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【cinema】『ほんとうのピノッキオ』

2021-11-24 01:46:16 | cinema

2021.11.05 『ほんとうのピノッキオ』鑑賞@TOHOシネマズ錦糸町オリナス

 

約1年4か月ぶりに映画館に行って来た! 予告編とメイキング映像見て是非見たいと思い、映画館鑑賞再開第一弾に決定 楽しみに行って来たー

 

ネタバレありです! 結末にも触れています!

 

「貧しい大工のジェペット老人は、村に来た人形劇の人形たちを見て感動。自分も少年の姿の人形を製作する。すると、その人形が動き出す。ピノッキオと名付けた人形は、好奇心旺盛で人形劇の一団に連れ去られてしまう。そしてピノッキオの冒険が始まる」というのは物語の導入部。どうやら原作に忠実ということだけれど、これはかなりダークなファンタジー。クリーチャーなどのデザインがかなりリアルというか、個性的なので子供はちょっと怖いかもしれない、でも、ダークファンタジー好きとしてはかなり満足な作品だった。

 

マッテオ・ガローネ監督作品。『ドッグマン』(感想はコチラ)の監督なのね😲 鑑賞したのは今作と併せて2本のみ。重いテーマを描きながらも、どこかユーモアが感じられるのが特徴的で、好きなタイプの作風。

 

作品について毎度のWikipediaから引用!『ほんとうのピノッキオ』(Pinocchio)は、2019年イタリアファンタジー映画カルロ・コッローディの『ピノッキオの冒険』を原作とした作品で、監督・脚本・製作はマッテオ・ガローネが務めた。主要キャストとしてフェデリコ・エラピイタリア語版ロベルト・ベニーニジジ・プロイエッティロッコ・パパレオマッシモ・チェッケリーニイタリア語版マリーヌ・ヴァクトが出演している。

 

2019年12月19日に01ディストリビューション配給で公開され、イタリア国内で興行収入1500万ユーロを記録してクリスマスウィークの興行成績首位となり、さらに歴代ガローネ監督作品の興行成績を塗り替え、2019年-2020年にかけてのイタリア興行成績第6位となった。英語吹替版は2020年8月14日にヴァーティゴ・フィルムズ英語版配給でイギリスアイルランドで公開、同年12月25日にロードサイド・アトラクションズ配給でアメリカ合衆国カナダで公開された

 

『ほんとうのピノッキオ』は批評家から高く評価された。ダヴィッド・ディ・ドナテッロ賞では15部門ノミネートされ、このうち5部門を受賞した。また、ナストロ・ダルジェント賞では9部門にノミネートされ、このうち6部門と特別賞を受賞し、第93回アカデミー賞では2部門にノミネートされている

 

『ほんとうのピノッキオ』はマッテオ・ガローネにとって念願の企画であり、彼は6歳の時に最初のストーリーボードを描いている。歴代のガローネ監督作品が大人向けの内容だったのに対し、『ほんとうのピノッキオ』は大人と子供の双方を対象として製作された。同作に登場するキャラクターの大半はCGIではなく、補綴メイク英語版を施したキャストが演じている

 

2016年10月24日、トニ・セルヴィッロがジェペット役に起用されたことが発表された。2年後の2018年10月にロベルト・ベニーニがゼペット役に起用されたことが発表され、彼は起用に際して「素晴らしいキャラクター、素晴らしいストーリー、素晴らしい監督。マッテオ・ガローネ監督の下でジェペット役を演じることは幸せの一つの形です」とコメントしているマーク・クーリエはキャラクターデザイン、補綴、特殊メイクを手掛けている。2019年3月18日から撮影が始まりトスカーナ州ラツィオ州プッリャ州で11週間かけて撮影された。

 

2019年3月29日に最初のプロモーション・イメージが公開され、7月3日に予告編が公開された。12月19日にイタリアで公開された。イタリアでは公開週末に290万ドルの興行収入を記録し、『スター・ウォーズ/スカイウォーカーの夜明け』に次ぐ興行成績第2位となった。その後、公開第2週末に190万ドル(第3位)、公開第3週末に53万806ドル(第6位)を記録している。最終的な国内興行収入は1500万ユーロ(1710万ドル)を記録し、『ゴモラ』の記録(1020万ユーロ)を抜いてガローネ監督作品の中で最大の興行収入を記録した。また、2019年-2020年にかけてのイタリア興行成績は『Tolo Tolo』『ライオン・キング』『ジョーカー』『アナと雪の女王2』『Il primo Natale』に次ぐ第6位となった

