南信州のりもの倶楽部♪

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売り物のプライマリキック式中華エンジンを作る その5

2014年09月11日 22時15分18秒 | 輸入横型エンジン編
今日も売り物のエンジン作り。

腰下は終わってるから次は腰上なんだけど、
このシリンダー、実は昔山ちゃんがウチの旋盤を使ってベース面だけを面研してあって、
1ミリくらいなんだけどこのおかげて圧縮が増える事になる。
排気量は少しだけ減るんだけど、その分が圧縮に回るってことだから、
小排気量のエンジンだと爆発一回のパンチが増える事になるかな。







シリンダーを入れた状態なんだけど完全にツライチ。
つまり削る前はピストンが上がりきらなかったんだけど、
中華エンジンはこうやって無理矢理圧縮を調整してるパターンがある。
このピストンの場合だとフラットだから少し圧縮が高い事になるから、
シリンダーで減らしてたと思うんだけど、
これで圧縮が増えて、さらにメタルガスケットでさらに圧縮アップ!
と、思ったんだけど、メタルガスケットを使うとリセスカットが必要なんだが、
残念ながらピストンにリセスカットに耐えれる肉厚が無かったから諦めた…

よってガスケットはノーマルの厚いのを使う事にするんだけど、
これによってガソリンはレギュラーで大丈夫だから、
買ってもらった方には思い切りツーリングを楽しんでもらいたいね。







使うヘッドなんだけどカムが入ってる部屋とカムチェーントンネルをつなげて、
内部の空気が行き来しやすいよう穴を開けてみた。

普通のエンジンはこんな必要は全く無いんだけど、
シリンダーのオイルリターンが下から上に曲がってるから、
オイルが帰りにくくて、さらにカムのベアリングの所に空いてる穴をオイルが塞いでしまってるっぽい。
だから空気穴を新設してヘッド内部とクランクケースの内圧を同じにしてあげると、
少しだがオイルが帰りやすくなるかなぁ~、なんて思った。

ただ俺のWIN120はヘッドからカムチェーントンネルとの穴をベアリングが完全に塞いでしまってるから、
エンジンが暖まってきてヘッド内圧が高まると、
オイルリターンのヘッドとシリンダーの間からオイルが漏れてくるんだよね。
これも予想でしかないんだけどトラブルの芽になりそうなのは潰しておきたかっただけ。
でもこれだけの加工でもオイル漏れが無くなったらかなり満足だ。
もし失敗しても所詮穴一つの手間だけだ(笑)

そんな訳で明日は一気に組んでやっと終わり。
長かったけど胸張って売れるエンジンにはなったと思うんだが、
よく分かったのは中華エンジンを頑張って作っても利益は無いに等しい。
でも安心して使ってもらえて買った人が喜んでもらえたら、
それでも良いかぁ~くらいの感じだ。





コメント (2)
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