まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

第1番「青岸渡寺」~西国三十三所めぐり3巡目・29(熊野三山めぐりその2)

2021年08月20日 | 西国三十三所

西国四十九薬師めぐりから西国三十三所めぐりにバトンタッチして、そこに熊野三山めぐりを組み合わせるというありがたい旅。

熊野速玉大社を出て、那智山、青岸渡寺を目指すべく国道42号線をそのまま進む。途中から紀勢線の電化区間に沿って走り、海べりも通る。

那智駅前から山道に入る。途中、大門坂の入口を通るが、その向かいの駐車場にはかなりの数のクルマが停まっている。それだけ熊野古道の最後を歩いて上がろうという人が多いのかな。この暑い最中だが・・。

この道を自分で運転して上がるというのも楽しみではある。いくつかのS字カーブを曲がりつつ、その前方にちらりと那智の滝のてっぺんが見えるのもよい。

那智の滝への入口である飛瀧神社前を過ぎ、土産物・食堂が並ぶ通りを行く。そのまま観光センターまで走り、バス停と合わさった無料の駐車場に停める。

さて、ここから400段あまりの参道である。ちょうど大門坂からの熊野古道を上がって来る人もいるが、一様に汗だくで疲れているようだ。そういう中でもきちんとマスクをしているから余計にしんどそうだ(特に親の言いつけをきちんと守る子ども)。屋外の歩きで、人混みがそれほどでもなければマスクは外してもいいと言われている。熱中症とコロナ、どちらが命に関わることだろうか。私はマスクを外し、ただ外道の輩ではないことを示すために手に持って石段を上る。

那智大社と青岸渡寺の分岐に到着。これまでもそうなのだが、まずは那智大社への石段を上がる。西国三十三所をめぐっていても、やはりここは那智大社があって、青岸渡寺はその次という位置づけに見える。

那智大社の拝殿にて手を合わせる。那智大社の祭神は熊野夫須美大神で、速玉大社にも祀られていた。

その脇の入口から青岸渡寺に入る。かつては神仏習合で、青岸渡寺は元々熊野那智権現の中で如意輪観音を祀る如意輪堂として存在していた寺である。本堂は豊臣秀吉により再建されたもの。明治の神仏分離、廃仏毀釈の中でも、西国三十三所の第1番ということもあり、破壊されずに残された。そして新たに青岸渡寺として独立して、現在にいたる。まあ、こうした山の中に並ぶのだから、那智大社、青岸渡寺それぞれがお互いに人々の願いを叶えましょうやという感じだ。

その青岸渡寺だが、ちらほら「施無畏」の文字が入ったTシャツ姿の人が本堂の内外で目につく。施無畏とは観音菩薩の別称だが、西国めぐりのグループか何かだろうか。

本堂の外陣にてお勤めとする。ちょうど内陣ではどなたかのご祈祷か、観音経の偈文が唱えられていた。

そして先達用納経帳の第1番に朱印をいただく。これで西国めぐりの3巡目は残り4ヶ所。このうち第14番の三井寺は8月末に訪ねる予定で、それ以外の残り3ヶ所のどこで満願となるかが楽しみである。

那智大社~青岸渡寺と来れば、この先那智の滝まで下りるコースである。滝と三重塔のツーショットを収めた後、ぶらぶらと坂道を下る。

そしてやって来た那智の滝。ここ飛瀧神社は現座には那智大社の別宮だが、那智大社よりも人出が多く、そこらじゅうで記念撮影である。先ほど、那智大社と青岸渡寺の神仏習合、神仏分離がどうのこうのと書いたが、ここ那智全体では、この「瀧」が「絶対」といっていいだろう。そもそもこの滝を拝むことが那智権現の成り立ちであった。

飛瀧神社では延命長寿の水をいただける。参入料(300円)を納めると、滝により近づくことができる。その前に湧き出ている水を汲む。ちょうどペットボトルがあったのでこちらにいただき、この先の道中でいただく。ありがたいものだ。

これで那智を回り、今度は車道を歩いて上って観光センターの駐車場に戻る。この先は熊野本宮大社にて熊野三山めぐりとして、大阪に向かうことに・・・。

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