 

Rotten Tomatoesでは58件の批評が寄せられ支持率83%、平均評価7/10となっており、「カルロ・コッローディの原作を忠実に再現したマッテオ・ガローネの『ほんとうのピノッキオ』は、あらゆる要素を駆使して映像美を追求し、物語がまさに時代を超えたものであることを証明している」と批評している

 

第93回アカデミー賞の衣装デザイン賞にマッシモ・カンティーニ・パリーニが、メイクアップ&ヘアスタイリング賞にダリア・コッリ、マーク・クーリエ、フランチェスコ・ペゴレッティがそれぞれノミネートされている。

 

とのことで、ほぼほぼコピペいたしました😌

 

さて、今作は原作に忠実ということだけれど、自身はディスニーの映画を見たとは思うし、絵本を読んだこともあると思うのだけど?🤔 というような状態で、見ているうちにそうだった!と思い出す感じ。各場面のイメージは違っていたものの、ピノッキオに起きたことは、ほぼ自分が知っていたものだった。その"違い"が原作に忠実ということなのかもしれない。

 

ツラツラ書いているのは、実はあまり原作を覚えていないので、これが映像含め忠実なのだと言われても、自分にはそれが正しいかは分からないということ。言い訳です😅

 

冒頭、大工のジェペット(ロベルト・ベニーニ)が生活に困窮している描写がかなり続く。お金がないので食堂へ行き、椅子を直そう、テーブルを直そうと修理の仕事を得ようとするけれど、ことごとく店主に断られ、結局彼のおごりで食事にありつく始末。これはなかなか辛い😢

 

村全体が貧しい印象だけど、食べ物を恵んでもらわなければない状況はプライドが傷つく。この時、食事を食べ始めるロベルト・ベニーニの表情が良かった。恥ずかしさ、自尊心、そして食べ物を得られた喜び。

 

ところで字幕ではジェペットとなっているけど、ゼペットじいさんではないのね? ピノキオもピノッキオだしイタリア語だとこれが正解ということなのかな?

 

食堂からの帰り道、村に旅回りの人形劇団が来ており、若い男性が呼び込みをしていた。チケットを買うお金のないジェペットは追い払われてしまうけれど、隙を見て荷台に積まれた人形たちを覗き見る。その美しさに心奪われたジェペットは自分も人形を作りたいと考える。

 

ゼペットじいさんがピノキオを作ったことは、原作を読んだことがなくても知っている人は多いと思うけど、まさかこんな理由だったとわ! 😲

 

ジェペットは大工の親方の工房へ行き、木材を譲って欲しいと言う。ジェペットが来る直前、ある木材が動き出し、驚いていたところだった親方は、厄介払いとばかりその木材をジェペットに譲る。

 

なるほど、ピノキオが動き出したのは、そもそも木材に秘密があったのね! とはいえ、結局この木が何故動くというか"命"を宿していたのかの説明は一切なかったのだけども😅

 

ジェペットは家に帰り人形を彫り始める。頭部が出来ると鼓動が聴こえ始める。気のせいかと作り続けると頭部が動き出す。驚くジェペットに早く作るように催促。徹夜で全身を仕上げ、ベッドカバーで洋服と帽子を作る。すると人形はジェペットをパパと呼ぶ。ジェペットは人形にピノッキオ(フェデリコ・エラピ)と名付け、嬉しさのあまり部屋を飛び出し「息子ができたー!」と叫び、近所の人を起こしてしまう。

 

すでに老人となっているジェペットがどんな人生を送って来たのかは描かれないので分からない。でも、未婚のままだったような気もする。老人となって初めて出来た家族が人形のピノッキオなんだろうと思うと、この喜びは切ない😢 そして、夜中に起こされたのに、ジェペットを優しく諭すにとどめる近所の人々も優しい😭

 

この辺りのこと絵本やアニメ映画では悲壮感漂よわないけど、実写だとやっぱりそこはかとなく何かしらの疾患があるのではないかと思ってしまう。だから食堂の店主もご近所さんも見守る感じなのかなと。考え過ぎか?😅

 

