'14.07.25 『サンシャイン 歌声が響く街』オンライン試写会@青山シアター
青山シアターのオンライン試写に当選 いつもありがとうございます! 7月25日12:00~26日12:00の間であれば、何回でも視聴できて、一時停止や巻戻し、しないと思うけど早送りも可能! ネット接続していればテレビでも見れると思うけど、全くやり方分からないのでPCの小さな画面で視聴(o´ェ`o)ゞ 楽しみに見てみたー
ネタバレありです! 結末にも触れています!
「ロブとジーンは結婚25周年を迎える仲良し夫婦。アフガニスタンでの兵役を終えた長男デイヴィーは、妹リズの恋人アリーと共に無事に帰還、リズの紹介でイヴォンヌという彼女も出来きて、一家そろって幸せな時を過ごしていた。でも、それぞれ悩みを抱えていて・・・」という感じの話で、これはミュージカル作品。ちょっと人間ドラマ部分の描き込みが足りない気もするけれど、普通の人の普通の悩みを軽快なタッチで描いていて良かったと思う。ミュージカル映画にありがちな不自然さもなかったし、楽しく見れる作品だと思う(・∀・)ウン!!
ミュージカル作品であること以外の予備知識なしで見た。宣伝文句として"スコットランドの「マンマ・ミーア」"とあるとおり、スコットランドの田舎町リースを舞台にした家族をミュージカル。「マンマ・ミーア」というのはABBAの曲を使ったミュージカル作品で、1999年4月6日にロンドン初演。2001年10月18日にBroadwayでオープンし、現在もロングラン中。2008年にはメリル・ストリープ主演で映画化もされた大ヒットミュージカル。自身はBWで観劇して感激(笑) この作品の成功により、以後バンドや歌手の楽曲を使用した、いわゆるジュークボックス・ミュージカルがたくさん作られた。大ヒットした作品もあったし、中には失敗作もあったけれど、こうして映画化もされたのだから今作は成功例なのでしょう。実は、元が舞台作品だったことを全く知らなかったので、現在はやや下火になってきたと思われるジュークボックス・ミュージカルを、何故今さら作るのだろうと思っていたけど、なるほど時期的には全盛期の頃に作られた作品なのねと納得。
全編The Proclaimers(ザ・プロクレイマーズ)の曲を使用。The Proclaimersについては全く知らなったのだけど、スコットランド出身の双子の兄弟デュオだそうで、今作でもラストに使用されている「I'm Gonna Be(500 Miles)」が、ジョニー・デップ主演の『妹の恋人』の主題歌に使われたことで有名になったのだそう。脚本家のスティーブン・グリーンホーンが2005年にスコットランドを舞台にしたミュージカル作品を作りたいと考えていた際に、The Proclaimers「This is the Story」を聴き、彼らの曲を使うことに決定。作品を作る上で、いくつかの曲はアレンジをしたそうで、「Hate My Love」は本来激しい曲だけれど、ペースを落として悲しむジェーンを表現したり、「Misty Blue」はスコットランド人であることの意義を歌っているけれど、ラブソングとして使用するなど、曲とストーリーは必ずしも一致していないとのこと。2007年スコットランドで初演、ガーディアン紙に「ブラッド・ブラザーズ」以来の最高の英国ミュージカルだと絶賛されたのだそう( ゚д゚)ホゥ
