まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

うしろ指さされ姫

2009-02-15 | 日本映画
 お松の独り懐かし邦画映画祭②
 「千姫」
 嫁ぎ先の豊臣家が滅亡、祖父の徳川家康によって江戸に連れ戻された千姫は、虚しさを紛らわすために放埓三昧な日々を。大坂城から千姫を救い出した坂崎出羽守は、彼女を与えるという家康の約束を反故にされ憤死。主君の仇を討つため、坂崎の家臣である新六は千姫に近づくが...
 1954年の作品です。むかしの時代劇って、ほんと重厚で豪華絢爛ですね。最近の大河ドラマとかは、軽くてショボくて安普請に見えるのはなぜ?同じ扇や几帳や御簾でも、この千姫がアンティークなら、あの篤姫はディスカウント品、みたいな。千姫の着物や調度品など、華やかで趣があって目に楽しかったです。
 千姫淫奔伝説の裏に秘められた、悲しい運命の物語...なんだろうけど、千姫に運命を狂わされた男たちの悲劇、みたいな感じでもあった。最初の夫である豊臣秀頼は戦死、坂崎出羽守は結婚詐欺?に遭って狂死、再婚相手の本多は若くして病死、許されぬ恋仲になった新六も...と、関わった男たちを悉く悲運に導く千姫、まさに魔性の女!
 けっやってられっか~!とばかりに、グレて荒んで遊び呆ける千姫。ちっとも楽しそうじゃない、苦行のような放埓ぶりがスゴい。千姫が乱舞するシーンは、華麗で圧巻。とりまき3人男と千姫のやりとりが笑える。自分に媚まくる男妾たちが殺し合いの喧嘩になっても、ふん犬めが!死ね!と冷笑する千姫が怖いです。
 新六への千姫の、好きだけど冷たくしちゃうの♪なツンデレっぷりときたら。出すぎ者!下郎!なんて罵りつつ、優しくて強くて男前な新六に胸キュンな千姫。私もイケメンにツンデレしてみたい~!
 千姫役の京マチ子。まさに魔性の美しさです。気性の激しさにも凄気があって、圧倒されます。今の女優にはないド迫力の美貌です。高貴な姫君にしては、妖艶すぎるが。ヒステリックな声が怖いです。
 新六役の菅原謙二が、地味だけど男らしくて優しそうで、なかなかイケてました。彼ではなくブサイクな家臣を刺客に選んでたら、千姫を暗殺できてたかも?
 この作品を観たのは言うまでもなく、豊臣秀頼役の市川雷蔵に逢いたかったからさ♪
 
 デビューしてまだ間もない頃の雷蔵、当時23歳ぐらい?わ、若い!けど、あんまし男前には見えなかったなあ。始まって10分ぐらいで消えるし。ひょっとして、実は生きていたとかゴーストになって登場?とか期待しましたが、もちろんオカルトやコメディ映画じゃあるまいし、そんなバカなことにはなりませんでした♪
 淀君役の東山千栄子、飲んでたコーヒーをブっと吹いちゃったほど、強烈インパクトな見た目。ほとんど芸人がコントで女装してるみたいな奇怪さです。ブチギレキャラも笑える。
 ブチギレといえば、坂崎出羽守役の山形勲も、相当のイっちゃってるぶり。怖い貫禄ある老人な山形氏しか知らなかったので、まだ若い彼の姿は新鮮でした。いちばん可哀相なのは、坂崎だよなあ。
 この映画、TVドラマでリメイクするとしたら、理想は...
  
  千姫・・・市原悦子
  新六・・・福士誠治
  豊臣秀頼・・・片岡愛之助
  坂崎出羽守・・・高橋和也
  男妾A・・・山崎邦正
  男妾B・・・向井理
  男妾C・・・半田健人
  淀殿・・・富士真奈美
  徳川家康・・・片岡仁左衛門
 
 こんなん出ましたけどぉ~?
 家康と家臣たちの密談を、ふすまの間からのぞく千姫...というシーンも、もちろんあります♪
  
 
コメント
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