まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

トニのセックスを笑うな

2008-02-07 | 中国・台湾・香港映画
 某女性誌の主婦川柳に、また傑作なものが...
 “カレよりも おふとん欲しい 冬の朝”
 “ねえ彼女 振り向く私に 『フザケンナ』”
 クスっと笑える中にも、ちょっと歪んだイタさがあるところが、主婦の感性でしょうか。

 「ラスト、コーション」
 公開前から話題騒然の作品を、やっと観ることができました。
 日本占領下の上海。若い抗日運動グループの一員であるワンは、傀儡政府の高官イー暗殺計画を遂行するため、彼に近づくが...
 あいや~!トニー・レオン、どうしちゃったの~!?ビツクリってもんじゃないよ。不惑の年になって、狂い咲き!スゴいことをヤってるって聞いてたけど、予想・期待以上の仰天驚愕まぐわいシーンでした。
 最初は、ヒロインを殴る!ベルトで打つ!縛る!下だけ脱いで後ろから荒々しく突入!など、レイプ風味のSMプレイ。次のセックスシーンは、そんな体位ありなの!?な、アクロバット?な濡れ合い。よほど体が柔軟でないと、マネできないです。フツーにできないの!?と唖然となってしまいますが、生と死の隣り合わせで生きる二人の緊張や抑圧が、セックスに異様な形で表れたということでしょうか。

 ↑愛の性典カーマストーラですか~?
 トニー・レオンもヒロインのタン・ウェイも、一般映画では近年稀な奮闘性交演技を披露しています。本番疑惑、さもありなん。ケツどころか、ボカシで見えないけど局部も丸出し!目を凝らせば、トニさんのタマ袋は見えそう。タン・ウェイの剃ってない腋毛も、淫靡な感じ。観てるとヘンな汗が出てきそうな二人の合体ぶりですが、エロいというより、とんでもなさすぎて、何か笑えるんだよなあ。アン・リー監督の前作「ブロークバック・マウンテン」のジェイクとヒースのラブシーンもそうだったけど、シリアスで悲痛なのに、その切羽詰った感じが返って滑稽にも見えて。それにしてもアン・リー監督、すっかり性愛文芸の名匠化?
 とにかくトニさんの、果敢な役者魂を讃えたい!
 彼ほどの大スターともなれば、もう敢えてリスクを犯すような挑戦はしないものなのに。つまんない守りに入ったりせず、常に変化と進化を求めるトニさんの姿勢は、ほんと役者はこうあるべし!な見本と言えるのでは。日本や韓国の俳優なんて、やっぱユルいヌルいなあと思う。彼らよりはるかに格上なトニさんでさえ、あそこまでやってるんだし、ほんとに役者としての気概があるのなら、ぜひ触発されてトニさんを超える演技にチャレンジしてほしいものです。
 恐らくこれが最後の全裸すっぽんぽんも、グッドタイミングなトニさん。見たくねー!な汚い見苦しい爺になってから脱がれても、困惑するだけだしね。
 セックスシーンもだけど、何だか狙ってるとしか思えないような、笑えるシーンも少なくないトニさん。ヒロインを見つめる好色な目線&表情とか。ラスト近く、宝石店から逃げる姿なんて、爆笑もの?です。
 
 ダッシュ!猛ダッシュ!この後、車の中にダイブするトニさん↑
 小柄だけど、スーツが超似合うのもトニさんの素敵なところ。裸より、スーツ姿のほうが色っぽい。中国服は、何か可愛いです。
 ヒロイン、ワン役のタン・ウェイは、イ・ヨンエ似?地味可愛いです。まさに女優生命を賭けた演技です。でもワン、相手がトニさんみたいなE男で、ほんと良かったね!同じオヤヂでも、醜い脂ぎったオッサンとアンなことコンなことだったら、耐えられない地獄ミッションだと思うし。
 
 ヒロインのグループのリーダー役ワン・リーホンの、イケメンぶり&激演も見ごたえあり。川崎マヨ+玉鉄を理知的に上品にシャープにした感じの男前です。背が高くてスタイル抜群。タンクトップになると、すごい筋肉質バディ。大人気の歌手ですが、演技にも才能があるのでは。今後も期待!
 理想や思想のためには、自分を捨てきることができる、狂信的で破滅的な若者の姿が、悲壮かつ愚かにも思えます。あんな形で情熱と命を燃やさねばならないなんて、悲劇的。イーを誘惑するため、好きでもない男でロストバージン&セックス練習するワン。信じられない。想いを寄せ合っていたリーホンが練習相手じゃないところが(童貞だからという理由で辞退)、またイタさ倍増。リーホンくん、ヤってあげろよ!彼が最後まで童貞のままだったのかが気になる。
 ブロ山もそうだったけど、丹念すぎてちょっと冗漫な感じも。もうちょっと短くしても良かったのでは。
 当時の上海や香港の様子を再現したセットや衣装も、興味深いです。亭主やレジスタンスの若者を尻目にした、有閑マダムたちのノーテンキのほほんぶりが、いい気なもんだなあと笑えます。
 
 華流スターの底力、恐るべし!
 
コメント (8)
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