2021.5.14『5月の花嫁学校』cocoオンライン試写
久々当選! 直近で当選した作品も韓国映画が邦画が多かったので、久々の洋画。題材が面白そうと思い応募。楽しみに見てみた。
ネタバレありです! 結末にも触れています!
「1967年、フランスのアルザス地方。夫と義妹そして老修道女と花嫁学校を経営するポーレット。経営は楽ではないものの忙しく働いていた。しかし、夫の急死で事態が一変し・・・」という感じかなぁ🤔 あまりいいあらすじではないかも。タイトルには実は重要な意味が含まれているのだけど、日本人にはあまりピンとこない。そして意外にもドタバタコメディで思っていたのとは違ってた。内容的にはLGBTや性差別などを盛り込んだ現代的な感じで、最終的にそこを描きたいのだろうなという所に行きつくわけなのだけど、そこまでのドタバタが個人的には合わず😢 そしてラストのアレにビックリ!
マルタン・プロヴォ監督作品。監督作品としては『ルージュの手紙』を見ていて、良かった記憶がある。作品のWikipediaは見当たらない💦 なので、公式サイトの監督コメントから映画についてザックリと抜粋。監督の母親は家事と子育てを一人で行った、父親は一家の稼ぎ手であるというだけで、一切手伝わないばかりか、用意が出来たと呼ばれてから食卓につき、誰よりも先に食事が出されることを当然だと思っていた。母親はそういう父に怒っていた。一方で、夏休みになると、子どもたちの世話をするために若い女性たちが雇われた。この女性たちはたいてい農村出身だった。1960年代のフランスの農村は発展しておらず、娘たちは花嫁学校を出て裕福な家庭に嫁ぐか、家政婦になることが多かった。しかし1968年5月以降、花嫁学校が一切なくなった。女性たちは社会に出て、男性たちも家事を担うようになった。ところが最近、女性たちを再び家庭に戻そうという動きがあるのだそう。監督としては、新しい領域とまではいかなくても、女性の側から違った領域に足を踏み入れたいと考えたのだそう。なるほど、そういう思いがあったのね🤔
見てから2ヶ月以上経ってしまったし、個々のエピソード自体はホントに日常的なものだったりするので、そんなによく覚えていない💦 細かく描写せずにザックリと書くことにする。順番が前後する場合もあるかも? 毎度どうでもいいと思うけれど、断り書きとして書いておく😌
1967年、アルザス地方にあるヴァン・デル・ベック家政学校の校長であるポーレット(ジュリエット・ビノシュ)は、新入生を迎える準備に追われていた。経営者である年の離れた夫ローベル(フランソワ・ベルレアン)のことは、それなりに愛しているし頼りにもしているようではある。疲れたと言っているのにしつこく求められると、うんざりしながらも妻の務めと受け入れる感じは伏線でもあるのだろうけれど、後に発覚する夫の借金含め、彼のダメ男ぶりというか、夫の無自覚の横暴ぶりを表しているのかなと思う。
ヴァン・デル・ベック家政学校は、校長のポーレットと、義妹のジルベルト(ヨランド・モロー)、そして寮母でもある修道女のマリー=テレーズ(ノエミ・リヴォウスキー)の3人がそれぞれ花嫁修業を教える。生徒のほとんどが貧しい家庭の少女たち。この時代であってもフランスの地方の貧しい家庭の少女たちの将来は、誰かの妻になって誰かの母になることで、そのための学校が存在していたとのこと。なるほど🤔
実際既に結婚相手が決まっている少女たちもいる。教えている内容が正しい紅茶の飲み方などで、背筋を伸ばして美しい所作でとても素敵ではあるのだけど、これは玉の輿に乗ることが狙いということかしら? じゃなきゃちょっとズレているような気も😅 そのせいなのか年々入学者の数も減っているらしい。
思春期の少女たちが20人も集まれば、それなりにドタバタする。初日の寮では枕投げ状態の大騒ぎで、マリー=テレーズを困惑させる。そんな中、少女A(役名を失念💦 公式サイトにもないので分からない💦💦)は少女B(同じく)が気になっている様子で、おそらくそれは彼女に恋しているのだろうと思われる。先に書いてしまうとBはAの思いを知り、最初は拒絶して婚約してしまうけれど、次第にAに惹かれていき、最終的には2人でパリで暮らす約束をする。
