竹田の北向不動院、さらには院政、鳥羽・伏見の戦いの歴史に触れたところで、竹田駅に戻る。近鉄で桃山御陵前に移動する。駅名は違うが京阪の伏見桃山駅とは数10メートルしか離れておらず、実質乗換駅と言ってもいいだろう。伏見桃山駅の踏切を渡ると大手筋の商店街である。このアーケード街に来るのも久しぶりである。職場では年始と期首に寝屋川の成田山不動尊(この近畿三十六不動めぐりの中でも登場)と伏見稲荷に参拝するのが行事となっているのだが、かつて、「直会」ということでこの伏見桃山で下車して、伏見の酒とともに食事をして気持ちを新たに・・ということをやったことがある。人によってはお参りよりもこちらが目当てという方もいたようないてなかったような・・・(今は行事の中身も見直して、そうしたことはやらなくなったのだが)。
今回、この大手筋商店街で出かけたのが「吟醸酒房 油長(あぶらちょう)」。ここは伏見の酒造組合の全ての銘柄を取り揃えている販売店である。酒どころとして知られる伏見には現在19の酒造メーカーがあるという。見学や直売を行っているメーカーもあるのだが、あれこれ比べてみようとすると、意外とそうした店は少ないのだという。例えば酒造の直営でない、一般の居酒屋が伏見にてAというメーカーのものを置いたとすれば、同じ伏見のBやCが黙っていないだろう。なかなか商売がやりにくいのかもしれない。そこで思い切って「全部取り扱う」と言い切るところが強気だなと思う。
この油長は、店の奥のカウンターで利き酒ができるのが特徴である。買う買わないは別として、伏見の酒を少し楽しもうという向きには面白い。これまでの「直会」は昼食の店に直行だったので立ち寄ることもなかったが、今回初めて入ってみる。
利き酒を希望するとカウンターに通される。システムとしては、最初にお猪口3杯で3種類、またはグラスで1種類から注文することができる。で、対象となる酒が常時80~90種類ある。同じメーカーでも本醸造、吟醸、純米、純米大吟醸とあるし、期間限定や油長限定(この店でしか扱っていない)ものもある。酒の感じもいろいろあり、メニューを見るだけで圧倒される。
そんな中で選んだのが「豊祝 竹酒」「富翁 祇園物語」「神聖 山田錦」。ちょくちょく「呑み鉄」的な記事を書いているが、日本酒についてそれほど詳しいわけではないので、メニュー上のキャッチコピーを見て良さげなものを選んだだけだ。店員に「何がおススメですか?」と訊いても「それはお客様の好みですから」と返されるだけだろう。そしてセットについてくるのはふき味噌と冷奴。ただこの冷奴は醤油をかけて食べるのではなく、酒と酒の間で舌をリセットするのだという。豆腐のチェイサーというのも初めてだ。なお、別料金で一品料理もいろいろあるので、その気になればグラスでもって本腰を入れて飲むこともできる(店のスタンスとしてはあくまで「利き酒」なので、呑兵衛の長居はお断りのようだが・・)。
第2陣、次行ってみよう。「慶長 伏見の酒山田錦35」「玉乃光 クラシック山廃」「栄勲 古酒(15年)」。伏見といえば黄桜、月桂冠、松竹梅が全国的に有名かと思うので、それを除いて6種類を注文したのだが、いろんなものが入って来て何とも言えない心持になったことである。この6種の中であえて1つを選べと言われたら・・・・慶長かな。ただ、他の組み合わせならもっと違う答えになるだろうし、要は1回や2回ではわからないということだ。
カウンターで利き酒の途中にいただいたパンフレットでイラスト地図を見ると、「酒粕ラーメン」というのが目に留まる。酒どころ伏見らしい一品かと思うが、これも初めての味なので行ってみることにする。着いたのは「玄屋」というところ。
居酒屋の一品に粕汁があるが、この酒粕ラーメンは粕汁をラーメンに合うようにアレンジしたものである。トッピングに大根の千切りと油揚げが入っているのが粕汁らしさを残している。どんなものかと口をつけてみると、濃い目の味噌ラーメンという感じもする。身体も暖まる感じだ。これまで知らなかったが、なかなか面白く、伏見の味の一つだと思う。
さて、後はぶらぶらと歩いて中書島駅を目指す。老舗の鶏料理店は行列ができているし、黄桜のカッパカントリーにも立ち寄る。こちらでも酒造の資料を見たり、ちょいと一杯や買い物を楽しむ。
