

1879年のスペイン北部。アマチュア考古学者であるマルティーノ・デ・サウトゥオラ侯爵は、領地内にある洞窟で娘のマリーとともに旧石器時代の壁画を発見する。世紀の発見として話題騒然となるが、それを好ましく思わない教会や学会によって、壁画は侯爵の捏造であると糾弾されることに…
この秋、フランソワ・オゾン監督の“Franz”が、「婚約者の友人」という邦題で日本公開決定!




サウトゥオラ侯爵の調査を手伝うフランス人画家ポール役のニネッち。あ・い・や~!相変わらず超絶カッコカワいい!




幼いマリーが『彼ってハンサムね』と一目惚れ、まるで恋人のようにまとわりつくのも当然な、ニネっちの明るい優しいイケメンお兄さんぶりに萌えまくり!そう、彼ってそんじょそこらにいないような美男だけど、すごく親しみやすくもあるんですよね。気品があるけど気取ってない、小粋だけどナチュラル。そんな俳優、なかなかいません。美しいといっても、サイボーグのような氷の美貌ではなく、ちょっとアニメっぽいファニーフェイス。そして、善い人オーラもハンパない。彼も悪役はできないだろうな~。マリーとポールの仲睦まじい姿は、何だか懐かしの漫画「小さな恋の物語」みたいで微笑ましいです。

スラっとほっそりした長身には、時代劇の衣装もよく似合ってました。動きがすごく優雅なんですよ。高いところからマリーたちの前に降りてくるシーンでの、身のこなしの軽やかさ、美しさときたら!美しいのは、容姿だけじゃないんです。美声にもうっとり。ニネっちの舞台経験の豊富さが、この映画でも見てとれます。そして、ニネっちの流暢な英語にも感嘆!今までの映画でもチョコチョコ英語を喋ることはありましたが、全編ずっと英語だけの彼は初めて。もっと英語圏の映画にも、今後は出演してほしいものです。


ニネっち扮するポールは、侯爵の妻コンチータに淡い恋心を抱いている設定。コンチータへのさりげないまなざし、シャイな笑顔など、男にあんなんさせてみたい~!と胸キュンでした。あくまでプラトニックだったのが、微笑ましくももどかしかったです。マリーに夫婦の前で片想いをバラされたシーンのニネっち、一瞬だけなのに様々な想いがよぎった表情、さすがでした。


優しく紳士なニネっちも素敵でしたが、もうちょっと情熱的でミステリアスな役にしてもよかったのにな~。ポールの片想いもそうでしたが、重要なテーマであるはずの科学と宗教の対立など、サラっとしすぎて何だかNHKの再現ドラマみたいだった。敬虔なコンチータと、彼女の苦悩を利用する教会との関係も、もうちょっと面白く描けたはずなんだけど。


お話じたいは薄口なのですが、映像や衣装、ロケーションやセットは、すごく美しくて一見の価値あり。スペインのリッチな上流社会の様子も、興味深かったです。侯爵一家の住む屋敷が素敵だった。

サウトゥオラ侯爵役のアントニオ・バンデラスは、胸焼けするほど濃かった若い頃より、男の色気は残しつつちょっと枯れてシブくなった今ほうが、私は好きかも。お年を召しても、ラブシーンに違和感なし。バリバリの現役男って感じです。スタイルも崩れてなくて非メタボ。コンチータ役のイラン人女優ゴルシフテ・ファラハニも、エキゾティックな美人でした。神父役のルパート・エヴェレットは、見るからに面妖な悪人で怖いです。
世界遺産にもなったアルタミラ洞窟の壁画は、今は一般公開してないとか。旧石器時代からずっと現代まで残ってたなんて、悠久のロマンを感じますね。






↑イケてるニネっち画像、集めてみました~

「婚約者の友人」に続く新作は、シャルロット・ゲンズブール共演の“La promesse de l'aube”です