そんな中、授業中にポーレットが窓の外を見ると、庭でロベールが胸を押さえて倒れてしまう。教室中がパニックになるが、次のシーンではロベールはすでに亡くなっている。夫というだけでなく、経営者を失って途方に暮れる。
しかし、ロベールが全財産をギャンブルにつぎ込み、多額の借金があることが発覚! 銀行に相談に行くと、担当者はなんと昔の恋人アンドレ(エドゥアール・ベール)だった。アンドレはポーレットとの再会を喜び、彼女が経営者となり立て直しを図ることを条件に融資を申し出る。うーん😅
ポーレットとしては同行したジルベルトの手前、他人を装っているけれど、アンドレはどんどん燃え上がり、ジルベルトが自分に一目ぼれしたことなど気づきもしない。この辺り多分笑わせるところ😅 ポーレットより年上で外見もかまわない感じのジルベルトがときめく感じも含め、中年の彼らがドタバタと恋愛ドラマを繰り広げるのをクスクス笑う感じ。役者たちもコミカルに演じているし、バカにしているわけではない。
その後もアンドレはポーレットに猛烈アタック! ロベールを亡くしたばかりだからと拒否していたポーレットもついにはその気になる。結構2人の恋のドタバタシーンが続く。アンドレはポーレットの部屋のベランダをよじ登る始末。しかし、雨どい的なモノが外れてしまい、危うく落ちそうになってしまう。この期に及んでアンドレの愛情を確かめるポーレットに、必死でつかまりながら料理のレシピをそらんじる。これは要するに家事は女性だけのものでなはいという描写なのかなと思うけれど、どうにもドタバタ過ぎる😵
さらに学校がテレビで紹介されることになり、やはりドタバタして女性レポーターを呆れさせるシーンなどがあるけれど割愛😌
えーと💦 ちょっと記憶があやふやどころじゃなく覚えていないのだけど、たしか意に沿わない結婚をすることになった女子生徒が家出しちゃったんだっけ? 何かがあって全員で逃げなきゃならくなったような??🤔 とにかく全員で歩いていると、平等を唱えるデモ行進に遭遇する。するとポーレットの中でずっと抑えていたものが爆発! 行進に加わって歩き出す。生徒たちもこれに続き、そのうち歌い踊り始める。まるで『ラ・ラ・ランド』(感想はコチラ)のオープニングを思わせる状態となり映画は終わる。
どうやらこの運動は五月革命もしくは五月危機(Wikipedia)と呼ばれるもので、フランスではタイトルだけで何を描こうとしているのか分かるらしい。まぁ、その辺りを知らなくてもポーレットたちが目覚めるのだろうことは想像がつく。学校の授業が今見たらあまりに時代錯誤なので。ただ、まさかのミュージカルになるとは思わなかったけど😅
正直、ドタバタが苦手で重いテーマを含んでいることは承知しつつも、これは合わなかったなーと思っていたけど、この『ラ・ラ・ランド』的なシーンでどうでもよくなった😅 終わりよければすべてよし的な。よく考えると何も解決していない気もするけど、でもきっと彼女たちは逞しく生きて行くのだろうという希望に満ちたラスト。かなり力技な気もするけれど😅
キャストは久々に見たジュリエット・ビノシュに勝手にいろいろ感慨深かった以外は特にないかな🤔 生徒たちの中でA役の子が良かったと思うのだけど、前述どおり公式サイトにも紹介がないので何も分からない。義妹のヨランド・モローのおとぼけぶりも良かった。
個人的にはちょっと合わない部分もあったけれど、なんとなく日本より進んでいるだろうと思い込んでいた欧米での男女平等。ほんの数十年前のフランスでもこんな感じだったのかという部分や、サラリとLGBTを入れ込んで来たり、ポーレットとアンドレの新たなカップルの在り方、そしてラストの目覚めなどをコミカルに描いていて重くなり過ぎずに見れる。
ポーレットの衣装の変化も興味深い。ピンク色のタイトスカートのスーツから、ゆったりしたパンツスタイルへ。ポーレットの心の変化を魅せるのも良かった。
ちょっと疲れた時など、重くないけどしっかりテーマがある作品を見たい時にオススメかも?
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