【動画】浅田真央選手 引退によせて
フィギュアスケートの浅田真央選手が2017年4月10日、自身のブログ(真央ブログ|浅田 真央オフィシャルウェブサイト|ご報告します。)にて現役引退を発表。日本中いや、世界中に衝撃が走った。自身もその一人。とはいえ、どこかで覚悟していたというか、やっぱりという気持ちもあった。2016年末の全日本選手権での演技は、スピンやステップは素晴らしかったとはいえ、FSに関してはジャンプがほぼ決まらなかった。膝が限界なのかなと思っていた。
アスリートである以上、いつかは現役を退く時が来る。引き際の美学は人それぞれ。浅田選手に関しても、ソチのフリー、その後の世界選手権ショートの世界最高得点での優勝を機に辞めるべきだったという意見もある。でも、真央ちゃん自身が4月12日の引退会見(記事はコチラ)でも語っているとおり、この時点で辞めていたら、やりたい気持ちが残っていたと思うとのこと。そういうものかもしれない。そして、それが真央ちゃんらしいのかもしれない。ともあれ、真央ちゃんの人生は真央ちゃんのもの。ファンはどんな結果も受け止める。
真央ちゃんの引退にあたって、何か記事を書きたいと思っていたけど、やっぱりなかなか気持ちの整理がつかなかった。試合で演技する真央ちゃんが見れなくなるのが寂しい反面、採点にモヤモヤすることがなくなるのかと思うと、真央ちゃんだけでなく自分にとってもホッとした部分もある。真央ちゃんのフィギュアスケート人生の幕引きを、汚いもので穢したくないので、ここに詳しく書くのは避けるけど、真央ちゃんがされてきたことについては、過去記事(ソチ・オリンピック女子シングルSP、ソチ・オリンピック女子シングルFP、世界フィギュアスケート選手権大会2014 男子FP)に思いのたけを書いたし、コチラの記事(浅田真央が戦ってきたもの・・・マスコミが決して明かすことのない真実)あたりを是非読んで頂きたい。あと、ソチオリンピックにあたり日本スケート連盟が用意したアルメニアリンクの酷さなどは、浅田真央選手のブレード研磨を担当されていた小塚嗣彦氏も4月11日付読売新聞(浅田さんの挑戦支えた靴 調整任された小塚さん:中部発:読売新聞(YOMIURI ONLINE))で言及しているので、是非読んでいただきたい!! フジテレビの酷さなども書きたいけど、もうやめておく(*`д´) 興味のある方はコチラ(浅田真央にフジテレビが犯した罪は一生消えない!|YouTube)など見て頂けるといいかも。
ちょっと熱くなってしまったけど、要するに真央ちゃんの引退に際しての記事には、書きたいことはぐっとおさえて、美しいものにしたいということ。となれば、真央ちゃんの演技を紹介するのが一番! ということで、僭越ながら15歳でシニアデビューしてからずっと見守ってきた中で、自分の心に残る演技を5位まで発表しようと考えたわけです。いや、SP、FS、EXどのプログラムも全部好きだから選ぶの大変だったけど、特に真央ちゃんのスケート人生の中でも重要な演技だったのではないかな?と勝手に思ったものに絞ってみた。
5位:四大陸選手権 2011 FS(愛の夢)
もともと「愛の夢」が好きだったこともあり、浅田真央選手が滑るということでとってもうれしかった。ただ、バンクーバーオリンピック直後から、佐藤信夫コーチのもとジャンプやスケーティングを見直している時期で、ジャンプがほぼ入らない苦しい演技が続いた。このプログラムは修正を重ねつつ2シーズン滑ったこともあり、ようやく兆しが見え始めた頃、四大陸選手権で素晴らしい演技。ちょこちょこジャンプでミスはあるのだけど、ずっと回避していた3Aも入ってる! スケーティングが美しくなって、ジャンプのクセも修正され、真央ちゃんのやりたかったことが実を結びつつあることが分かり、とってもうれしくなった演技。
浅田真央 2011四大陸 愛の夢 (mao asada 4cc Fs)
4位:世界選手権 2010 FS (鐘)
バンクーバーオリンピックでは残念ながらジャンプでミスが出て涙を流した。バンクーバーオリンピックについてはいろいろ言いたいことがあるけど、上記リンクを見て頂くとして! 真央ちゃんが涙を流した理由は金メダルを取れなかったからではないと思う。もちろんそれもあるけど、自分の納得する演技ができなかったことが一番悔しかったのだと思う。このシーズンはとにかく苦しいシーズンで、GPFの出場も逃している。この「鐘」というのはとにかく難しいプログラムで、ジャンプやステップの難易度もそうだけれど、重厚なこの曲を若干19歳で表現しきることの難しさ! バンクーバーの演技も鬼気迫るものがあったけど、全ての要素を完璧にこなしたこの演技は圧巻! 3A2回だよ! しかも1つは3A-2T! いまだに誰も跳んでないじゃん!!
