

そして、全ての始まり凛。女学校を出て、進歩的な考え方を持つ彼女は、保守的で絶対君主として振る舞う父に、献身的に仕える母のような人生を歩みたくないと考えていた。でも、父が見込んだという会ったことのない相手と、明日結婚しなければならない。時々、これは自分の望んだことではないと主張してみるものの、父の逆鱗に触れるだけ。よく見ればこの父も彼なりに子供達を愛していることが分かる。父とはこうあるべきという姿を必死に追っている気もする。でも実際、会ったこともない相手と結婚するなんて考えられない! 確かに"結婚"は出来るけれど… 結婚式当日、花嫁姿で逃げ出してしまった凛を、母が先回りして待っていた。そのシーンでの母子の会話が良かった。母の言葉からは、大正時代の女性のしなやかな強さが感じられる。凛から始まる物語ではあるけど、凛はこの母から生まれたわけだから、実は彼女も含めて4代の話でもある。凛がちょっと子供っぽい気がしたけれど、たぶん10代とかなんだよね… この後、無事に戻った凛から挨拶された父が感極まって取る行動はベタだけど、これは小津安二郎とか、成瀬巳喜男とかの古い日本映画の感じを出しているのかな。この日、初めて会った花婿はぽそりと「大切にします」と言う。ちょっとグッときてしまった(笑) イヤ! いくら時代の流れとともに、結婚の形が違ってきているとはいえ、両親から大切に育てられた娘さんを頂くわけだから、やっぱり男性は大切にしなきゃいけないんだよ! もちろん、女性も旦那さんを大切にしなきゃダメだけど(笑) と、女性目線で書いてきたけど、このお父さん始め、作家先生、奏と佳の父親など素敵だった。悪い人や嫌な人は出てこない。男性は彼らに感情移入出来るんじゃないかと思う。



役者さん達はみんな良かった。凛の蒼井優ちゃんはちょっと子供っぽ過ぎるかなと思わないでもないけど、3人姉妹の母となり、勝手な想像だけど孫も育て、90歳過ぎまで生きる、肝っ玉母さんになっていくんだなと思うと、ちょっとおもしろい。翠の田中麗奈ちゃんはコメディー担当。鼻っ柱は強いけど、ホントは女の子な感じが良かった。キャラに合ってた。竹内結子の出演作って実はほとんど見たことなかったんだけど、これは良かった。薫自体のエピソードよりもむしろ、翠のエピソードとの繋ぎの部分、縁側のシーンが良かった。ちょっとした仕草がすごくきれいで、昭和の女性のきちんとした色気を感じた。例えばビールを飲む仕草とか、現代の女性はもう少しテンポが速い気がする。ガサツというのとも違うんだけど… ちょっとゆったり動くだけで、こんなに女性らしくなるんだと感心。仲間由紀恵はいつものサラサラストレートではなく、いわゆる聖子ちゃんカット。意外に新鮮。ちょっと作りすぎな感のあるキャラだけど、彼女の決意が後の感動シーンや、命懸けで産んだ娘なんだから旦那さんは大切にしろ!と思ったのは、旦那さん(いのっち→平田満)を穏やかに、でも強い決意を話す感じに説得力があったから。広末涼子のベタっとした喋り方や笑顔が苦手なのだけど、今回の演技は良かったと思う。何となく作った自然体を感じていたんだけど、佳はそうすることで生きていこうとしている役だし。鈴木京香が良かった。6人の中では多分一番年長の役だと思うけど、実は一番強がっている役かもしれない。あまり感情を表さないのは、東京で1人で生きているという部分もあるのかも。誰にも見せられない弱さを、母親としては先輩である佳に見せる演技は泣けた。井ノ原快彦はそんなに演技は上手くはなかったけど、いい人であるという部分が感じられたし、鈴木京香のお父さん役では平田満さんかわいそうじゃないかしらと思っていたけど、画面にいのっちが登場して納得。似てる(笑) 慧を失った悲しみと辛い体験から、奏を心配するあまり、佳を傷つける発言をしてしまうお父さんの平田満も良かった。特に佳との病院のシーンは感動。凛の昭和な父親塩見三省がイイ! 不器用な感じがすごくいい。そして凛の母親役の真野響子がすごくイイ! 亭主関白をあえてさせてる感じがいい(笑) 6人じゃなくて7人にしてあげて欲しい。作家先生の長門裕之の飄々としながら、翠のことをおもしろく見守る感じも良かった。大沢たかおがちょっと野暮ったいけど、いい旦那さんな感じで出演してたけど、最初は誰だか分からなかった(笑) 菊池の河本準一はキャラ勝ちかな(笑)

とにかく映像が良かった。それぞれの時代に合わせた色になっている。凛の時代は白黒。薫と翠の時代は無理矢理着色したみたいなカラーという感じ。両親の若い頃の写真色。父親が車と写真撮っちゃうみたいな。予告やCMでも流れてる薫ポーズの母親写真もあるハズ(笑) 服のデザインのレトロさもさることながら、当時は今みたいに淡い微妙な配色ってなかったんだね。でも、その感じもいい。翠の濃緑のパンツスーツとか着てみたい。薫の光沢のあるコートも好き。昭和な風景も好き。やっぱりレトロな凛や薫&翠の時代の風景に惹かれる。確実に日本の風景なのに、もうあの風景はないんだよね… 翠が菊池にプロポーズされる喫茶店は、実際にあるお店でロケしたそうで、今もあのレトロな感じで営業されているそう。あと、翠が作家先生と行くお寺は円覚寺のお庭じゃないかと思うんだけど違うかな・・・

すごく丁寧に作られてるなと思ったのは、凛の部屋の襖の引き手の周りが汚れていたことと、アイライン&マスカラバッチリの翠が泣いて、黒い涙が流れちゃうとこ。引き手の周りって汚れるし、襖紙破れたりするんだよね。マスカラもウォータープルーフじゃないし(笑) すごくちゃんと作ってるなと思って、すごく好きになった。エンドロールの写真も好き。写真が変わる度、子供が増えてる凛。でも、写真を撮ったのは顔も知らずに結婚した旦那さんなんだよね。あの旦那さん大切にしたんだなと思ってちょっと感動(笑) ラストはもうまさにTSUBAKIって感じで

女性の視点から見た女性の映画なので、男性にはどうなのかな。でも、男性ちゃんと出てくるし。監督も男性だし(笑) 女性の特に30~40代にはグッとくるんじゃないかと思う。

書きたいことがいっぱいあって、感想UPするの遅くなった。そしてスゴイ長文(笑) 最後まで読んでくださってありがとうございました!


『FLOWERS -フラワーズ-』Official site

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