「ダラス・バイヤーズクラブ」
電気工のロンは、自堕落な生活の果てにHIV陽性と診断され、余命30日を宣告される。アメリカでは未承認の治療薬をメキシコで入手したことを機に、同じエイズ患者のレイヨンと組み、非合法組織“ダラス・バイヤーズクラブ”を設立し、未許可の新薬を世界各国から集めて会員に提供するロンだったが…
先日発表されたアカデミー賞で、マシュー・マコノヒーが主演男優賞、ジャレッド・レトが助演男優賞を受賞した話題作を、ようやく観ることができました♪
とにもかくにも、噂にたがわぬマシュー・マコノヒーの激痩せっぷり!マコといえば、ハリウッド屈指のヘルシーセクシーマッチョ男。そのマコが、今まで振りまいていた魅力をかなぐり捨て消し去って、見るも痛ましい無残な病身に変貌。よくそんな姿になって演技なんかできたなあ、と驚嘆するやら戦慄するやら、とにかく見た目だけでも強烈で圧巻です。文字通り捨て身の演技、役者生命どころかガチで生命を賭けたかのような渾身のパフォーマンスは、まさに役者魂ここに極まり、です。日本のヌルい邦画やドラマのヌルいタレント学芸会を観なれた目には、劇薬に近い衝撃です。
まさに幽鬼なマコ。ほぼ死人な肉体から、メラメラ怪気炎が揺らめいて、ゴゴゴゴと音が聞こえてきそうな鬼気の迫りかたです。でも…痩せても枯れてもマコというか、やっぱ男前なんですよねえ。イケメンの痕跡は、ちゃんと残ってます。まあ、女にモテモテな色男であるロン役は、ブサイク俳優だとある意味成り立たない設定なので、その点でもマコは適役だったと思います。ふとした表情とか、ノーテンキな笑顔とか、あ!マコだ!とホっとするシーンもあります。テキサス男らしいラフでアホな言動も、マコらしくて可愛かった。陰鬱で悲惨なシリアス一辺倒ではなくて、ちょっとクスっと笑える味わいも醸してたところも、賞賛に値するマコの演技です。
ロンのキャラが、これまた驚異的なんですよ。生への執着ぶりが、とにかく壮絶!いつ死んでもおかしくない状態なのに、生きるために発揮する底なしのバイタリティ!クスリ求めて三千里、日本や香港まで飛んじゃう元気さは、ほんとに余命いくばくもないの?!エイズって誤診だったのでは、とさえ思ってしまいます。ココロはさておきカラダは健康そのものな私なんか、広島市内に行くことさえしんどいのに。もういつ死んでも別にいいや!なんて思ってる私でも、いざ死を宣告されたら、ロンのようにデスパレートになって運命に抗うのでしょうか?そんな気力もなく、ストンと気落ちしてなすすべもなく死を待つだけ、になりそうですが
ロンの無軌道すぎる破滅的な生活は、かなり反面教師になります。酒、ドラッグ、そして女。考えなしな放埓は、ほんと身を滅ぼすのです。まあ私は、どれも縁がないので安堵細く長く生きるんだろうなあ、と何か悲しくなってきました決して正義感とか使命感とかに燃えてるわけでなないロン、清廉潔癖な聖人じゃない人間くさいダメ男っぷりにも、共感と好感。あと、マコのカウボーイなシャツがオシャレだった。
ロンの相棒になるトランセクシャルのレイヨン役、ジャレッド・レトもマコに劣らずディープインパクトです。
ジャレッドも、素晴らしい肉体美を誇っていたイケメンなのに、そこまでやっちゃうかと怖くなるほどの自分崩しが、悲痛で凄絶。でも、可愛い!病気前は、さぞやいい女だったんだろうな、と想像にかたくないレイヨンを、おちゃめに演じてるジャレッドです。可愛らしい童顔は、やっぱ隠せないですね。明るさと裏腹の、未来のない絶望感がヒシヒシと伝わってくる演技に、胸が締めつけられます。マコとのコンビネーションもいい感じ。ホモ嫌いのロンが、だんだんレイヨンに心ほだされていく過程が泣かせます。皮肉だけど、これこそ男同士の友情って感じ。ロン&レイヨン、二人ともケンカしつつも仲良くずっとコンビ続けてほしいなあ、と願わずにいられない微笑ましさ、切なさでした。ジャレッドのオネエファッションも、奇抜ながらキュートでした。
それにしても。無知って怖いなあと、あらためて痛感しました。私だって、子どもの頃はエイズ=ホモの病気、と信じて疑ってなかった。無知からくる差別偏見の怖さ、危険さを、あらためて痛感しました。怖いから避ける、というのは理解できるけど、わざわざイヤガラセや暴力に及ぶなんて、人間ってほんと卑しく残酷になれるんだなあ、と暗澹となりました。なので、ロンとレイヨンの不屈さが眩かったです。人間って、ここまで強くもなれるんだなあ、と勇気を与えられました。
↑マコちゃんレトちゃん、オスカーおめでと二人ともオスカー獲ったからって気負わず、軽い楽しい映画にも出てください!