2010 W Mao Asada FS ESP
3位:バンクーバーオリンピック SP(仮面舞踏会)
初めてのオリンピックでの演技。日本中の期待を背負って滑り始めた仮面舞踏会は、女子史上初のSPでの3A-2T成功! 前シーズンではFSで使用していた曲をSPにしたのは、3Aを跳ばせるためのタチアナ・タラソワ先生の戦略かな? 重厚で悲劇に終わったFSとは違い、初めての舞踏会にわくわくしている姿を演じた。その姿が初めてのオリンピックでわくわくしている真央ちゃん本人と重なり、こちらも見ていて楽しくなる。この演技が1位じゃないのが本当におかしいよ(*`д´)
Mao Asada Olympic Vancouver 2010 SP
2位:世界選手権 2014 SP(ノクターン)
ソチオリンピックではジャンプでミスが続き16位となってしまったSP。原因の一端は小塚氏が言及されているリンク問題だと思っているけどね(*`д´) さいたまスーパーアリーナで開催された世界選手権で当時の世界最高得点で見事なリベンジ! これはホントに素晴らしい演技。ホントはGPFも完璧だったんだけどね~ しかし、ホントにふわふわスケーティング。全てのエレメンツが流れの中で行われているので、演技が途切れることがない。なにより真央ちゃん自身がとても楽しんでいるので、見ていて本当に気持ちがイイ。ラストのビールマンスピンでの笑顔を見て、本当に本当によかったねと毎回思う。
2014 W Mao Asada SP B.ESP
1位:ソチオリンピック FS(ピアノ協奏曲第2番)
ホントにベタで申し訳ないけれど、これはもう伝説の演技だと思う。当日テレビで生で観戦した。3A着氷で叫び、3F-3Lo着氷で拍手、3Lzでガッツポーズ、2A-3Tでよろこび、心配だった3Sで安堵し、3F-2Lo-2Loで涙を流し、3Lo着氷で涙腺崩壊。ステップでは嗚咽。最後の超絶スパイラルからのポーズで号泣。本当にスポーツを見ていてこんなに感動したことない。この演技をリアルタイムで見ることができて本当に幸せ。
Great performance by Mao Asada (Sochi Olympic Games 2014 free program)
フィギュアスケートは好きで以前から見ていたけど、テレビでやっているから見るというスタンスだった。そんな中、浅田真央選手の登場は衝撃だった。当時はジャンプの見分けすらつかなかったけど、表現力もあり優雅でスゴイ選手であることは分かった。加えて美しい容姿。やっと日本から全てを兼ね備えた選手が現れたと思った。バンクーバーオリンピック前から採点やマスコミの報道に疑問を持ち、オリンピック後いろいろ調べて闇を見た。ソチオリンピックまで自分なりに出来ることはやったつもり。この12年間汚い世界も見た。でも、真央ちゃんはいつも美しく気高かった。とてつもなくスゴイ選手なのに、いつでも親しみやすい雰囲気があった。本当に稀有な存在だと思う。汚い世界を浄化してしまう美しさ。こんな選手もう現れないと思う。
たぶんもう自分は競技としてのフィギュアスケートを今までのような気持ちで見ることはないと思う。見たい選手だけ見ればいいという感じ。事実、浅田真央のいない今シーズン後半はそんな感じだった。自分にとって浅田真央選手はフィギュアスケートそのものだった。唯一無二の存在。
真央ちゃんのこれからの人生が輝かしいものになりますように! 真央ちゃんならきっと幸せな人生を歩めるはず! 誰よりも幸せになって欲しい。
お疲れさまでした! そしてありがとう!!