映画化にあたり、同じくスコットランドを舞台とした『トレインスポッティング』のスタッフが集結! 監督は俳優としても活躍するデクスター・フレッチャー。『ロック・ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』に出演していたようだけれど、覚えていない・・・ 最初に見た映画が『雨に唄えば』で、俳優デビューしたのが『ダウンタウン物語』だったという監督にとって、ミュージカル作品を撮ることは自然なことだったのだそう。撮影はエディンバラ、リース、グラスゴーで行われ、俳優もスコットランド出身が多い。ジーン役のジェーン・ホロックスは、スコットランドの人々は気さくで素晴らしかったと語ったそうで、撮影は和やかに行われたらしい。その雰囲気は映像からも感じられた。撮影に6週間、リハーサルに4週間かけたそうで、監督は「まるでショーのようだった、俳優たちが成長していく姿を確認できた」と語ったのだそう。
と、前置きが長いわけだけど、ストーリー自体はホントに難しいことはなくて、多分時間経過としては数日とか数週間の話だと思う。冒頭、いきなり戦場を走るトラック(?)の荷台。迷彩服を着た兵士たちが、悲壮な表情で運ばれていくシーンから始まる。実は、映像再生するのに手こずったので、違う作品視聴しちゃったのかと一度停止して確かめちゃった(笑) この後、このトラックは爆撃(地雷を踏んだんだったかな?)に合い、死傷者が出てしまう。次のシーンでは、親友アリーとスコットランドに戻り、陽気に歌うシーンになるという急展開にビックリ∑(*゚ェ゚*) 隊長だったデイヴィーは心に傷を負ったものの、その辺りの掘り下げは少ない。でも、後にデイヴィーがリハビリ中の同僚兵士を訪ねるシーンと、現実に向き合えず彼に声をかけられずにいるアリーと対比させることで、現実の重さや傷への向き合い方を描いている。脚を失ってしまった兵士役で『天使の分け前』(見たけど感想書いてない)のポール・ブラニンガンが出ててビックリ。
デイヴィーを迎える家族は、結婚25周年を迎え銀婚式のパーティーを企画中の両親ロブとジーン、そして看護師の妹リズ。リズは親友アリーの恋人でもある。デイヴィーはリズの紹介でイヴォンヌと付き合うことになる。ストーリはー3組のカップルと、デイヴィーとアリーの友情を描くという感じ。アリーはリズにプロポーズしようと考えていて、パブでデイヴィーに相談する。パブの店主やお客さんたちも巻き込んで、アリーを勇気づけるシーンは楽しい でも、リズは自分の可能性を試したいと、フロリダの病院に就職することを考えていた。久しぶりに彼女が出来たデイヴィーはイヴォンヌのことで頭がいっぱい。でも、彼女は慎重。2人の子供たちの恋愛の温度差が、ロブの秘密がバレてしまう銀婚式のパーティーに集約するのもおもしろい。これはやっぱり舞台の構成だなと思う。
銀婚式でロブは「Oh,Jean」を歌う。実はロブを演じたピーター・ミュランは歌に不安があったそうで、プロデューサーに肝心なのは「Oh,Jean」だけだからと励まされての出演だったらしい(笑) ロブのはにかみ笑顔も、案外ピーター・ミュラン自身のドキドキ感がいい方向に作用したのかも? この銀婚式のシーンはグラスゴーの労働者向け酒場で120人のエキストラを使い撮影されたそうで、味わいのあるパーティーとなっている。気取りのない感じで楽しい
ロブの秘密は24歳の隠し子がいること。この娘はロブの家庭を壊す気はなく、ただ父親に会いたかっただけらしい。ロブとこの娘の母親がどんな関係だったのか、よく分からなくなってしまったのだけど、娘の年齢から言うと浮気? ただ、娘から連絡があるまで存在自体を知らなかったようなので、母親は自らの意志で1人で生み、育てる決意をしたわけで、不倫の是非はともかくとして、ロブがこの母娘に対して不誠実だったということではないと思う。そして、ロブが不誠実ではないから、余計にジーンは傷ついてしまう。なぜ、ロブが銀婚式の日に娘からの手紙を持って来ていたのか謎だけど、「Oh,Jean」と歌われても、銀婚式のお祝い気分も一気に覚めてしまうというもの・・・ この急転直下に追い打ちをかけるように、アリーがリズにプロポーズからの失恋はかわいそうではあるものの、これは仕方ないかなぁ・・・ これから夢に向かって踏み出そうとしているリズにとって、将来設計のないアリーとの結婚は考えられないかも(´ェ`)ン- 結果、アリーは軍に戻ることになる。
