さらばジェーン・テニスン!ヘレン・ミレン主演の第一容疑者シリーズ最終章、「希望のかけら」を観ました。
引退直前のテニスン警視は、アル中気味で任務にも支障が。そんな中、サリーという14歳の少女が失踪。やがて彼女は他殺死体となって発見される。検死の結果、サリーは妊娠していたことが判明。捜査を指揮するテニスンは、サリーの友人ペニーと親しくなるが...
あららら。テニスンさん、アル中でフラフラボロボロじゃん!事件の捜査や謎よりも、テニスンの醜悪で悲痛な姿のほうが、怖くて面白かったかも...
女って、あまりにも強くて頭が良すぎてプライドが高すぎるのも、何だか考えものだな~と、テニスンを見てて思いました。他人も自分さえも愛せない人間って、テニスンみたいになっちゃうんだな~と背筋が凍った。他人に弱みを見せられないテニスン、実は誰よりも脆く弱い人間なのかも。
でもほんと、最終回になってついにコワレた感のあるテニスン警視。朝っぱらから水代わりに酒をラッパ飲み、部下からの電話も覚えてない、酔って車の運転、激しい躁鬱etc.正視に堪えぬ醜態。うわっひでぇ!いくら何でもこれは、と呆然となりつつ醜すぎて笑えたのは、お父さんの葬式の後カフェで妹とその娘相手に、ヘベレケ状態で口汚い雑言を吐くシーン。『私は死体なんかイヤってほど見てるんだから』『あの家が欲しいんでしょ。そのことで頭がいっぱいなくせに。好きにすれば』『こんなのと同席してるのが恥ずかしいんでしょ。私はあそこにある植木鉢にオシッコして追い出されても平気なんだから』『こんな店、ゴミ溜めよぉ!』何でそこまで性格が荒んで歪んでしまったの?!と、嫌悪感以上に憐れみを覚えてしまった。長く過酷な刑事生活が、彼女をボロボロにしちゃったんだろうなあ。テニスンの引退後の生活が、どんなに悲惨無残なものとなるか予測できる。家に閉じこもって酒びたりな老婆となり、確実に孤独死。O原R子と同じ道をたどることでしょう...
人間的には破綻してますが、刑事としては相変わらず敏腕で優秀なテニスン警視。男どもを叱咤し見下しアゴでコキ使い、どんな状況でも決して臆することなく、冷酷無情で容赦のない不屈の捜査は、ほんとカッコいいです。その最強の女BOSSぶりに比べると、日本の天海ゆうきボスなんて幼稚園児、いや、赤子同然。毎回だけど、どんなにコワモテな野郎がスゴんでも、テニスン警視のほうが怖い。男なんて、彼女には完全に位負けしてるもん。
それにしてもテニスン警視、身も心も消耗しきり、もう何も残ってない虚空のような心を抱えて、どうやって老いた日々を生きてゆくのだろう...索漠としたラストの彼女の表情に、暗澹となってしまいました。
被害者の遺族の苦痛、容疑者となった人物の家族崩壊など、目を覆いたくなる悲惨さ。あぶり出された現代社会と人間の歪みが、リアルで残酷。こんな事件、実際にも十分ありえるよな~という怖さ。それが、このシリーズの魅力です。緊迫感があるところも好き。田村マサカズとか水谷ユタカとか織田ゆうぢとかの刑事ドラマが好きな人には、ヘヴィ&ダークすぎるかもしれません。日本でも、こーいう現実的な社会派刑事ドラマ、作れそうだけどなあ。でもまあ、そんなの観たい人は少ないんだろうけど。
興味深かったのは、イギリスのコギャル(死語?)の生態。携帯ばっかいじってる姿やバカっぽい言動などは、日本と同じで笑えた。それにしても。14歳で既婚者と不倫して妊娠して、挙句に殺されちゃうサリー。あんまし同情できなかったなあ。容疑者にまでなった両親が可哀想!
一世一代の当たり役、ジェーン・テニスン警視役にピリオドを打ったヘレン・ミレン、さすがの名演です。ヤな女を通り越して、ヤバい女になっちゃってた素晴らしすぎるアル中ぶりだったコワレぶりも、大げさに熱演したり台詞や感情をブチまけたりせず、鬼のような無表情とかナニゲない動きとかで表現してたのが、やっぱ凡百な女優とは違う大女優ミレンおばさまです。それと、シワも体の弛みもまったく隠そうとしない、リアルすぎるオババぶりが圧巻!これも、日本の女優などには絶対マネのできない勇敢さ、女優魂!ナニハトモアレ、お疲れさまミレンおばさま!寂しいけど、見事な幕引きでした。
サリーの友達で、テニスンと親しくなるペニーが、なかなか複雑で面白いキャラだった。テニスン、可愛いペニーの気を惹こうとしたり彼女を連れまわしたり家に引き入れたり、少女への執着ぶりがヤバい感じだった。手を出しちゃうんじゃないかとハラハラしてしまった
引退直前のテニスン警視は、アル中気味で任務にも支障が。そんな中、サリーという14歳の少女が失踪。やがて彼女は他殺死体となって発見される。検死の結果、サリーは妊娠していたことが判明。捜査を指揮するテニスンは、サリーの友人ペニーと親しくなるが...
