お松の独り懐かし邦画映画祭⑤
「女の小箱より 夫が見た」
ゴールデンコンビ、増村保造監督&若尾文子主演作品。原作は黒岩重吾の小説。
美しい人妻・那美子は夫にかえりみられず、満たされない孤独な日々。そんな彼女に、石塚というナイトクラブの経営者が近づいてくる。成り上がろうと野心に燃える石塚は、那美子の夫の会社を乗っ取ろうとしていたが...
さすが増村監督&若尾アヤパン。サスペンスなメロドラマにも、淫靡で退廃的な香りがけだるく漂っています。そして、エロい。冒頭の、那美子の入浴シーンのイヤらしいムードときたら。たぶん若尾文子ではなく吹き替えだろうけど、決してピチピチではない、ちょっと崩れた熟女の白い裸体が、オヤヂののぞき視線的アングルで撮られてます。お尻や乳首の隠し方が、すべてをドド~ンと見せるよりも淫猥です。
若尾文子の倦怠感ある美しさが好き。ヘンに笑ったり泣いたりせず、いつも不機嫌に無表情。けだるい喋り方とか、冷たくドライだけど破滅的な情念で男をダメにするところとか、見た目は和風美女だけど雰囲気はフランス女優っぽい。大人の女のアンニュイで淫蕩な色香、というフランス女優的な魅力って、今の日本の女優にはないですよね。
石塚役の田宮二郎も、すごくカッコよかったです。精悍で豪胆で度量があって非カタギな男らしさが魅力。
ベッドシーンも、短いけど今の邦画では見られないアダルティなテイスト。夫以外の男を初めて知り、『初めてよ、こんなに...どうして?なぜ?』と、また男を求める那美子がエロい。若尾文子、ギリギリまで見せてます。両膝を立てて胸を隠すなど、そのギリギリ手法が上手で笑えます。田宮二郎の、アスリートみたいな引き締まった肉体美も見もの。
でも、いちばん目立ってたのは、石塚の愛人役の岸田今日子かも。こ、怖い!こんな激ヤバそうな女、ぜったい裏切っちゃいけないですよねえ。ラストのコワレっぷりときたら。『暴行、硫酸、顔を切る♪そんなこと喜んでやってくれる連中、いっぱいいるんだから~♪』など、ルルル~ラララ~♪と歌うような調子で吐く物騒な台詞が怖笑。ネットリ狂ってる岸田キョンキョンです。彼女みたいな怪女優も、今いないのが惜しい。
女の冷たい情念や狂った執着などが強烈なので、本来のメインテーマかもしれないサラリーマン世界の非情な実態が、ほとんどサイドストーリーっぽくなってました。
増村監督、若尾アヤパン、岸田キョンキョンといえば、やっぱ「卍」!あの映画もネットリ淫靡で、ぷっつんイっちゃってますよねえ。
「女の小箱より 夫が見た」
ゴールデンコンビ、増村保造監督&若尾文子主演作品。原作は黒岩重吾の小説。
美しい人妻・那美子は夫にかえりみられず、満たされない孤独な日々。そんな彼女に、石塚というナイトクラブの経営者が近づいてくる。成り上がろうと野心に燃える石塚は、那美子の夫の会社を乗っ取ろうとしていたが...
さすが増村監督&若尾アヤパン。サスペンスなメロドラマにも、淫靡で退廃的な香りがけだるく漂っています。そして、エロい。冒頭の、那美子の入浴シーンのイヤらしいムードときたら。たぶん若尾文子ではなく吹き替えだろうけど、決してピチピチではない、ちょっと崩れた熟女の白い裸体が、オヤヂののぞき視線的アングルで撮られてます。お尻や乳首の隠し方が、すべてをドド~ンと見せるよりも淫猥です。
若尾文子の倦怠感ある美しさが好き。ヘンに笑ったり泣いたりせず、いつも不機嫌に無表情。けだるい喋り方とか、冷たくドライだけど破滅的な情念で男をダメにするところとか、見た目は和風美女だけど雰囲気はフランス女優っぽい。大人の女のアンニュイで淫蕩な色香、というフランス女優的な魅力って、今の日本の女優にはないですよね。
石塚役の田宮二郎も、すごくカッコよかったです。精悍で豪胆で度量があって非カタギな男らしさが魅力。
ベッドシーンも、短いけど今の邦画では見られないアダルティなテイスト。夫以外の男を初めて知り、『初めてよ、こんなに...どうして?なぜ?』と、また男を求める那美子がエロい。若尾文子、ギリギリまで見せてます。両膝を立てて胸を隠すなど、そのギリギリ手法が上手で笑えます。田宮二郎の、アスリートみたいな引き締まった肉体美も見もの。
でも、いちばん目立ってたのは、石塚の愛人役の岸田今日子かも。こ、怖い!こんな激ヤバそうな女、ぜったい裏切っちゃいけないですよねえ。ラストのコワレっぷりときたら。『暴行、硫酸、顔を切る♪そんなこと喜んでやってくれる連中、いっぱいいるんだから~♪』など、ルルル~ラララ~♪と歌うような調子で吐く物騒な台詞が怖笑。ネットリ狂ってる岸田キョンキョンです。彼女みたいな怪女優も、今いないのが惜しい。
女の冷たい情念や狂った執着などが強烈なので、本来のメインテーマかもしれないサラリーマン世界の非情な実態が、ほとんどサイドストーリーっぽくなってました。
増村監督、若尾アヤパン、岸田キョンキョンといえば、やっぱ「卍」!あの映画もネットリ淫靡で、ぷっつんイっちゃってますよねえ。