裏切られたと知ったジーンは「Hate My Love」を歌う。このシーンはなかなか良かった。一方、ジーンと仲直りするため、手作り料理でもてなそうと材料を買い込んで帰宅したロブは、心臓発作を起こして倒れてしまう。目覚めたロブが見たものは、隠し子の娘と仲良く話すジーンの姿。この娘さん役の人は公式サイトで紹介がないので分からないのだけど、知的な美女で良かったと思う。大人の女性どうし分かり合えたって感じを、説明的なセリフなしで見せるのは良かった。
イヴォンヌの家で同棲していたデイヴィー。ロブが倒れたことでイヴォンヌは不安に陥る。イヴォンヌはイングランド人で、離れて暮らしている母親が心配だというのだった。不安になる気持ちは分かるけれど極端だな(笑) ただ、デイヴィーがイヴォンヌの不安を上手く包み込むことが出来なかったのは事実で、2人は口論となりイヴォンヌは実家に帰ると言い出す。
一方、フロリダの病院に採用されたリズは旅立ちの時を迎える。不安な気持ちを歌うリズの背中を押すジーンの歌が素晴らしかった! 娘が遠く旅立つことは不安だし寂しく辛いことだけれど、親というのは子が決断したことを受け止めて、そういう自分の思いを封印して、大丈夫だよと背中を押してくれる存在なのだと思ったら涙が止まらなくなっていた。やっぱり母は強いな・・・。゚(●'ω'o)゚。
正直、ロブとジーン、リズとジーンのシーンが良かったのと、イヴォンヌの不安が急展開だったこともあり、デイヴィーの恋愛はどうでも良くなっていたのだけど、クライマックスはこの2人だった(笑) イヴォンヌが本当に大切な人だと気づいたデイヴィーは、彼女を追って駅へ向かう。そして、愛を誓い歌うのが「I'm Gonna Be(500 Miles)」ここは、デイヴィーとイヴォンヌが500人のエキストラと共に歌い踊る。ミュージカル映画万歳なシーンで終了 やっぱりミュージカルってイイ! 正直、映画として見たら人間ドラマ部分の描き込みが浅いのは否めないし、ツッコミどころも多い。でも、全部OK! 明日も頑張ろう!って気持ちにさせてくれるラストはミュージカルならでわ。この感じはやっぱり好き
キャストはロブのピーター・ミュランしか知らなかった。ピーター・ミュランもスコットランド出身。ちょっと頑固で、でも妻や家族を愛している父親を好演。家族を愛しているからこそ、隠し子の娘もないがしろには出来ない。不器用だけど愛すべき父親。歌も上手過ぎない感じが、ロブの不器用さに感じられて良かった。ホメてます! ジーン役のジェーン・ホロックスは「キャバレー」や「アニーよ銃を取れ」などに出演していたそうで、『リトル・ヴォイス』でゴールデン・グローブ賞ノミネートの経験あり! 主題歌(ってどれ?)を歌うジーンには歌唱力が必要ということで、選ばれたそうでThe Proclaimersの2人にも、理想的なキャストだと絶賛されたのだとか。ジーンはロブに対して、たしかに浮気は許せないけど、娘さんには罪はないのに・・・と、思ってしまう発言をしてしまう時もあるけれど、基本はしっかり者の奥さんという感じ。