あららら。テニスンさん、アル中でフラフラボロボロじゃん!事件の捜査や謎よりも、テニスンの醜悪で悲痛な姿のほうが、怖くて面白かったかも...
女って、あまりにも強くて頭が良すぎてプライドが高すぎるのも、何だか考えものだな~と、テニスンを見てて思いました。他人も自分さえも愛せない人間って、テニスンみたいになっちゃうんだな~と背筋が凍った。他人に弱みを見せられないテニスン、実は誰よりも脆く弱い人間なのかも。
でもほんと、最終回になってついにコワレた感のあるテニスン警視。朝っぱらから水代わりに酒をラッパ飲み、部下からの電話も覚えてない、酔って車の運転、激しい躁鬱etc.正視に堪えぬ醜態。うわっひでぇ!いくら何でもこれは、と呆然となりつつ醜すぎて笑えたのは、お父さんの葬式の後カフェで妹とその娘相手に、ヘベレケ状態で口汚い雑言を吐くシーン。『私は死体なんかイヤってほど見てるんだから』『あの家が欲しいんでしょ。そのことで頭がいっぱいなくせに。好きにすれば』『こんなのと同席してるのが恥ずかしいんでしょ。私はあそこにある植木鉢にオシッコして追い出されても平気なんだから』『こんな店、ゴミ溜めよぉ!』何でそこまで性格が荒んで歪んでしまったの?!と、嫌悪感以上に憐れみを覚えてしまった。長く過酷な刑事生活が、彼女をボロボロにしちゃったんだろうなあ。テニスンの引退後の生活が、どんなに悲惨無残なものとなるか予測できる。家に閉じこもって酒びたりな老婆となり、確実に孤独死。O原R子と同じ道をたどることでしょう...
人間的には破綻してますが、刑事としては相変わらず敏腕で優秀なテニスン警視。男どもを叱咤し見下しアゴでコキ使い、どんな状況でも決して臆することなく、冷酷無情で容赦のない不屈の捜査は、ほんとカッコいいです。その最強の女BOSSぶりに比べると、日本の天海ゆうきボスなんて幼稚園児、いや、赤子同然。毎回だけど、どんなにコワモテな野郎がスゴんでも、テニスン警視のほうが怖い。男なんて、彼女には完全に位負けしてるもん。
それにしてもテニスン警視、身も心も消耗しきり、もう何も残ってない虚空のような心を抱えて、どうやって老いた日々を生きてゆくのだろう...索漠としたラストの彼女の表情に、暗澹となってしまいました。
被害者の遺族の苦痛、容疑者となった人物の家族崩壊など、目を覆いたくなる悲惨さ。あぶり出された現代社会と人間の歪みが、リアルで残酷。こんな事件、実際にも十分ありえるよな~という怖さ。それが、このシリーズの魅力です。緊迫感があるところも好き。田村マサカズとか水谷ユタカとか織田ゆうぢとかの刑事ドラマが好きな人には、ヘヴィ&ダークすぎるかもしれません。日本でも、こーいう現実的な社会派刑事ドラマ、作れそうだけどなあ。でもまあ、そんなの観たい人は少ないんだろうけど。
興味深かったのは、イギリスのコギャル(死語?)の生態。携帯ばっかいじってる姿やバカっぽい言動などは、日本と同じで笑えた。それにしても。14歳で既婚者と不倫して妊娠して、挙句に殺されちゃうサリー。あんまし同情できなかったなあ。容疑者にまでなった両親が可哀想!
一世一代の当たり役、ジェーン・テニスン警視役にピリオドを打ったヘレン・ミレン、さすがの名演です。ヤな女を通り越して、ヤバい女になっちゃってた素晴らしすぎるアル中ぶりだったコワレぶりも、大げさに熱演したり台詞や感情をブチまけたりせず、鬼のような無表情とかナニゲない動きとかで表現してたのが、やっぱ凡百な女優とは違う大女優ミレンおばさまです。それと、シワも体の弛みもまったく隠そうとしない、リアルすぎるオババぶりが圧巻!これも、日本の女優などには絶対マネのできない勇敢さ、女優魂!ナニハトモアレ、お疲れさまミレンおばさま!寂しいけど、見事な幕引きでした。
サリーの友達で、テニスンと親しくなるペニーが、なかなか複雑で面白いキャラだった。テニスン、可愛いペニーの気を惹こうとしたり彼女を連れまわしたり家に引き入れたり、少女への執着ぶりがヤバい感じだった。手を出しちゃうんじゃないかとハラハラしてしまった