まつなる的雑文~光輝く明日に向かえ

まつなる兄さんのよしなしごと、旅歩き、野球、寺社巡りを書きます。頼りなく豊かなこの国に、何を賭け、何を夢見よう?

「DLやまぐち号」 DE10重連運転に乗車する

2021年08月27日 | 旅行記F・中国

8月22日、小郡・・ではなかった新山口駅の1番ホームに降り立つ。これから乗る「DLやまぐち号」の入線を待つ人の姿も多い。個人的には、現役のSL時代に乗ったことがない代わりに、ディーゼル機関車が牽引する客車列車には高校生、大学生当時に山陰線などで乗ったことがあり、「懐かしさ」という点では後者のほうに魅力を感じる。

グリーン車の展望車を先頭に、DE10が押し込む形でゆっくりと入線。多くのカメラやスマホが向けられる。DE10は普段車両区などでの入換作業に従事しているそうだが、この夏は2台で主役を張ることになる(大雨のために出番が限られてしまったのだが・・)。

今回乗車するのは津和野寄り先頭車両5号車のオハ31。こちらにも展望デッキがあるのだが、機関車からの排気ガスを受けるために立入禁止である。

個人客、グループ客など合わせて1ボックスに1~3人ということで、乗車率はまずまず。一応、ボックス席の真ん中のテーブルにはアクリル板が設置されている。ちょうど飲み物など立てるのにもよい。

10時50分、ホームからの見送りを受けて発車。SLのように蒸気音がするわけではないが、どこか哀愁を帯びた警笛が鳴る。津和野まで2時間の行程だ。先頭車なので、前方の扉の窓から機関車の背中も見える。

ところどころ雨が落ちる中、湯田温泉、山口と停車する。ここから乗車する人もいるが、私のいるボックス席は相客がなかった。この先にもいくつかの駅に停車するが乗車する人はいないだろうから、このままゆったりと津和野まで楽しめそうだ。

・・ということで、車窓のお供を。この日はクルマを運転する予定はない。

これまで「SL(DL)やまぐち号」に何回か乗っているが、いずれも津和野からの便ではなかったかと思う。旅のスケジュールがそうだったこともあるし、津和野発のほうが指定席が取りやすいという事情があったためだろう。地形からすれば、新山口発のほうが途中の上り勾配も多く、特にSLならばそれだけ蒸気も上がるので見栄えがいいとされる。

沿線のところどころではこのように撮り鉄が並ぶ。「DLやまぐち号」でDE10が重連で牽引するのはこの夏が初めてということで、これはこれで多くの人を集めている。JRとしても、SL不在の間も何とか「やまぐち号」の利用客をつなぎとめようというところだ。

仁保に到着。5分ほど停車ということで、雨の中ホームに出る。ホームや跨線橋で傘が開き、ちょっとした撮影タイムとなる。山間の小駅に客車列車・・国鉄末期のローカル線の写真集や宮脇俊三の紀行文の世界だ。

この仁保から次の篠目までがコース一の難所で、本格的な上りに差し掛かる。いくら機関車の重連とはいえ、ここではスピードが落ちる。トンネルも続くので窓を閉めるようアナウンスが入る。

係の人が乗車記念券を配りに回る。普段「DLやまぐち号」に従事しているDD51をデザインした1枚に加えて、夏のイベントとして、瀬戸内のアイドル「STU48」とのコラボとして、STUメンバーの瀧野由美子さんがプロデュースしたオリジナルデザインの乗車記念券が加わる。

上りを終えて、窓を開けてもよいとのアナウンスが入る。車内はほどよく空調も効いているし、外は雨がぱらついているのだがせっかくなので窓を開ける。周囲の家の屋根も石州瓦に変わり、同じ山口市内でもエリアが動いたのを感じる。

長門峡の辺りではまた沿線にギャラリーが増える。

12時16分、地福に到着。12時30分までの停車で、ここも撮影タイムとなる。

跨線橋はなく、構内踏切を渡って駅の外にも出てみる。バス停はあるが、現在はコミュティバスが出るのみだ。

この後はりんご園のある徳佐を過ぎ、島根県との県境に入る。再び少しずつ山深い車窓となる。

船平山の県境を越え、島根県、津和野町に入る。そういえば、前の記事で紹介した「山口ゆめ回廊博覧会」の7つの自治体の中に、島根県だが津和野も入っている。やはり「SL(DL)やまぐち号」の終点でもあるし、「萩・津和野」と観光でもセットになることが多いことがある。

津和野の町の中心部に入り、12時58分、津和野到着。

新山口から2時間の乗車だったが、車内、車窓ともローカル線の雰囲気を満喫することができた。またこの秋はD51が検査・修繕を終えて復帰する予定で「SLやまぐち号」に戻るが、期間限定のこの「DLやまぐち号」も、春と合わせて上下線乗ったことで私にとって懐かしい「汽車旅」を楽しむことができた。また他の路線でも客車列車に乗りたいものである。

さて津和野からどうするか・・・。

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