その感じを好演していたと思うし、それはジェーン・ホロックスの確かな歌唱力のおかげでもある。リズを送り出すシーンの歌唱は素晴らしかった! 若いキャストも良かったと思う。ロンドン出身のためスコットランド訛りを学んでデイヴィー役を演じたジョージ・マッケイは、いい人なのにちょっと女心に疎い感じが良かったし、ちょっと心配性すぎるイヴォンヌのアントニア・トーマスは、国立青少年音楽劇場などで学んだ歌唱力を披露している。アリーのケヴィン・ガスリーはPTSDを抱え、就職も結婚も焦るあまり上手く行かない感じを好演していたと思う。個人的に良かったのはリズ役のフレイア・メーバー。映画はこれが初出演なのかな? スコットランド出身だそうで、外の世界を見てみたいと思っているリズの気持ちに共感する部分があったのかもしれない。夢ばかり見ているわがまま娘にはなっていなかった。まぁ、そういう役でもないけど(笑) オーディションではケルト音楽を歌ったそうで、歌も上手く声もキレイ。
原題は『Sunshine on Leith』ということで、これはホントにリースに捧げた作品だなと思う。 製作側には暗く描かれがちなスコットランドの、そればかりではない明るい面を見せたいという意図があったようで、とっても明るく映っていたと思う。特別観光スポットが映っていたわけではないけれど、デイヴィーとアリーが帰還時に歌いながら歩いていた川沿いを散策してみたいと思った。
ジュークボックス・ミュージカルの場合、曲を知ってた方が絶対に楽しめるとは思う。実際BWで観劇した「マンマ・ミーア」は良かったけれど、ABBAの曲をほとんど知らなかったので、THE BEATLESの曲を使った映画『アクロス・ザ・ユニバース』(感想はコチラ)の方が感動したし・・・ そういう意味では、The Proclaimersの曲を全く知らなかったので、例えばここでこう使うか( ̄ー ̄)ニヤリというような感動を味わえなかったのは事実。ただ、逆に変な思い入れがなかった分素直に見れたというのはあったかも。感動とまでいかなかったのは、曲を知らなかったからなのかは不明。でも、じんわり感動できる作品だった!
いわゆる突然歌い出す型のミュージカル。ミュージカル好きなので、この唐突に歌い出すの感じが苦手ではないので、参考にならないかもしれないけれど、とっても自然だったように思う。ラストの500人の歌って踊っては、ちょっとインド映画的でもあるので、ミュージカル苦手な人でも楽しめるのでは?
ミュージカル初体験の方にはいいかも? ミュージカル好きな方、The Proclaimers好きな方是非!
『サンシャイン 歌声が響く街』Official site
青山シアターのオンライン試写に当選 いつもありがとうございます! 7月25日12:00~26日12:00の間であれば、何回でも視聴できて、一時停止や巻戻し、しないと思うけど早送りも可能! ネット接続していればテレビでも見れると思うけど、全くやり方分からないのでPCの小さな画面で視聴(o´ェ`o)ゞ 楽しみに見てみたー
ネタバレありです! 結末にも触れています!
「ロブとジーンは結婚25周年を迎える仲良し夫婦。アフガニスタンでの兵役を終えた長男デイヴィーは、妹リズの恋人アリーと共に無事に帰還、リズの紹介でイヴォンヌという彼女も出来きて、一家そろって幸せな時を過ごしていた。でも、それぞれ悩みを抱えていて・・・」という感じの話で、これはミュージカル作品。ちょっと人間ドラマ部分の描き込みが足りない気もするけれど、普通の人の普通の悩みを軽快なタッチで描いていて良かったと思う。ミュージカル映画にありがちな不自然さもなかったし、楽しく見れる作品だと思う(・∀・)ウン!!
