茨城の通り魔事件。岡山のホーム突き飛ばし事件。容疑者たちの犯行の動機は、どれも“殺すのは誰でもよかった”...
何の面識もない赤の他人に、破滅の道連れに選ばれてしまうなんて、怖い...こんな防ぎようもない理不尽な災厄、自分にはありえない!とは、決して断言できません。私だって、ジョニー・デップの恋人になるより、わけのわからない狂人に殺される被害者になる可能性のほうが、よっぽど高いもんね。そう思うと、春に浮かれる気分も暗く沈んで、うかつに出かけることも躊躇...
被害者の方々の御冥福を、心から祈ってやみません...
「昼顔」
美しい人妻セヴリーヌは、満たされない淫らな欲望の果て、“昼顔”という名の娼婦となり、さまざまな男たちと...
巨匠ルイス・ブニュエル監督、大女優カトリーヌ・ドヌーヴ主演、というだけで、何だかスゴい名作っぽい感じがします。事実、二人の作品の中でも、屈指の有名作なのでは。ドヌーヴのセンセーショナルな役と演技は、もはや伝説となってますよね。ついに私も観るに至ったのですが、危惧してたようなワケワカメ芸術映画ではなく、かなりブットビな笑える内容&シーンがテンコモリな、変態エロ映画だったので驚喜。エロさも、あけすけな下品さは皆無で、エレガントなベールで包んだ卑猥さが、返って淫らさを濃くしています。
セヴリーヌのように、性の歓びを得るため娼婦になるというのは、すごく病的ですよねえ。金のための売春以上に陰惨です。でも、ほとんど思い悩む様子もなく、結構あっけらかんと楽しそうに娼婦やって、身も心も前より健康的になっちゃってるセヴリーヌの姿を見てると、こーいう療法もアリかも?なんて思ったり。
セヴリーヌの淫らな妄想&客の男たちの変態ぶりが、ほんと面白くて笑えます!
馬車から引きずり降ろされ、ズルズルと森の中へ引きずられて行き、縛られて服を引き裂かれ、ムチでビシバシ!あげくは、夫に命令された醜い御者に犯され...しょっぱなから炸裂する、めくるめくセヴリーヌの妄想ワールド!縛られて(奥様は、緊縛がお好きみたいです)、夫や男たちから『このスベタ!売女!』と罵られながら泥をぶっかけられる、というバージョンも、なかなかの妄想力です。
客も、危ない奴だらけ。高名な老学者の、奥様と召使プレイが傑作。奥様に扮した娼婦に罵倒され、ムチで打たれたり足で踏みつけられてハアハア興奮する爺さん。たまに素に戻って、まだ(ムチ打ちは)早い!と怒ったりするのも、笑える。あと、貴族の館での、死んだ娘を嘆くパパごっこも、ヤバくて笑えます。イメクラもどきの仕事もこなす娼婦たち、ホントご苦労さまって感じです。
セヴリーヌにマジ惚れして、ストーカー化する若いヤクザ(ちょっとキリアン・マーフィ似)も怖い。売春する上で、病気と同じく危険なのが、これですよね。ばったり街で客と会うってこともあり得るし、慎重さも必要な仕事です。
とまあ、セヴリーヌの淫靡な願望と、客たちの歪んだ欲望が、蔦のように妖しく絡まり合い、狂い咲いております。
カトリーヌ・ドヌーヴは、ほんと別世界の美女って感じです。最近の女優と違い、親しみやすさなど微塵も感じさせない氷雅の美貌に圧倒されます。それにしても、当時24歳ぐらい?仲間ユキエや竹内U子より年下!?スゴすぎる。30近くになっても、まだ清純ぶってる今の日本の女優とは、奥の深さが違いますよねえ。
セクシー女優が裸になってアンなことコンなことするって内容だったら、単なる安いエロ映画になるところですが、演じているのは世界最高級女優の代名詞といえるドヌーヴ。そこが、この作品を凡百のエロ映画とは格の違うものにしています。フツーの男など手も届かない、見向きもしない冷たくお高い美女を、いたぶり汚したい!という妄欲を持つ男性には、たまらない映画かもしれません。ドヌーヴの着こなすイヴ・サンローランの衣装、ちょっと皇室系というか、一般人にはなかなか難しいファッションですよね。
何の面識もない赤の他人に、破滅の道連れに選ばれてしまうなんて、怖い...こんな防ぎようもない理不尽な災厄、自分にはありえない!とは、決して断言できません。私だって、ジョニー・デップの恋人になるより、わけのわからない狂人に殺される被害者になる可能性のほうが、よっぽど高いもんね。そう思うと、春に浮かれる気分も暗く沈んで、うかつに出かけることも躊躇...