ロベルト・ベニーニは芝居が大きいというか、やり過ぎに感じることが多くてちょっと苦手なのだけど、今回はそのやり過ぎ感が逆に哀しさを感じさせていたと思う。

 

翌日、ピノッキオが暖炉で足を燃やしてしまったり、ピノッキオを学校に通わせるため教科書を買いに行くもお金がなく、上着を売って手に入れるエピソードなどがあるけど割愛。足を燃やしてしまうエピソードはともかく、教科書の下りはちょっと長くてクドかったかも。この辺りはベニーニのクドさが出た感じ。彼の見せ場ではあると思うけれど。

 

さて、無事?教科書を買ってもらったピノッキオは、ジェペットじいさんに連れられて学校へ向かう。ところが、近くに例の人形劇のテントがあり、ピノッキオはそれが気になって仕方がない。結局、ジェペットじいさんが帰った後、学校を抜け出し人形劇を見に行ってしまう。入場料がないので教科書を売ってしまうのは原作にもあるエピソードなのかな?🤔

 

人形劇の人形たちは実はピノッキオ同様"生きて"いる。なので人間が操るのではなく、人形自身が劇を演じている。これも原作どおりなのかな? ピノッキオが"生まれた"のは、親方の例の木を使ったからで、それこそが彼が"特別"な理由なのだと思っていたのだけど、村の人だけでなくピノッキオが出会う人々も、彼を人形だと認識しつつ、彼が動いて言葉を発することに違和感はないらしく、そういうものとして受け入れている。他の異形の者に対してもそうなので、そういう世界なのでしょう。

 

ひょんなことからピノッキオは人形たちに見つかり舞台上に上げられてしまい、そのまま人形劇の親方(ジジ・プロイエッティ)に連れ去られてしまう。そんなエピソードあった気がする!

 

人形たちはピノッキオに優しくしてくれるけれど、囚われの身である彼らの表情は暗い。親方は恐ろし気な人物だけど、状にほだされやすい面もある。この辺りちょっとコミカルではあるものの、なかなかダークでいい感じ。

 

ピノッキオが薪にされそうになったり、人形の一人が薪にされそうになったり、いろいろあったけれど、結局この親方はピノッキオを解放し、金貨5枚も持たせてくれる。いい人!😳

 

とはいえ、全く知らない土地で一人置いて行かれてしまったピノッキオ。当てもなく歩いていると、ネコ(ロッコ・パパレオ)とキツネ(マッシモ・チェッケリーニ)に会う。このネコとキツネはちょっと髭が生えたりしているものの、ほぼ人間のおじさんの姿。たしかネコが足に障害があり、キツネが目に障害があったと思う。逆だったかも?🤔 いずれにしても見ている側にはどう考えても良い人物ではないのは分かるのだけど、ピノッキオには分からない。

 

ピノッキオがお金を持っていることを知ったネコとキツネは、ピノッキオに金貨がなる木があるから夜になったら連れて行くと言い、まずは宿屋でまずそうな食事をたらふく食べ、ピノッキオが寝ている間に宿屋を抜け出し、彼に食事代と宿代を払わせ、さらにピノッキオを待ち伏せして木に吊るしてしまう。ヒドイ💦

 

こんな絶体絶命どうやって助かるんだろうと思っていると、ピノッキオが気を失った頃、ライオンの顔をした御者が馬車でやって来て助けてくれる。この方結局一言も話さず。しかし、この造形の美しさ! ジャン・コクトーの『美女と野獣』の野獣を思わせる。

 

目覚めるとピノッキオは少女の妖精(アリーダ・バリダリ・カラブリア)の家にいた。美しい家ではあるけれど、妖精が暮らす家にしてはこじんまりした印象。緑の髪、白い肌の美少女が、背中に大きなカタツムリの殻をつけ、額に触角のある老女(マリア・ピア・ティモ)と暮らしている。どうやらカタツムリが家政婦というか、料理など身の回りのこともしているらしい。

 

もうこのカタツムリが見たくて見に行ったので、登場時からニヤニヤが止まらない😀 彼女はドレスの裾を引きずっているのだけど、その部分がいわゆるカタツムリの尻尾?部分になっていて、そこがネバネバしているのもおもしろく、とにかく最高のデザイン✨ このキャラ原作にも登場するのかな?