ミュージカル作品であること以外の予備知識なしで見た。宣伝文句として"スコットランドの「マンマ・ミーア」"とあるとおり、スコットランドの田舎町リースを舞台にした家族をミュージカル。「マンマ・ミーア」というのはABBAの曲を使ったミュージカル作品で、1999年4月6日にロンドン初演。2001年10月18日にBroadwayでオープンし、現在もロングラン中。2008年にはメリル・ストリープ主演で映画化もされた大ヒットミュージカル。自身はBWで観劇して感激(笑) この作品の成功により、以後バンドや歌手の楽曲を使用した、いわゆるジュークボックス・ミュージカルがたくさん作られた。大ヒットした作品もあったし、中には失敗作もあったけれど、こうして映画化もされたのだから今作は成功例なのでしょう。実は、元が舞台作品だったことを全く知らなかったので、現在はやや下火になってきたと思われるジュークボックス・ミュージカルを、何故今さら作るのだろうと思っていたけど、なるほど時期的には全盛期の頃に作られた作品なのねと納得。
全編The Proclaimers(ザ・プロクレイマーズ)の曲を使用。The Proclaimersについては全く知らなったのだけど、スコットランド出身の双子の兄弟デュオだそうで、今作でもラストに使用されている「I'm Gonna Be(500 Miles)」が、ジョニー・デップ主演の『妹の恋人』の主題歌に使われたことで有名になったのだそう。脚本家のスティーブン・グリーンホーンが2005年にスコットランドを舞台にしたミュージカル作品を作りたいと考えていた際に、The Proclaimers「This is the Story」を聴き、彼らの曲を使うことに決定。作品を作る上で、いくつかの曲はアレンジをしたそうで、「Hate My Love」は本来激しい曲だけれど、ペースを落として悲しむジェーンを表現したり、「Misty Blue」はスコットランド人であることの意義を歌っているけれど、ラブソングとして使用するなど、曲とストーリーは必ずしも一致していないとのこと。2007年スコットランドで初演、ガーディアン紙に「ブラッド・ブラザーズ」以来の最高の英国ミュージカルだと絶賛されたのだそう( ゚д゚)ホゥ
映画化にあたり、同じくスコットランドを舞台とした『トレインスポッティング』のスタッフが集結! 監督は俳優としても活躍するデクスター・フレッチャー。『ロック・ストック&トゥー・スモーキング・バレルズ』に出演していたようだけれど、覚えていない・・・ 最初に見た映画が『雨に唄えば』で、俳優デビューしたのが『ダウンタウン物語』だったという監督にとって、ミュージカル作品を撮ることは自然なことだったのだそう。撮影はエディンバラ、リース、グラスゴーで行われ、俳優もスコットランド出身が多い。ジーン役のジェーン・ホロックスは、スコットランドの人々は気さくで素晴らしかったと語ったそうで、撮影は和やかに行われたらしい。その雰囲気は映像からも感じられた。撮影に6週間、リハーサルに4週間かけたそうで、監督は「まるでショーのようだった、俳優たちが成長していく姿を確認できた」と語ったのだそう。
と、前置きが長いわけだけど、ストーリー自体はホントに難しいことはなくて、多分時間経過としては数日とか数週間の話だと思う。冒頭、いきなり戦場を走るトラック(?)の荷台。迷彩服を着た兵士たちが、悲壮な表情で運ばれていくシーンから始まる。実は、映像再生するのに手こずったので、違う作品視聴しちゃったのかと一度停止して確かめちゃった(笑) この後、このトラックは爆撃(地雷を踏んだんだったかな?)に合い、死傷者が出てしまう。次のシーンでは、親友アリーとスコットランドに戻り、陽気に歌うシーンになるという急展開にビックリ∑(*゚ェ゚*) 隊長だったデイヴィーは心に傷を負ったものの、その辺りの掘り下げは少ない。でも、後にデイヴィーがリハビリ中の同僚兵士を訪ねるシーンと、現実に向き合えず彼に声をかけられずにいるアリーと対比させることで、現実の重さや傷への向き合い方を描いている。脚を失ってしまった兵士役で『天使の分け前』(見たけど感想書いてない)のポール・ブラニンガンが出ててビックリ。