龍馬通りという商店街を過ぎて、寺田屋の建物も見る。坂本龍馬は昨年が没後150年だったか・・・まあ、別にどうでもいいが。
中書島からの帰りは京阪の特急に乗ることとして、せっかくなのでプレミアムカーを利用する。乗り心地のせいか、歩いた後の利き酒が回って来たか、そのまま大阪市内まで運ばれる。
さて、近畿三十六不動もこれで10の位に乗った。まだまだこれからである・・・。
今回、この大手筋商店街で出かけたのが「吟醸酒房 油長(あぶらちょう)」。ここは伏見の酒造組合の全ての銘柄を取り揃えている販売店である。酒どころとして知られる伏見には現在19の酒造メーカーがあるという。見学や直売を行っているメーカーもあるのだが、あれこれ比べてみようとすると、意外とそうした店は少ないのだという。例えば酒造の直営でない、一般の居酒屋が伏見にてAというメーカーのものを置いたとすれば、同じ伏見のBやCが黙っていないだろう。なかなか商売がやりにくいのかもしれない。そこで思い切って「全部取り扱う」と言い切るところが強気だなと思う。
この油長は、店の奥のカウンターで利き酒ができるのが特徴である。買う買わないは別として、伏見の酒を少し楽しもうという向きには面白い。これまでの「直会」は昼食の店に直行だったので立ち寄ることもなかったが、今回初めて入ってみる。
利き酒を希望するとカウンターに通される。システムとしては、最初にお猪口3杯で3種類、またはグラスで1種類から注文することができる。で、対象となる酒が常時80~90種類ある。同じメーカーでも本醸造、吟醸、純米、純米大吟醸とあるし、期間限定や油長限定(この店でしか扱っていない)ものもある。酒の感じもいろいろあり、メニューを見るだけで圧倒される。
そんな中で選んだのが「豊祝 竹酒」「富翁 祇園物語」「神聖 山田錦」。ちょくちょく「呑み鉄」的な記事を書いているが、日本酒についてそれほど詳しいわけではないので、メニュー上のキャッチコピーを見て良さげなものを選んだだけだ。店員に「何がおススメですか?」と訊いても「それはお客様の好みですから」と返されるだけだろう。そしてセットについてくるのはふき味噌と冷奴。ただこの冷奴は醤油をかけて食べるのではなく、酒と酒の間で舌をリセットするのだという。豆腐のチェイサーというのも初めてだ。なお、別料金で一品料理もいろいろあるので、その気になればグラスでもって本腰を入れて飲むこともできる(店のスタンスとしてはあくまで「利き酒」なので、呑兵衛の長居はお断りのようだが・・)。
第2陣、次行ってみよう。「慶長 伏見の酒山田錦35」「玉乃光 クラシック山廃」「栄勲 古酒(15年)」。伏見といえば黄桜、月桂冠、松竹梅が全国的に有名かと思うので、それを除いて6種類を注文したのだが、いろんなものが入って来て何とも言えない心持になったことである。この6種の中であえて1つを選べと言われたら・・・・慶長かな。ただ、他の組み合わせならもっと違う答えになるだろうし、要は1回や2回ではわからないということだ。
カウンターで利き酒の途中にいただいたパンフレットでイラスト地図を見ると、「酒粕ラーメン」というのが目に留まる。酒どころ伏見らしい一品かと思うが、これも初めての味なので行ってみることにする。着いたのは「玄屋」というところ。
居酒屋の一品に粕汁があるが、この酒粕ラーメンは粕汁をラーメンに合うようにアレンジしたものである。トッピングに大根の千切りと油揚げが入っているのが粕汁らしさを残している。どんなものかと口をつけてみると、濃い目の味噌ラーメンという感じもする。身体も暖まる感じだ。これまで知らなかったが、なかなか面白く、伏見の味の一つだと思う。
さて、後はぶらぶらと歩いて中書島駅を目指す。老舗の鶏料理店は行列ができているし、黄桜のカッパカントリーにも立ち寄る。こちらでも酒造の資料を見たり、ちょいと一杯や買い物を楽しむ。
龍馬通りという商店街を過ぎて、寺田屋の建物も見る。坂本龍馬は昨年が没後150年だったか・・・まあ、別にどうでもいいが。
中書島からの帰りは京阪の特急に乗ることとして、せっかくなのでプレミアムカーを利用する。乗り心地のせいか、歩いた後の利き酒が回って来たか、そのまま大阪市内まで運ばれる。
さて、近畿三十六不動もこれで10の位に乗った。まだまだこれからである・・・。