 

妖精が登場してピノキオが嘘をつくと鼻が伸びるエピソードは有名過ぎるので、覚えているというか知っているけれど、妖精って少女だったっけ?🤔 ピノッキオの嘘をたしなめるというよりは、何故鼻が伸びるのか説明するかのような会話の中で、ピノッキオの鼻が伸びて行き、最終的には小鳥たちが鼻をつついて削り、もとの鼻に戻るというエピソードになっていた。これも原作どおりなのかな?

 

ピノッキオは数日妖精の家に滞在するけれど、しばらくするとライオンの顔の御者の馬車で妖精たちに送られて別れる。

 

するとまたネコとキツネに会ってしまう。見ている側には木に吊るしたのはこの2人であることが分かっているけど、ピノッキオは気づいていない。今度こそお金を増やす方法を教えるというネコとキツネ。ピノッキオは乗り気ではないけど、結局押し切られて金貨を土に埋め、言われるままに水を汲みに行く。戻って来るとネコとキツネはおらず、もちろん埋めた金貨もなくなっている。まぁそうだよね😅

 

ピノッキオはチンパンジー裁判官(テコ・セリオ)の裁判所に行き、ネコとキツネにお金を盗られたことを訴えるけれど、この国では無罪であることが有罪だと言われ、やってもいない罪を告白して無罪となる。このエピソードはなんなんだろう😅 正しいことが認められない世の中を風刺しているのかな?

 

やっとの思いで村に戻ったピノッキオ。しかし、ジェペットじいさんはピノッキオを探しに海へ向かったとのこと。必死で泳いで探すピノッキオだけれど、ついに力尽きてしまう。海岸に打ち上げられた彼を抱き上げた人物が・・・

 

目覚めたピノッキオを優しく見つめるのは大人の姿の妖精(マリーナ・ヴァクト(声:ドミティッラ・ダミーコ))なんて美しい😍 もちろんカタツムリもいる!

 

大人になった妖精に、ピノッキオが自分も大人になりたいと言うと、妖精は良い子になれば人間にしてあげると言う。ならば良い子にならなければと学校に通い始める。

 

学校にはいろんな生徒がいるけれど、サボってばかりで成績が悪く、先生に木の鞭で打たれてばかりいるルチーニョロ(アレッシオ・ディ・ドメニカントニオ)のことがやけに気になってしまう。彼と遊んでいて遅くなり、妖精に家から閉め出されてしまう。なんとかもう一度チャンスをもらったピノッキオは、その後真面目に勉強してクラスで一番になり、いよいよ明日人間にしてもらえることになる。

 

一方、ルチーニョロの家は貧しく、彼は家の手伝いをしているようで、それが嫌で逃げ出したいと思っている。今夜、迎えの馬車が来るからそれに乗ってオモチャの国へ行くというのだった。ピノッキオや彼を見送りに行き、一度は断るものの、皆に誘われて馬車に乗って。あー😣

 

ピノッキオはいつも本能的にそれが良くないことであることは分かるようで、たいてい一度は断るのだけど、毎回流されて悪い方向へ行ってしまう。これは人は誘惑に弱いものだということを表しているのかな?

 

オモチャの国には大勢の子どもがいて、ルチーニョロもピノッキオも楽しく遊ぶ。しかし、翌朝2人は自分の耳がロバの耳になっていることに気づく。そして、声が奪われ、手足も変化し、ロバの姿になってしまう。そうだった! そうだった!!ロバになっちゃってたわ!!

 

ロバになったピノッキオとルチーニョロは売りに出されてしまう。ピノッキオはサーカスに売られ、火の輪くぐりなどの芸をさせられる。その姿を悲し気に見つめる妖精。そしてピノッキオは転倒して足をケガしてしまう。なんと!😫💦そこは全く覚えてなかった。

 

ケガをしたロバは使い物にならないと、足に重しを括り付けられたピノッキオは海に落とされてしまう。ヒドイ💦 必死にもがくピノッキオがついに力尽きた時、体が光る魚に包まれて元の姿に戻る。これは妖精が助けてくれたのかな? ピノキオであるということもそうなのだけど、もうロバが酷い目にあっているのが悲しくて辛い😭

 

しかし一難去ってまた一難とばかり、巨大な魚に飲み込まれてしまう。魚の腹の中にはもう長いこと閉じ込められているというマグロ(マウリッツォ・ロンバルディ)がいて、ピノッキオに愚痴をこぼしながら状況を説明してくれる。この辺りもなかなかダーク。