デイヴィーを迎える家族は、結婚25周年を迎え銀婚式のパーティーを企画中の両親ロブとジーン、そして看護師の妹リズ。リズは親友アリーの恋人でもある。デイヴィーはリズの紹介でイヴォンヌと付き合うことになる。ストーリはー3組のカップルと、デイヴィーとアリーの友情を描くという感じ。アリーはリズにプロポーズしようと考えていて、パブでデイヴィーに相談する。パブの店主やお客さんたちも巻き込んで、アリーを勇気づけるシーンは楽しい でも、リズは自分の可能性を試したいと、フロリダの病院に就職することを考えていた。久しぶりに彼女が出来たデイヴィーはイヴォンヌのことで頭がいっぱい。でも、彼女は慎重。2人の子供たちの恋愛の温度差が、ロブの秘密がバレてしまう銀婚式のパーティーに集約するのもおもしろい。これはやっぱり舞台の構成だなと思う。
銀婚式でロブは「Oh,Jean」を歌う。実はロブを演じたピーター・ミュランは歌に不安があったそうで、プロデューサーに肝心なのは「Oh,Jean」だけだからと励まされての出演だったらしい(笑) ロブのはにかみ笑顔も、案外ピーター・ミュラン自身のドキドキ感がいい方向に作用したのかも? この銀婚式のシーンはグラスゴーの労働者向け酒場で120人のエキストラを使い撮影されたそうで、味わいのあるパーティーとなっている。気取りのない感じで楽しい
ロブの秘密は24歳の隠し子がいること。この娘はロブの家庭を壊す気はなく、ただ父親に会いたかっただけらしい。ロブとこの娘の母親がどんな関係だったのか、よく分からなくなってしまったのだけど、娘の年齢から言うと浮気? ただ、娘から連絡があるまで存在自体を知らなかったようなので、母親は自らの意志で1人で生み、育てる決意をしたわけで、不倫の是非はともかくとして、ロブがこの母娘に対して不誠実だったということではないと思う。そして、ロブが不誠実ではないから、余計にジーンは傷ついてしまう。なぜ、ロブが銀婚式の日に娘からの手紙を持って来ていたのか謎だけど、「Oh,Jean」と歌われても、銀婚式のお祝い気分も一気に覚めてしまうというもの・・・ この急転直下に追い打ちをかけるように、アリーがリズにプロポーズからの失恋はかわいそうではあるものの、これは仕方ないかなぁ・・・ これから夢に向かって踏み出そうとしているリズにとって、将来設計のないアリーとの結婚は考えられないかも(´ェ`)ン- 結果、アリーは軍に戻ることになる。
裏切られたと知ったジーンは「Hate My Love」を歌う。このシーンはなかなか良かった。一方、ジーンと仲直りするため、手作り料理でもてなそうと材料を買い込んで帰宅したロブは、心臓発作を起こして倒れてしまう。目覚めたロブが見たものは、隠し子の娘と仲良く話すジーンの姿。この娘さん役の人は公式サイトで紹介がないので分からないのだけど、知的な美女で良かったと思う。大人の女性どうし分かり合えたって感じを、説明的なセリフなしで見せるのは良かった。
イヴォンヌの家で同棲していたデイヴィー。ロブが倒れたことでイヴォンヌは不安に陥る。イヴォンヌはイングランド人で、離れて暮らしている母親が心配だというのだった。不安になる気持ちは分かるけれど極端だな(笑) ただ、デイヴィーがイヴォンヌの不安を上手く包み込むことが出来なかったのは事実で、2人は口論となりイヴォンヌは実家に帰ると言い出す。
一方、フロリダの病院に採用されたリズは旅立ちの時を迎える。不安な気持ちを歌うリズの背中を押すジーンの歌が素晴らしかった! 娘が遠く旅立つことは不安だし寂しく辛いことだけれど、親というのは子が決断したことを受け止めて、そういう自分の思いを封印して、大丈夫だよと背中を押してくれる存在なのだと思ったら涙が止まらなくなっていた。やっぱり母は強いな・・・。゚(●'ω'o)゚。
