Franklinでバーガーを食べた後『モンスター』を見に行った。
2002年死刑執行された実在した全米初の女性連続殺人犯の話。 実際のアイリーン・ウォーノスの人生は映画より過酷だったようだけど、かなり悲惨な人生。 幼児期の性的虐待、父親の暴力と自殺、生きるために13歳で娼婦に・・・。 そういう部分は映画では導入部に示唆する映像と、アイリーンのセリフで見せるだけ。 映画で描かれるのはいかにしてアイリーンが連続殺人犯になったかということ。 生い立ちや彼女の置かれている状況が最悪だとしても、殺人を正当化することはできないし、やっぱり共感はできない。 でも、結局自分のことしか考えていないレズビアンの恋人セルビーの愛情が欲しくて犯行を重ねていく姿や、彼女に対して男性のように振舞う(振舞いたい)ばかりに虚勢をはり、揉め事を起こすアイリーンの姿はやっぱり哀しくせつない。 どうしてこんなことになってしまうのか・・・。 もちろんアイリーンのような生い立ちでも真面目に生きている人も沢山いるわけなのだし・・・。 恋人セルビーも非難されるべきだという批評をよく見かけた。 たしかにセルビーは誉められた人間ではない。 そして悲しいけど世の中こういう人は結構多い。 自分は誠実でありたいと思うけど・・・。 ただ既に成人し過酷な人生を歩むアイリーンと、まだ少女といえるセルビーでは「愛」の重さも意味も違うだろうしなぁ・・・。
かなり心が痛い映画だった。 主演のシャーリーズ・セロンも幼少期につらい体験があったんだそう。 美人女優が体重を増やしたり特殊メイクで醜くなって演技すると「体当たりの演技」と評価される傾向にあるけど、このシャーリーズは見事だったと思う。 セルピーのクリスティーナ・リッチが良かった。 裁判が終わって死刑が確定した後、まだ虚勢を張るアイリーンが哀しい・・・
劇中、アイリーンが最も幸せだった時にかかるjourneyの♪Don't Stop Believin'♪がエンドロールにもかかるのでやりきれなさ倍増・・・。 うまい演出だとは思うけど・・・。
刑務所から電話でセルビーと話すところから、裁判でセルビーに指差されるシーン、死刑が確定しても強がるアイリーンの姿。
涙が止まらなかったよ。