 

巨大魚の腹の奥が気になったピノッキオがさらに進むとなんとそこにジェペットじいさんが! じいさんも飲まれていたのだった😲 そうだった! そうだった! ジェペットじいさんは大工の腕を生かし、腹の中をそれなりに快適な空間に変えており、自分は年寄りだし、ピノッキオさえいればいいからここで暮らそうと言う。

 

ピノッキオは諦めてはダメだとジェペットじいさんを励まし、巨大魚が口を開けている今こそ脱出のチャンスだと言い、じいさんとマグロと共に脱出する! おー✨

 

なんとか海岸に辿り着いたジェペットじいさんとピノッキオは、廃屋を見つけてそこで休むことにする。衰弱したジェペットじいさんのために農夫から牛乳を分けてもらうため、ピノッキオは農婦の手伝いをする。翌日から毎日農夫の仕事を手伝い、給料をもらうようになる。無骨な農夫もピノッキオの働きぶりに感心する。

 

ジェペットじいさんと暮らす廃屋も少しずつ住みやすい空間になり、ピノッキオは働きながら勉強もする。

 

そんなある日、ピノッキオの前にネコとキツネが現れる。さらに身なりがボロボロになっているので、彼らなりに苦労はしている様子。またしてもピノッキオを騙そうとするけれど、ピノッキオはもう騙されない。

 

この辺りのことはピノッキオが賢い良い子になったという描写だけれど、単純にネコとキツネに騙された経験からきているだけでなく、お金というのは本来、労働の対価として得るものであり、それを正しく自分や愛する人のために使うべきであるということを学んだということなのかなと思う。

 

そして、賢く良い子になったピノッキオの前に妖精が現れ、ピノッキオを人間の子どもに変える。ピノッキオはジェペットじいさんの元へ急ぎ、2人は抱き合って喜ぶ。映画はここで終わる。

 

多様性を唱える現代では、型にはまった良い子を押し付けるのはどうか?とか、そもそも人形のままでいることも個性ではないのか?などと言われてしまいそうではあるものの、個人的にはやはり大人になるうえで、純粋無垢であることはもちろん悪いことではないが、無知のままでいると、選択を誤り失敗することがあるということを伝えたいのかなと思った。

 

そして重複するけれど、お金というのは労働の対価として正しく得るべきで、そして正しく払われるべであるということを言いたいのかなと思う。冒頭のジェペットのアレコレも、彼が施しを受けるのではなく、対価としてお金を得ようとしていたわけで、それがジェペットの正しさでありプライドだった。原作者の意図はどうだったのかは分からないけれど、映画を見た感想としてはそう思った。

 

結局、ロバになったルチーニョロがどうなったのか不明で、よく考えると放りっぱなしのエピソードもあるし、やっぱりとてもダーク。でも、それらをウットリするくらい妖しく美しい映像で見せるのとても好き。

 

この映像は基本的にCGなしで撮影されたそうで、ピノッキオの木の顔も特殊メイク。鼻が伸びるくだりも少しずつ伸ばして撮影したのだそう。フェデリコ・エラピくん頑張ったね!

 

役者たちは皆良かったと思う。ネコとキツネの2人もどこか憎めなくて良かったし、妖精は少女も大人もウットリする美しさ。生徒に体罰を与える教師の狂気を感じる不気味さも良かった。ピノッキオのフェデリコ・エラピくんの無垢、無邪気、無知がゆえの愚かさ、そして経験を経て大人になって行く過程を真っ直ぐな心で演じていたと思う。彼のピュアさがピノッキオにリンクしていて、生意気にもバカな子にもなっていなかった。

 

唯一名前を知っていたロベルト・ベニーニ。前述したとおり大きすぎる芝居が苦手。でも今回はそれがこの人形やネコの容貌の人間が共存する不思議な世界を描くうえでプラスになっていたと思う。

 

とにかく映像が怪しく美しい。苦手な人もいるかもだけど、個人的には大好き😍 重いテーマが盛り込まれているけど、ピノッキオと冒険しながら一緒に体験している気持ちになって、改めていろいろ考えさせられた。

 

カタツムリを見るだけでもオススメしたい! ダークファンタジー好きな方必見! 大画面で是非!!

 

『ほんとうのピノッキオ』公式サイト


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