'05.03.10 「エミール・ガレ展」鑑賞@江戸東京博物館
今週は芸術週間。ガレ大好き。今回はガラス作品以外にも陶器や家具も展示されている。陶器を見るのは初めてだけどそんなに惹かれなかった。家具も初めて。植物をモチーフに寄木細工で装飾されていて全体の形も曲線を多用したデザイン。まさにアール・ヌーヴォーですごく好き。
やっぱりガラスは素晴らしい。形、デザイン、装飾、色すべて大胆かつ繊細。ガレは植物学者でもあるので、植物や昆虫などのモチーフは細部まできちんと表現されている。これがガラスであるということがすごい。北斎の鯉をそのまま再現したものもあった。日本の絵画にかなり影響を受けたらしい。
彼に影響を与えたのが高島北海。北海を通して墨絵を知り黒のガラスシリーズを作った。墨絵の濃淡のつけ方などをグラデーションとして表現している。同じ黒でも微妙な色の違い。部屋に飾るのに黒は重い気もするけど作品としては素晴らしい。北海の猫絵と花の絵が展示してあった。これが素晴らしい。アール・ヌーヴォーや印象派の作品には日本の影響を受けたものが多い。
個人的に日本画は大好き。特に川合玉堂や鏑木清方の繊細で清々しい絵に惹かれる。北海の絵もそんな感じ。浮世絵の構図の大胆さも見事。根底に日本の影響があるからこそ惹かれるのだと再確認。
ガレは精力的な人だったらしく。有名なドレフュス事件の判決を不服として抗議の意味をこめた花器を作っただけではなく擁護する活動もしたらしい。第一次世界大戦後ドイツにフランスの一部が占領されると、その地方を象徴する花をモチーフにした花器を作った。
芸術家はガレに限らず何かしらの感情を作品に込めるのだとは思う。たとえ無意識でも。そういう謎解きが分かって見ると感慨深い。もちろんそういう作品は意味がわからなくても心を打つのだと思うけど。大好きな番組「美の巨人たち」で紹介されていた「手」の力強さに感動。
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