まつたけ秘帖

徒然なるままmy daily & cinema,TV drama,カープ日記

カルチェラタン古書堂の事件手帖

2018-08-22 | フランス、ベルギー映画
 お松のフランス映画祭①
 「静かなふたり」
 田舎からパリに越して来たばかりのマヴィは、店員を募集していた古書店で採用される。初老の店主ジョルジュは謎めいた人物で、マヴィは戸惑いながらも彼に惹かれていくが…
 ヒロインのマヴィを演じてるのは、大女優イザベル・ユペールの娘であるロリータ・シャマ。子役で出演した「主婦マリーがしたこと」他、現在にいたるまでママンと何度も共演してるロリータは、さすが血は争えないというか、顔はママンに似てます。小柄で華奢なママンと違って、ロリータは長身でイカついけど、モデルみたいなカッコいいスタイルの良さが魅力的。クールだけどどこかトボけた感じや演技も、ママンを彷彿とさせます。ファッションも、ママン譲りのハイセンス。ガーリーでありながらエレガントで、シンプルで気取りがないけど高級感ある劇中のロリータの衣装がオサレでした。

 どっからどー見ても生粋のパリジェンヌで、庶民的な生活感の薄いロリータなので、田舎娘役にはちょっと違和感が。力みや気負いがなく軽やかだけど、少々のことでは動じないシレっとした図太さは、まさにイザベル・ユペールのDNAを受け継いでいますが、ママンほどの冷酷さと毒はなく、イカレ女役や悪女役は似合いそうにないロリータ。ママンほどの大女優にはならないかもしれませんが、個性的すぎないけど他に似たような女優があまりいない、という個性で脇役などでも重宝される女優になりそう。

 お話はあるようでないような、ないようであるような。パリでの静かな日常の中でマヴィが遭遇する、ちょっと奇妙な出来事や人物が、淡々とした不思議ムードを醸してました。いかにもフランスの小品という感じの映画なので、そういうのが苦手な方にはかなりかったるい、睡魔に襲われる映画かもしれません。ジョルジュとマヴィとの、年の差ロマンスになりそうでならない、友だち以上恋人未満な関係も、フツーの映画ならもどかしく切なく描いたでしょうけど、この映画ではそれはあまり重要ではなく、あくまで主役であるパリの風景や空気の一部として扱われていたようでした。

 商売っ気ゼロな古書店でしたが、私もあんな店の店番になりたいです(笑)。生計のことを心配せずに、マヴィみたいに日がな一日のんびり本の整理や読書をしたり、書きものをしたり散歩に出かけたりしてみたいわ~。マヴィが散策するパリの景色が、昼も夜もそれぞれ趣がありました。大昔に行って実際にこの目にしたパリは、映画ほど美しくはなかったけど(笑)それはガヤガヤした観光地ばかり歩いてたからでしょうか。いつかまた訪れることができたら、この映画の古書店があった学生街カルチェ・ラタンとか、路地や川べりなど逍遥してみたいです。

 空からボトボトと絶命したカモメ?が落ちてくるのが、怖くて笑えました。実際にもあれって、パリでは日常茶飯事なの?マヴィがフラっと入った名画座で出会う青年役のパスカル・セルボが、なかなか可愛いイケメンでした。ジョルジュ役のジャン・ソレルは、二谷英明を小粋にした感じの熟年でした。 

 ↑仲良しオサレ母娘。いくつかある共演作、日本でも公開されるといいですね
コメント
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