まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

summer foliage

2008-04-09 | 中国・台湾・香港映画
 お花見に行きそびれてる間に、打ち続く風雨で桜が散ってしまいそうです。
 観そびれているうちに、いつの間にか観たかった映画も上映終了...
 特集記事目当てで買おうと思ってた週刊誌、うっかりしてたら次週号に変わってた...
 最近、こんなんばっかだなあ。逃して乗れなかった波を、岸辺で切なく思うサーファーな気分です...

 「美人草」
 我的愛リィウ・イエ主演の日本未公開作を観ることができました♪
 文革時代、1974年の中国。下放により知識青年たちは、山野で労働に従事していた。病気の父のため帰省していたシンユーは、山へ戻る途中のバスで、スーモウという青年と知り合い、惹かれ合うものを感じるが...
 シンユーとスーモウの恋愛物語よりも、当時の中国で行われていた、こんなことマジでやってたのか~と目がテンになる上山下郷運動の様子が興味深かったです。主人公二人のラブストーリーは、それを描くための軸みたいな感じ。
 徴兵ならぬ徴農?青少年を山や農村に送りこんで働かせながら、厳しい思想教育。遠い過去のことじゃないのが、ほんと吃驚。生活ぶりも、まるで終戦直後の日本みたい。物資が乏しいとか飢えてるとかではなく、努めてシンプルに清貧してるところが、ほんと豊かな資本主義は罪悪!と言わんばかりで、ちょっと怖いです。
 “下放”とか“修正主義”とか、政治に無知無関心な私には、何それ?な初耳ボキャブラリーだったので、勉強になりました(「中国の小さなお針子」では、“再教育”を教えられた)。文革時代に興味がある人には、一見の価値のある映画では?

 リィウ・イエが、めっちゃ可愛かったです!シンユーが乗ろうとしたバスの屋根に、ヒョコっと姿を現す初登場シーンから、もう可愛いオーラびんびん!シンユーとは別グループのカリスマリーダー役なんだけど、カッコつけたところなど皆無で、ひたすら可愛い!ほんと、無邪気でピュアな存在感と笑顔!ちょっとだけ不良っぽい、明るく男らしい役だったのも新鮮。でも、やっぱ不幸で悲惨な運命からは逃れられない役ってのが、いつものリィウたんですが。シンユーの彼氏とその仲間に騙し討ちされ、ボコボコにされるシーンが哀れ!
 それにしても。いかにも演技してる、作ってるって感じが全然ないところが、いつも素晴らしいリィウたん。さらに物語の舞台は、彼が最高に輝き映える未開のド田舎なので、ほんと水を得た魚のように魅力的です。森の中の隠れ家が素敵です。
 それと。映画の中の彼を見て、いつも思うのですが。リィウたんて、素朴でフツーっぽいけど、一般人世界にいそうで絶対いない男子なんですよね。垢西とか亀虫とかみたいなのは、夜の街に行けばゴロゴロいそうだけど。ふとした表情とか、愁いある横顔とか、ハっとなるほどリィウたんが美男に見える瞬間が、この映画にもあります。長い手足を持て余しているような、不器用な雰囲気を醸すデカい図体も、彼をどこにいても目立たせます。ヒロインに冷たくされてショゲる彼は、まさに捨てられたデカい犬の哀愁!
 しかしながら、どちらかと言えば主役の比重は、ヒロインのスー・チーのほうが大きいです。いつも私の好きな男前とばかり美味しい共演していて、羨ましいにもほどがある彼女ですが、美人ではないけど個性的な女優ですよね。可愛くなった吉田美和みたいな顔?リィウくんと、真昼間の山小屋教室でブチュっとキス、机をベッドにして結ばれるシーン、ああ~わしと代われや~!と本気で羨望!
 リィウたんの子分・狗屁(クソガキ、という意味らしい)が、ガキんちょなのにニヒル&クールで、いい味だしてます。
     
   スーチー、美人...か?二人は新作「天堂口」でも共演しています
コメント
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