被害者の方々の御冥福を、心から祈ってやみません...
「昼顔」
美しい人妻セヴリーヌは、満たされない淫らな欲望の果て、“昼顔”という名の娼婦となり、さまざまな男たちと...
巨匠ルイス・ブニュエル監督、大女優カトリーヌ・ドヌーヴ主演、というだけで、何だかスゴい名作っぽい感じがします。事実、二人の作品の中でも、屈指の有名作なのでは。ドヌーヴのセンセーショナルな役と演技は、もはや伝説となってますよね。ついに私も観るに至ったのですが、危惧してたようなワケワカメ芸術映画ではなく、かなりブットビな笑える内容&シーンがテンコモリな、変態エロ映画だったので驚喜。エロさも、あけすけな下品さは皆無で、エレガントなベールで包んだ卑猥さが、返って淫らさを濃くしています。
セヴリーヌのように、性の歓びを得るため娼婦になるというのは、すごく病的ですよねえ。金のための売春以上に陰惨です。でも、ほとんど思い悩む様子もなく、結構あっけらかんと楽しそうに娼婦やって、身も心も前より健康的になっちゃってるセヴリーヌの姿を見てると、こーいう療法もアリかも?なんて思ったり。
セヴリーヌの淫らな妄想&客の男たちの変態ぶりが、ほんと面白くて笑えます!
馬車から引きずり降ろされ、ズルズルと森の中へ引きずられて行き、縛られて服を引き裂かれ、ムチでビシバシ!あげくは、夫に命令された醜い御者に犯され...しょっぱなから炸裂する、めくるめくセヴリーヌの妄想ワールド!縛られて(奥様は、緊縛がお好きみたいです)、夫や男たちから『このスベタ!売女!』と罵られながら泥をぶっかけられる、というバージョンも、なかなかの妄想力です。
客も、危ない奴だらけ。高名な老学者の、奥様と召使プレイが傑作。奥様に扮した娼婦に罵倒され、ムチで打たれたり足で踏みつけられてハアハア興奮する爺さん。たまに素に戻って、まだ(ムチ打ちは)早い!と怒ったりするのも、笑える。あと、貴族の館での、死んだ娘を嘆くパパごっこも、ヤバくて笑えます。イメクラもどきの仕事もこなす娼婦たち、ホントご苦労さまって感じです。
セヴリーヌにマジ惚れして、ストーカー化する若いヤクザ(ちょっとキリアン・マーフィ似)も怖い。売春する上で、病気と同じく危険なのが、これですよね。ばったり街で客と会うってこともあり得るし、慎重さも必要な仕事です。
とまあ、セヴリーヌの淫靡な願望と、客たちの歪んだ欲望が、蔦のように妖しく絡まり合い、狂い咲いております。
カトリーヌ・ドヌーヴは、ほんと別世界の美女って感じです。最近の女優と違い、親しみやすさなど微塵も感じさせない氷雅の美貌に圧倒されます。それにしても、当時24歳ぐらい?仲間ユキエや竹内U子より年下!?スゴすぎる。30近くになっても、まだ清純ぶってる今の日本の女優とは、奥の深さが違いますよねえ。
セクシー女優が裸になってアンなことコンなことするって内容だったら、単なる安いエロ映画になるところですが、演じているのは世界最高級女優の代名詞といえるドヌーヴ。そこが、この作品を凡百のエロ映画とは格の違うものにしています。フツーの男など手も届かない、見向きもしない冷たくお高い美女を、いたぶり汚したい!という妄欲を持つ男性には、たまらない映画かもしれません。ドヌーヴの着こなすイヴ・サンローランの衣装、ちょっと皇室系というか、一般人にはなかなか難しいファッションですよね。