まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

食人宴

2006-09-19 | イギリス、アイルランド映画
 私って何で、こう頭が悪いんだろう、と思うことが、最近とみに多いです。
 誰でも思いつくこと、言えることなのに...何でこんなに頭の回転が遅くて鈍いのか、つくづく自己嫌悪に陥ります。
 やっぱ、ちょっと知能指数が低いのかなあ、と本気で思ったり。小学校の時、知能テストの出来があまりにも悪くて、職員室に呼ばれたこともあった私。小学校の高学年まで、九九も言えなかったし、定規の使い方も分からなかったし。
 でもまあ、今さらどんなに鍛えても、頭は劣化していくばかり。ならばせめて、性格だけでも良くしたい。でも、頭以上に悪さを自覚してる我が性格も、矯正不可能...

 「コックと泥棒、その妻と愛人」
 ゲロゲロ(死語?)!トンでもない映画とは聞いてたけど、あうう。
 見た目も味もスゴいゲテモノ料理を食べてしまった、みたいな。それが何とも言えない奇怪な味で、認めたくないけど美味しかった、でも二度と食いたくない!みたいな。そんな映画です。
 どう説明していいか、とんと表現が思いつかない。一言で言い表せば、今まで観たことなかったような、変な映画?とにかく、グロテスクでアブノーマル。それでいて、あまりにもメチャクチャすぎて、何か笑える。
 主な舞台は、レストラン。そこの支配人でもある泥棒のボスと彼の妻、手下たち、妻の愛人や料理長が繰り広げる、食欲と愛欲と狂乱の宴!
 設定も演出も台詞も展開も、ほんとユニークというには言葉が弱すぎるほど独特で、慣れるまで何じゃこりゃあ!?の連続。最後まで耐えられるかなあ、と心配でしたが、大丈夫でした。逆に、だんだん面白くなってきて、ヘンな笑いを噛み殺しながら楽しんでしまった...
 まず、泥棒のボスが強烈なキャラ。凶暴極悪で、まるで狂犬みたいなオッサン。おまけに超下品で超お喋り。食事中、くっだらない(でも笑える。一緒に食事は、死んでもイヤだけど!)&オゲレツなコトばっか喋りまくり。彼の下品語録、書きとめておきたかったほど、強烈です。暴れまくり喋りまくり食べまくり。客にも問答無用&傍若無人に襲いかかってくるボス。こんな狂った男の経営するレストランなんか、絶対行きたくない!でも、なぜか店はいつも客でいっぱい。よっぽど料理が美味しいのかな?
 で、そんな野獣みたいな夫に辟易してる妻は、客の中年男とトイレでセックス。彼と本気で恋に落ちてしまい、夫の目を盗んで、料理長の協力を得て厨房でもセックス。でも夫にバレて、トンでもない愛の制裁が!
 さんざん虐げられてきた妻の、最後にブチかます夫への復讐が、うげげげげー!!
 ピーター・グリーナウェイ監督の、そのあまりといえばあまりな悪趣味に、胃もたれが...同じ変態悪趣味系でも、アルモドバル監督のほうが、まだ可愛い。
 ゴルチエの衣装も、毒々しくて不気味。レストランの、店内・トイレ・厨房で衣装や画面の色が変わる映像の凝った趣向も、ほんと独特。
 泥棒のボス役、マイケル・ガンボンのケダモノぶりが、怖くて笑えます。彼、ハリー・ポッターの校長先生だとか?ハリポタファンには、ぜひ御覧いただきたい彼の超絶怪演です。
 妻役は、名女優ヘレン・ミレン。
             
 彼女も、ガンボンに負けず劣らず怪演!トイレや厨房で、欲情ファック。熟れすぎたオールヌードが、痛ましい。すっぽんぽん(ボカシが卑猥)で、愛人と一緒に夫から逃げるミレンおばさま。まさに女優魂ここに極まる!って感じです。
 料理長役は、フランスの怪優リシャール・ボーランジェ。ただ立ってるだけで、面妖なムード。彼の英語、初めて聞けました。
 ボスの手下の一人に、ティム・ロスが。まだ若い&可愛い。ちょっとバカっぽい役で、微笑ましいです。
 いやあ、ほんと疲れた...観終えると、まるで怪夢から醒めた開放感。でも、その怪夢を見てる間は、苦しげにうなされてたのではなく、楽しげに笑ってた、みたいな。こーいう映画、嫌いじゃないかもな自分が、ちょっと怖いです。
コメント
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