まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

久しぶりに「ミシュラン居酒屋」へ

2018年01月22日 | 旅行記F・中国
福塩線で福山に到着。駅のホームから福山城の石垣が見える。ここから山陽線は列車の本数も増えるので、少し改札の外に出てみる。

福山はバラの町として知られている。前に福山の駅前に降り立ったのは夕方暗くなってからのことでよく見えなかったが、バラ園が設けられている。太平洋戦争の空襲で大きな被害を受けた福山、その復興の一つとして、人々の心に和らぎを取り戻すそうと植えられたのがバラで、今では市内で100万本のバラがあるという。

その一方で福山城の天守閣広場にも向かう。天守閣に上がるのは省略したが、こちらも福山の町のシンボルではある。福山城は江戸時代初期は水野氏が代々城主を務めていたが、後継ぎがなくお家断絶。その後城主になったのは阿部氏で、その7代目の正弘は老中として、ペリー来航時の日米和親条約の締結に当たった人物である。

こちら福山も草戸千軒遺跡を紹介する広島県立の歴史博物館や、鞆の浦もあるし、また久しくゆっくり訪ねてみたいところである。そう考えれば隣の尾道も長い間行っていないし、かと言って四国めぐりと絡ませるのは多少無理があるかな・・・。

山陽線の相生行きで岡山に向けて移動する。岡山の一つ手前の北長瀬でスーツ姿、振袖姿の若者たちがどっと乗ってきた。この日は1月7日、岡山市の成人式が行われたその帰りである。会場が岡山ドームというところで、以前は操車場があったところである。このところの成人式のニュースといえば、一部の自治体で一部の新成人が酒を飲んで式場で暴れたとか、どこぞの町長が流行りの1曲を唄うとか、そういうのが目立つのだが、今年の成人式は横浜や八王子での「はれのひ」事件の話題一色となった感じがある。この日の時点ではそういう事態になるとは露知らず、翌日8日の成人の日当日に突然の店舗閉鎖、新成人が着付けができなかったり、あるいは預けた振袖も持ち逃げされていたりと、大きな騒動となる。まだ社長の行方はつかめていないようだが、実に腹立たしいことで、厳罰に処してもらいたいものである。

岡山に到着。相生行きなのでそのまま乗っていればいいところ、満員の新成人とともに列車を降りる。時刻は16時を過ぎており、新成人はこれから同窓会を兼ねてどこか出かけるのだろうか。私はその様子を見つつ、一旦駅の地下街に入り、高島屋のところから再び地上に出る。そこで向かったのはこちらも久しぶりの「鳥好本店」である。

「鳥好」はこのブログでも何回か登場している。ある時はこの店に来ることを主な目的として日帰り旅を行ったこともあるが、記事をたどってみると店に入るのは5年ぶりに近い。実はこの日に途中の見どころを省略したり、途中下車せずに列車を乗り通したりしたのは、なるべく早い時間にここに来ることを意識したためである。久しぶりの訪問だし、別に店の人と顔なじみというわけではないのであくまで一見の客のように入る。16時の開店からまだ時間は経っていないが、カウンターは1席だけ空いていた。テーブル席も半分以上が埋まっている。

店名に「鳥」がつくだけにメニューのトップには焼鳥が来るが、あての種類は豊富である。正月明けのことで海の幸が一部売り切れ、あるいは仕入れがないものはあるが、およそ居酒屋メニューはさまざま揃っている。以前にあった珍しいオリジナルメニューの一部が消えていたが、そこは見直しというところだろう。また、前に来た時よりも各地の地酒の種類が増えているように思う。

今回の記事をご覧いただいた方はお気づきかどうか、この日は昼食を取り損ねている。だからというわけではないが、こちらで取り返しているような感じだ(体に良くないことは重々承知なのだが・・・)。

17時頃になると次々に客が入って来て、テーブル、そして奥の座席もいっぱいになり、予約のない客が満席で入れない事態にもなった。さすがは「ミシュラン居酒屋」である。このミシュランの評価は、この料理がめちゃくちゃ美味いからというよりは、こうした客同士がガヤガヤして、店員が忙しく客の間を回っている風景が日本の大衆酒場らしいからということでつけられたものであり、私も久しぶりにその雰囲気を楽しむことができてよかった。これ、どこかで列車を1本遅らせていたら、ひょっとしたら満員で入れなかったかもしれないなあ。

一方で、鳥好以外の岡山の居酒屋も開拓してみたいなという思いもある。これはまたの機会ということで・・・というのを今回繰り返して書いているように思う。日帰りではなかなか時間が限られてしまうが、いずれにしても「三備」は何やかんやでこれからも足を運ぶ地域になりそうである・・・・。
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