正直、ロブとジーン、リズとジーンのシーンが良かったのと、イヴォンヌの不安が急展開だったこともあり、デイヴィーの恋愛はどうでも良くなっていたのだけど、クライマックスはこの2人だった(笑) イヴォンヌが本当に大切な人だと気づいたデイヴィーは、彼女を追って駅へ向かう。そして、愛を誓い歌うのが「I'm Gonna Be(500 Miles)」ここは、デイヴィーとイヴォンヌが500人のエキストラと共に歌い踊る。ミュージカル映画万歳なシーンで終了 やっぱりミュージカルってイイ! 正直、映画として見たら人間ドラマ部分の描き込みが浅いのは否めないし、ツッコミどころも多い。でも、全部OK! 明日も頑張ろう!って気持ちにさせてくれるラストはミュージカルならでわ。この感じはやっぱり好き
キャストはロブのピーター・ミュランしか知らなかった。ピーター・ミュランもスコットランド出身。ちょっと頑固で、でも妻や家族を愛している父親を好演。家族を愛しているからこそ、隠し子の娘もないがしろには出来ない。不器用だけど愛すべき父親。歌も上手過ぎない感じが、ロブの不器用さに感じられて良かった。ホメてます! ジーン役のジェーン・ホロックスは「キャバレー」や「アニーよ銃を取れ」などに出演していたそうで、『リトル・ヴォイス』でゴールデン・グローブ賞ノミネートの経験あり! 主題歌(ってどれ?)を歌うジーンには歌唱力が必要ということで、選ばれたそうでThe Proclaimersの2人にも、理想的なキャストだと絶賛されたのだとか。ジーンはロブに対して、たしかに浮気は許せないけど、娘さんには罪はないのに・・・と、思ってしまう発言をしてしまう時もあるけれど、基本はしっかり者の奥さんという感じ。その感じを好演していたと思うし、それはジェーン・ホロックスの確かな歌唱力のおかげでもある。リズを送り出すシーンの歌唱は素晴らしかった! 若いキャストも良かったと思う。ロンドン出身のためスコットランド訛りを学んでデイヴィー役を演じたジョージ・マッケイは、いい人なのにちょっと女心に疎い感じが良かったし、ちょっと心配性すぎるイヴォンヌのアントニア・トーマスは、国立青少年音楽劇場などで学んだ歌唱力を披露している。アリーのケヴィン・ガスリーはPTSDを抱え、就職も結婚も焦るあまり上手く行かない感じを好演していたと思う。個人的に良かったのはリズ役のフレイア・メーバー。映画はこれが初出演なのかな? スコットランド出身だそうで、外の世界を見てみたいと思っているリズの気持ちに共感する部分があったのかもしれない。夢ばかり見ているわがまま娘にはなっていなかった。まぁ、そういう役でもないけど(笑) オーディションではケルト音楽を歌ったそうで、歌も上手く声もキレイ。
原題は『Sunshine on Leith』ということで、これはホントにリースに捧げた作品だなと思う。 製作側には暗く描かれがちなスコットランドの、そればかりではない明るい面を見せたいという意図があったようで、とっても明るく映っていたと思う。特別観光スポットが映っていたわけではないけれど、デイヴィーとアリーが帰還時に歌いながら歩いていた川沿いを散策してみたいと思った。
ジュークボックス・ミュージカルの場合、曲を知ってた方が絶対に楽しめるとは思う。実際BWで観劇した「マンマ・ミーア」は良かったけれど、ABBAの曲をほとんど知らなかったので、THE BEATLESの曲を使った映画『アクロス・ザ・ユニバース』(感想はコチラ)の方が感動したし・・・ そういう意味では、The Proclaimersの曲を全く知らなかったので、例えばここでこう使うか( ̄ー ̄)ニヤリというような感動を味わえなかったのは事実。ただ、逆に変な思い入れがなかった分素直に見れたというのはあったかも。感動とまでいかなかったのは、曲を知らなかったからなのかは不明。でも、じんわり感動できる作品だった!
いわゆる突然歌い出す型のミュージカル。ミュージカル好きなので、この唐突に歌い出すの感じが苦手ではないので、参考にならないかもしれないけれど、とっても自然だったように思う。ラストの500人の歌って踊っては、ちょっとインド映画的でもあるので、ミュージカル苦手な人でも楽しめるのでは?
ミュージカル初体験の方にはいいかも? ミュージカル好きな方、The Proclaimers好きな方是非!
『サンシャイン 歌声が響く街』Official site
※コメント投稿者のブログIDはブログ作成者のみに通知されます