電気工のロンは、自堕落な生活の果てにHIV陽性と診断され、余命30日を宣告される。アメリカでは未承認の治療薬をメキシコで入手したことを機に、同じエイズ患者のレイヨンと組み、非合法組織“ダラス・バイヤーズクラブ”を設立し、未許可の新薬を世界各国から集めて会員に提供するロンだったが…
先日発表されたアカデミー賞で、マシュー・マコノヒーが主演男優賞、ジャレッド・レトが助演男優賞を受賞した話題作を、ようやく観ることができました♪
とにもかくにも、噂にたがわぬマシュー・マコノヒーの激痩せっぷり!マコといえば、ハリウッド屈指のヘルシーセクシーマッチョ男。そのマコが、今まで振りまいていた魅力をかなぐり捨て消し去って、見るも痛ましい無残な病身に変貌。よくそんな姿になって演技なんかできたなあ、と驚嘆するやら戦慄するやら、とにかく見た目だけでも強烈で圧巻です。文字通り捨て身の演技、役者生命どころかガチで生命を賭けたかのような渾身のパフォーマンスは、まさに役者魂ここに極まり、です。日本のヌルい邦画やドラマのヌルいタレント学芸会を観なれた目には、劇薬に近い衝撃です。
まさに幽鬼なマコ。ほぼ死人な肉体から、メラメラ怪気炎が揺らめいて、ゴゴゴゴと音が聞こえてきそうな鬼気の迫りかたです。でも…痩せても枯れてもマコというか、やっぱ男前なんですよねえ。イケメンの痕跡は、ちゃんと残ってます。まあ、女にモテモテな色男であるロン役は、ブサイク俳優だとある意味成り立たない設定なので、その点でもマコは適役だったと思います。ふとした表情とか、ノーテンキな笑顔とか、あ!マコだ!とホっとするシーンもあります。テキサス男らしいラフでアホな言動も、マコらしくて可愛かった。陰鬱で悲惨なシリアス一辺倒ではなくて、ちょっとクスっと笑える味わいも醸してたところも、賞賛に値するマコの演技です。
ロンのキャラが、これまた驚異的なんですよ。生への執着ぶりが、とにかく壮絶!いつ死んでもおかしくない状態なのに、生きるために発揮する底なしのバイタリティ!クスリ求めて三千里、日本や香港まで飛んじゃう元気さは、ほんとに余命いくばくもないの?!エイズって誤診だったのでは、とさえ思ってしまいます。ココロはさておきカラダは健康そのものな私なんか、広島市内に行くことさえしんどいのに。もういつ死んでも別にいいや!なんて思ってる私でも、いざ死を宣告されたら、ロンのようにデスパレートになって運命に抗うのでしょうか?そんな気力もなく、ストンと気落ちしてなすすべもなく死を待つだけ、になりそうですが
ロンの無軌道すぎる破滅的な生活は、かなり反面教師になります。酒、ドラッグ、そして女。考えなしな放埓は、ほんと身を滅ぼすのです。まあ私は、どれも縁がないので安堵細く長く生きるんだろうなあ、と何か悲しくなってきました決して正義感とか使命感とかに燃えてるわけでなないロン、清廉潔癖な聖人じゃない人間くさいダメ男っぷりにも、共感と好感。あと、マコのカウボーイなシャツがオシャレだった。
ロンの相棒になるトランセクシャルのレイヨン役、ジャレッド・レトもマコに劣らずディープインパクトです。
ジャレッドも、素晴らしい肉体美を誇っていたイケメンなのに、そこまでやっちゃうかと怖くなるほどの自分崩しが、悲痛で凄絶。でも、可愛い!病気前は、さぞやいい女だったんだろうな、と想像にかたくないレイヨンを、おちゃめに演じてるジャレッドです。可愛らしい童顔は、やっぱ隠せないですね。明るさと裏腹の、未来のない絶望感がヒシヒシと伝わってくる演技に、胸が締めつけられます。マコとのコンビネーションもいい感じ。ホモ嫌いのロンが、だんだんレイヨンに心ほだされていく過程が泣かせます。皮肉だけど、これこそ男同士の友情って感じ。ロン&レイヨン、二人ともケンカしつつも仲良くずっとコンビ続けてほしいなあ、と願わずにいられない微笑ましさ、切なさでした。ジャレッドのオネエファッションも、奇抜ながらキュートでした。
それにしても。無知って怖いなあと、あらためて痛感しました。私だって、子どもの頃はエイズ=ホモの病気、と信じて疑ってなかった。無知からくる差別偏見の怖さ、危険さを、あらためて痛感しました。怖いから避ける、というのは理解できるけど、わざわざイヤガラセや暴力に及ぶなんて、人間ってほんと卑しく残酷になれるんだなあ、と暗澹となりました。なので、ロンとレイヨンの不屈さが眩かったです。人間って、ここまで強くもなれるんだなあ、と勇気を与えられました。
↑マコちゃんレトちゃん、オスカーおめでと二人ともオスカー獲ったからって気負わず、軽い楽しい映画にも出てください!